Jewels of Nostalgia

KODAK Retinette Type 017
Schneider Kreuznach Reomar F4.5/50mm
Prontor SV B,1sec. - 1/300sec.
1952, Made in Germany


Kodak Retinette シリーズは、同社 Retina シリーズの普及版・廉価版である。レンズ構成が4枚以上のものが Retina、3枚のものが Retinette とされているようである。Retinette は、1950年代後半の固定鏡胴モデルが一般には良く知られているが、初号機が発売されたのは第二次世界大戦前に遡る。
初代レチネッテは、1939年に販売開始され、初期モデルは、Retina と同じく蛇腹を備えていた。蛇腹付レチネッテとしては、戦前の Type 147/160、戦後の Type 012/017 が存在し、このページの Type 017 は、蛇腹付レチネッテの最終モデルにあたる。

前蓋を閉じた Type 017 の外観は、Retina I Type 013 の軍艦部を、Retina II Type 011/014 のボディに乗せたように見え、なかなかに紛らわしい。とはいえ、ボディ金属トリミング部が黒エナメル塗装である、巻上げノブ類の形状が異なる、フィルムカウンターが黒色である、裏蓋開閉ノブが無塗装であるなどの違いがあり、識別は容易である。前蓋を開けた姿は、見慣れたコンパーシャッターではないため、他のレチナ一族とは異なった趣がある。
レンズやシャッターをレチナシリーズより安価なものにしているわりには、カメラとしての質感はしっかりとしており、決して「安物」には感じられない。また、カメラとしての描写力も良く、極めて実用的なモデルというのが実際の印象である。


レンズはシュナイダー製レオマー、3群3枚のトリプレットであるが、戦後モデルだけに単層コーティングが施され、コントラスト、発色は非常に良い。開放F値こそ暗いものの、無理のない素直な描写で、シャープネス・解像感も充分である。
Balda Baldinette のラディオナー同様、シュナイダーのトリプレットはなかなか侮り難い。
なお、フォーカシングは前玉回転式であり、レチナ一族のヘリコイド回転全群移動式とは異なる。

Retina I には、アルミ製銀白色のフィルムカウンターが付いているが、この Retinette Type 017 の場合は、ベークライト製?の黒色フィルムカウンターである。
また、Retina I は順算式カウンターであるが、Retinette Type 017 では逆算式カウンターとなっている。
ケーブルレリーズも、そのままシャッターボタンにねじ込むようになっており、専用コネクタホールにねじ込む Retina I より近代的である。

当然のことではあるが、裏蓋に刻まれたエンボスロゴは Retinette となっている。

レオマー+プロンターの組合せは、クスナー+コンパーより若干厚みがあるため、Retina I より前蓋が大型となり、Retina II の前蓋のように見える。




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実写例
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