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KODAK Retina I Type 119 Schneider Kreuznach Retina Xenar F3.5/50mm Compur TB,1sec. - 1/300sec. 1936, Made in Germany |
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レチナシリーズ誕生の経緯、およびそのメーカーであったドイツ・コダック社の沿革については、Retina Type 117 に記したとおりである。 この Type 119 は、1936年に作られた三代目レチナである。1936年といえば、距離計付の Retina II (Type 122) が誕生した年であり、この年から、距離計無しモデルを "Retina I"、距離計付モデルを "Retina II" と呼ぶようになったと言われている。1936年以前の初期型レチナ Type 117/118 は、いずれも単に "Retina" と呼ばれていた。 したがって、この Type 119 は、"Retina I" と呼ばれた最初のレチナと思われるのだが、次モデル Type 126 から "Retina I" と呼ばれるようになったという説もあり、実際には判然としない部分が多い。 (Type 126 はレチナ初のクロームメッキモデルであり、軍艦部等がクロームメッキ仕上げとなった他は、Type 119 とほぼ同一のモデルである。) とはいえ、Type 119 は、初期型レチナ Type 117/118 の多くの部分が改良され、後世の Retina I の原形ともいえるモデルとなったことは確かである。 Type 117/118 を特徴づける、円盤形ともいえる平板で大きめの巻上げノブと巻き戻しノブは、Type 119 から、小さめの巻上げノブ・円筒形の巻き戻しノブとなり、また、巻き戻しノブ側に位置したフィルムカウンターも巻上げノブ側に移動した。 フィルム巻き戻し時のリバースクラッチが軍艦部背面に設けられたのも、このモデルからであり、"Retina I" の外見的特徴である、巻上げノブ側の軍艦部の盛り上がりが顕著になったのも、Type 119 からである。いわば、一連の "Retina I" シリーズの基礎形となったのが、この Retina I Type 119 と言って良い。 |
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レンズはレチナ標準ともいえる、シュナイダー・クスナー。この機体に付いていたレンズの表記は、後世のモデル同様 "Retina Xenar" となっている。 戦前のノンコートレンズながら、色抜け・カラーバランスは悪くなく、すっきりとしたきれいな描写である。シャープネス・解像感もシュナイダー製レンズらしく繊細である。 Type 119 は、まだボディレリーズではなく、シャッターを切るにはレンズ右上に見えるショートレリーズを用いる。このショートレリーズは、取り付けたまま前蓋を閉じ格納することができる。 | ||||||||||
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軍艦部の配置は、写真右から巻き戻しノブ、ファインダー、フィルムカウンター、巻上げノブとなっている。ノブ類はニッケルメッキ仕上げであり、やや黄色味を帯びて鈍く光る姿は美しい。 軍艦部は本来はブラックエナメル焼付塗装であるが、この機体では見事に剥げ落ちてアルミ地肌がむきだしになっている。 一方、内部機構はいたって頑丈で、フィルム巻上げ〜巻き戻しはすこぶるスムーズ・軽快である。とても、誕生後60年以上を経たカメラとは思えない。 | ||||||||||
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軍艦部背面の様子。 ファインダー右横のレバーは、フィルムリリースレバーである。フィルム巻上げは1コマ(8パーフォレーション)分でロックされるが、そのロックを解除するためのレバーである。Type 118 から採用された機構であるが、レバーはやや大型化され、操作しやすいものとなった。 なお、フィルムカウンターリセットの際にも、このレバーを用いる。 巻上げノブ背面にあるのが、リバースクラッチである。巻上げ時には「A」に、巻き戻し時には「R」に設定する。後世レチナの標準的機構となったものである。 | ||||||||||
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軽合金ダイキャスト製ボディ内部。Type 118 とほとんど同じである。モルトプレーンなどは使っていないが、光線漏れは皆無である。 ボディ左下の円盤状のものは、レチナ伝統の被写界深度ゲージである。 | ||||||||||
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シャッターレリーズボタンが無いため、レンズ収納時には実にすっきりとした端正な姿となる。また、ブラックボディに黄色みを帯びたニッケルメッキは、よく映える。 Type 117 / 118 などのクラシックレチナに比べ、人気の無い Type 119 であるが、こうして見ると、最も美しいレチナに思えてくる。 | ||||||||||
実写例
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