Jewels of Nostalgia

KODAK Retina I Type 013
Schneider Kreuznach Retina Xenar F3.5/50mm
Compur-Rapid B,1sec. - 1/500sec.
1949, Made in Germany


レチナシリーズ誕生の経緯、およびそのメーカーであったドイツ・コダック社の沿革については、Retina Type 117 に記したとおりである。
また、第二次世界大戦後の復興期レチナについては、Retina I Type 010 に記したとおりである。

この Retina I Type 013 は、Type 010 の後継機であり、1949年に登場したものである。
もっとも大きな変更は、Type 010 までの段違い軍艦部が巻き戻しノブまで伸びてフラットな形状となったことである。
また、初代レチナ以来の伝統であるボディ左底部の円盤状被写界深度ゲージが廃止され、レンズ鏡胴距離スケールへと移行した。レンズフェースプレートの円錐形化と相まって、より近代的な外観となった。
その他にも、フォーカシングヘリコイドノブの大型化、リワインドノブ外周のフィルムタイプリマインダー追加、前蓋スタンドの廃止など、様々な改良がなされている。とはいえ、初代レチナ以来のシンプルな構造は、それほど大きく変わったわけではない。


レンズは、レチナシリーズ標準のシュナイダー製クスナーである。
このクスナーは、戦後のものだけに単層コーティングが施され、コントラスト・色抜けは良い。
クスナー伝統の繊細な描写も健在である。開けば柔らかく、絞ればシャープ、ボケも美しく使いやすいレンズである。
このタイプのレンズフェースプレートから、絞り爪にはクリックストップが付けられるようになった。また、シンクロ接点標準装備となったのも、このモデルからである。

軍艦部は巻き戻しノブまで伸びて、フラットなものとなった。アクセサリシューは標準装備である。
巻き戻しノブ外周部には、フィルムの種類などを記憶するためのリマインダーが設けられた。
軍艦部右側、巻上げノブ付近に関しては、Type 010 とほとんど変わっていない。

前蓋を畳んだ状態。
この Type 013 から前蓋のディスプレイスタンドが廃止された。
レチナシリーズは、Retina I 以降、レバー巻上げの Retina Ia、連動距離計内蔵レバー巻上げの Retina IIa、露出計内蔵の Retina IIIc などへ進化していくが、それとともにサイズが肥大していったのは、個人的には少々残念なことである。




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実写例
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