環境共生住宅

サンコート砂田橋




交流の庭 / 2期住棟

■2006. 3. 7■

 サンコート砂田橋の2期工事が完成し、見学会があったので参加した。前期の北側に建てられた2期は、全117戸、RC造9階建て1棟。うち高齢者向け優良賃貸住宅が30戸で、残り87戸は一般公社住宅となっている。住宅の広さは、高優賃が50.44〜64.73m2、一般住戸が50.60〜80.47m2で、高優賃の広さが目立つ。これで家賃が60,900〜75,000円は立地からすればかなりお得(一般住戸は67,200〜98,300円)。応募倍率も高優賃は6.7倍に上った。
 今回も建物西側に、前期の菜園に連続してクラインガルテンが設けられ、住棟南側には豊富な植栽が施されている。また、北側幹線道路からの入り口脇には、受水槽を囲んで庭が設けられ、太陽光発電に風力発電の風車が回り、環境共生住宅をアピールしていた。
 高優賃の住戸内は、やはり広い。高齢者夫婦世帯が持つ荷物を考えればこれくらいは必要なのかもしれないが、最近、民間高優賃を見てきた体験からすれば、贅沢すぎるくらいの広さ。緊急通報や安否確認の利用は任意だが、月735円は安い。一般住戸も、日当たりも良く気持ちがいい。南側住棟の両端から、西にナゴヤドーム、東には東山タワーも眺められる。

東側眺望 / 中抜きの共用空間 / 住戸内

受水槽の囲い / 南側植栽 / クラインガルテン

■2005. 5.10■

 今年(2005年)の1月から3月にかけて、愛知県内で実施した「あいち住まい・まちづくり協働戦略会議・地域会議」の一つとして、このサンコート砂田橋の見学会と福祉系NPOや町内会活動と団地をテーマにした会議が開催された。私はその準備段階で、当日パネラーとなられた「NPO法人 介護福祉さくら」を訪問し、その活動の現状などを伺ったが、あいにく雨の夕方だったため、団地全体を見ることはできなかった。その後、なかなか現地に行く機会がなかったが、ようやくGW明けの10日に、県公社の方の案内で見学に行く機会を得た。

北西側外観 / 西側からの通路 / 北側外観
 サンコート砂田橋は、愛知県住宅供給公社の賃貸住宅。昭和20年代に建設された古いRC造の中層住宅だったが、県公社初めての中層RC造住宅建て替えプロジェクトとして数年前に着手し、16年春に第1期が完成した。第1期は全240戸のRC造10階建て。240戸のうち、100戸が高齢者向け優良賃貸住宅(以下「高優賃」)で、残りの140戸は一般公社賃貸住宅。従前居住者の戻り入居が149戸あり、平成14年12月に、一般賃貸住宅64戸、高優賃27戸が募集された。
屋上緑化ハーブガーデン
壁面緑化免震構造のスリット
 サンコート砂田橋の特徴の一つが、環境共生住宅。自然とのふれあい、省エネルギー・省資源、地域環境負荷軽減、健康・快適・安心の4つを柱に、自然環境と共生する住まいづくりをめざし、(財)住宅・建築省エネルギー機構の2001年度環境共生住宅団地の認定を受けている。また、駆体構造には免震構造を採用するとともに、高齢者向け住戸には緊急通報装置や安否確認サービスも導入されている。
 1期で完成した敷地には、南側に道路を挟んで緑あふれる緑地帯に面して並ぶ2棟の住宅棟があり、北側には2棟の立体駐車場を挟んで、自然の庭、健康の庭、交流の庭がならぶ。交流の庭は、オブジェのような植木鉢型の遊具のある芝生広場を、集会室、管理事務所、高齢者等支援施設、子育て支援施設の各施設が囲んでいる。平屋建ての各施設の屋上は屋上緑化され、またハーブガーデンとなっている。また、立体駐車場ともども壁面緑化の仕掛けが施されている。もっとも思ったようにはツタは伸びてくれていないが。
 健康の庭はゲートボールのできる広場で、雨水貯留の役目も果たす。また、自然の庭は、東側に南北に伸びる大幸緑道に隣接し、雨水を太陽光発電で水循環し利用している池を中心にビオトープが整備され、北側にクラインガルテン(共同菜園)、農具庫、手押しポンプなどが設けられている。

鍋屋上野浄水場 / 自然の庭鳥瞰 / ビオトープ

クラインガルテン(共同庭園) / 手押しポンプ / 隣接する大幸緑道
 地下鉄名城線が昨年環状開通し、砂田橋駅から徒歩5分。南側には鍋屋上野浄水場の緑と水面が広がり、周囲には複数の小・中・高校が取り囲むという絶好の立地。敷地は砂田橋交差点の東南に広がるが、第1期はその広い敷地の東南側のもっとも交差点から遠い側にあり、実に閑静な環境だ。現在は東北側に第2期工区を工事中。さらに北中央と南西側に第3期工事が計画され、北西角地は定期借地による商業施設用地として事業者を募集中だ。
 前に「NPO法人 介護福祉さくら」の方に伺った話では、福祉サービスの利用者は意外に団地内よりも団地外の人が多いとのこと。これは一般賃貸住宅もあり、自立した高齢者が多いせいかもしれないが、団地内に限らず地域へサービスをしているのはある意味いいことではないか。ただ、従前居住者が中心の自治会は閉鎖的で、集会所などもあまり利用していないとのこと。クラインガルテンには一部野菜の苗が植えられていたが、環境共生は住民の関わりがあってこそもっと生きると言える。NPOが集会所を借り上げて高齢者の食事会等で利用すると同時に、同額で清掃を請け負う、といった試みも始めているようで、今後このNPOが中心となって、この住宅のコミュニティが盛り上がっていけばいいのだが。第2期、第3期と完成した暁には、この団地の雰囲気も大きく変わるはずで、その時にどんな住宅になっているか、楽しみに待ちたいと思う。

南側外観 / 南側緑地 / 北西の事業用用地