路地・長屋 空堀商店街

(2007.9.25)



空堀商店街  /  路地と祠

 大阪へ行ったついでに、「路地からのまちづくり」で紹介されていた大阪市「谷町六丁目」駅南の空堀地区を訪れた。「路地からのまちづくり」によれば、地蔵と祠の多い木造密集市街地だが、近年、大阪市がHOPEゾーンに指定し、「空堀地区HOPEゾーン協議会」(愛称:からほり井戸端会)が設立され、街なみ環境整備事業による修景助成や公共施設整備に取り組んでいるという。今回は仕事が終わった後、突然ぶらりと訪れたため、これらの活動や事業の状況はうかがい知れなかったが、大阪ミナミらしい活気にあふれた市街地に触れることができ、非常に面白かった。
 地下鉄谷町線「谷町六丁目」駅を出て、とりあえずは適当な路地を東へと向かう。さっそく小さな鉄工所などの町工場が連なり、大阪らしさを実感する。ここらあたりはまだ道も5〜6mほどもあるが、いくつかの路地が伸びており、狭い間口の家々が立ち並んでいる。マンションも多い。その中にきれいに修景された住宅が見られた。補助を受けた建物だろうか。
 適当なところで右折し、さらに右折する。狭い路地にギャラリーの看板があるので入ってみる。密集した民家や長屋を改装し、小さなギャラリーや店舗にしているものがいくつか見られる。しばらく歩くと少し広い公園に出る。子どもたちの声が響いている。その西側の道を南下する。道に面してこぎれいに改修したレストランがあった。開店前だが、フランス料理と書かれていた。
 突き当たりが空堀商店街の東の端だ。商店街の中を西に向かう。アーケードの下は歩行者専用道となっており、けっこうな賑わいだ。路地の入り口に赤い祠があり、その向こうに長屋が連なっている。そんな路地を二つばかり出たり入ったりするうちに、谷町筋に出た。道の反対側には山形三角形のアーチ看板が立ち、「空堀商店街」と書かれている。店毎に下げられた張出し看板がずらっと並び、見るからに昭和レトロチックに賑やかそうなわくわくする空間。逸る気持ちを抑え、信号を渡り、商店街に入っていく。
 平日の夕方という時間帯ゆえか、大変賑やか。お店も生鮮食料品店もあれば、どぎついスーパー、渋い歴史を感じさせる鰹節店、豆腐屋、こんぶ屋。各店の前に張出した看板には当然屋号が書かれているが、中には単に「姓」だけの看板も。しもた屋も商店街のルールに同調して掲げているもののようだ。そんなしもた屋の軒を借りて、果物を売る店がある。店の方が狭いのに、看板は両者並んで掲げられているのが面白い。看板に隠れて、年季の入った銅板葺きの店舗建築があちこちで見られるのも興味深い。
 空堀商店街を松屋町筋まで抜けて、南側の通りを東に戻った。松屋町筋には夜店で売られるような子ども向け玩具や駄菓子の卸店舗が見られ、名古屋の円頓寺界隈みたい。商店街の裏通りになるが、昔ながらの長屋や古い商家が見られる。お祓い筋を商店街へ戻る。道が鍵の手に曲がるあたりに屋根上に草が生える建物があった。その少し前には4階建ての3・4階にプランターが所狭しと置かれた建物も。もちろん路地の中は、各家が競うようにプランターを並べ、緑を表出している。
 商店街を通り抜け、今度は北側の路地を辿って、東へと向かう。狭い間口だが、それぞれが立派な表札を掲げ、自立し共生している様子を感じる。そして手入れされた祠が路地を見守る。
 ようように通り抜けて、谷町筋まで戻る。最後はやっぱり食い道楽。商店街内の「富紗家」で、豚もやしセイロ蒸し鍋、とんとん焼、キムチ焼そばと名物デザート芋ッ子アイスを食べてきました。美味しかった。楽しかった。