水とおどりの城下町

郡上八幡

(2003.7.31)


小駄良川に連なる木造住宅群

 東海北陸自動車道を一宮JTから小一時間。この道路の開通によって、郡上八幡はぐっと近くなった。「ぐじょのな〜ぁ、はちぃまぁ〜ん」の声も高らかに、夜通し踊り続ける郡上踊りも始まったこの時期、避暑も兼ねて急遽、家族でクルマを走らせた。岐阜から延々伸びる長良川と直角に交わる吉田川との合流部に開けた小さな平地に郡上八幡の町はある。吉田川に何本もかかる橋の一つを渡り、観光拠点の一つ、城下町プラザでクルマを止め、日が強く照りつける午後の町を歩き出す。

城下町プラザ / 郡上八幡博覧館
 東側の路地の切れ目に郡上八幡城の姿を眺めつつ、郷土資料館である郡上八幡博覧館へ。そこから吉田川のさらに支流、小駄良川に沿った古い町並みを南下する。各家の軒には、町内毎に統一されたバケツがぶら下がり、防火意識の高さを物語る。路地を一つ入って小駄良川に架かる橋から両岸を眺めると、まるでビルのように、木造3階建て、4階建て?の住宅が立ち上がる希有な景色が見られて興味深い。川には水遊びをする子供たちの歓声が響いている。川向こう、山沿いの町並みは、間口の狭い町家が続き、道が曲がっていつの間にか吉田川沿いに伸びている。川端まで降りて合流部を小駄良川沿いに歩くと、赤く塗られた清水橋。この脇に名水百選に選ばれた名水「宗祇水」が湧いている。
 宗祇水が湧く上には祠が建てられ、川に流れ込むまでの間に何段にも区切られた四角い槽が作られている。最上部が飲み水、ついでスイカ等を冷やす槽、野菜を洗う槽、食器を洗う槽と分かれ、きれいに保たれている。

清水橋 / 宗祇水
 冷たい川の水に一息ついた後、吉田川に架かる宮ヶ瀬橋を渡ると、食品サンプルの製造公開をしているさんぷる工房がある。一番奥の工房では、電子レンジにかけたりスプレーで色づけしたりと、3人ほどでかわいく作業をしていた。その前に展示してあるサンプルはどれもほんものそっくりでびっくりするほど。サンプルづくりの体験もでき、家族で天ぷらやレタスを作って大喜び。なんでも郡上八幡出身の方がこの会社を興し、今では全国製造の6割近くをここで製造しているとか。

やなか水のこみち / 郡上八幡旧庁舎記念館

新橋 / 郡上八幡城 / 郡上八幡の町を一望
 続いて、郡上踊りののぼりや飾りがはためく通りを経て、やなか水のこみちへ。水がわき出る水路の脇に数本の柳が植えられ、玉石を張ったこみちは風情のある景観を醸している。おもだか家民芸館などいくつかの美術館等がある中を通りすぎ、藍染めの実演を行っている郡上本染などを見つつ、新橋ふもとの郡上八幡旧庁舎記念館まで戻ってくる。この新橋では、毎年7月に、様々な仮装をして吉田川に飛び込むジャンプコンテストが開かれるが、今年は冷夏の影響で延期となり、さらにはちょうどこの日にあった事故のせいで中止となってしまった。残念。
 ぐるっと、のんびり3時間ほど。城下町プラザまで帰り着いてクルマに乗り、郡上八幡城に登る頃にはだいぶ日も翳って涼しくなってきた。山頂から城下町を見下ろすと、川を抱き、山に囲まれた小さな町の姿が一望できた。ちょうどいい規模と活気の町だ。