中部国際空港
セントレア

【工事中】



(2003. 1.28)

 愛知県常滑沖で着々と工事が進められる中部国際空港「セントレア」。その工事中の現場を見学する機会があったので行ってきました。2002年春、「愛・地球博」の開催に先立っての開港を目指し、成田空港・関西空港と並ぶ国際空港として、2000年8月の護岸工事着手から始まって、埋立工事も概ね終了し、既に空港ターミナルビルの工事が始まっていました。
 陸地側にある中部国際空港(株)建設事務所の情報コーナーで説明を受けた後、バスに乗って空港工事現場へ渡ります。空港島の対岸部、前島で進められている地域開発用地の埋立地を左手に眺めつつ、既に空港島までつながっている道路橋を渡ります。これに平行して架けられる鉄道橋はまだ建設中。柱脚は概ね終わり、やじろべえ工法による橋桁の架設が始まっていました。空港島への渡航は、現在、ガードマンにより厳重に管理されたこの道路橋と、主に工事労務者を運ぶ船が運行されているのみです。
 常滑沖のこの場所は、海底が浅く比較的地盤が固いため、関西空港のように慢性的な沈下に悩まされることもなく、順調に、予定よりもかなり早く埋立工事が進捗しており、2月中には完了する見込みとのことでした。この時点では一部に揚土ブースが残っていたものの、土運搬船の姿はほとんど見られませんでした。空港島の内部にはこの現場専用の生コンプラントが設けられ、50t級の超巨大なダンプが走っています。また、クレーンを使って巨大な錘を吊り上げては落とす地固めが行われていました。
 空港ビルは、中央に4階建ての旅客ターミナルビルを配置し、そこから3方に飛行機が接続するウイングが伸びています。ウイングは北に国内線、南に国際線と分かれますが、これは離陸距離の長い国際線をより南側に位置させるという配慮からだそうです。そして滑走路の反対側、ターミナルビルに面して、鉄道駅、さらに駐車場、海上アクセスとつながるマルチアクセスターミナルがあります。鉄道ホームとフラットでチェックインロビーにつながるよう連絡通路を設けている点など、設計段階で障害者団体等のチェックを受けるなどし、人にやさしい空港づくりが行われています。謳い文句が「ユーザーフレンドリーでシンプルなターミナル」。しかし建設費も相当に低く抑えており、「シンプルだが面白みのないデザイン」と言われないか、今から心配です。
 さて、見学バスはターミナルビル工事現場の横を通って、滑走路南側に設けられた高さ15mの見学用展望台へ向かい、そこから全貌を見学します。この地に計画された理由の一つに、常に北からの風が見込めるということもあったかと思いますが、この日も強い風が吹き付け、寒さに震えながら工事現場を一望しました。
 滑走路は3500mのものが1本。これからコンクリート舗装をしていくそうです。現在の名古屋空港では滑走路が短く、ニューヨークまでの直行便が飛び立てませんが、これでニューヨーク、イタリアなどへも直行できるようになるとのこと。さらに将来的には4000mへの延長と2本目の滑走路増設計画も持っているとのことでした。旅客もさることながら、中部国際空港の場合は、中部圏、さらには関西圏他からの貨物便の利用が期待されています。先日行われた知事選挙で落選した対立候補から、空港事業の中止が訴えられていましたが、ここまで出来上がったものを中止というのも非現実的という印象を強く持ちました。しかし完成した暁には経営的に絶対に成功しなくてはいけませんし、そのあたりの鍵は貨物便の成否に掛かっているといっても過言ではありません。
 採算性重視でデザイン面ではバリアフリー等実質面のみを重視する姿勢もやむを得ないのかなあと思いつつ、できれば世界に誇れる空港として巣立ってもらえるよう、今から2年後の完成が楽しみです。