玉サバってこんな金魚です
玉サバって・・・なに?
玉サバは、越後で作出された金魚です。
土佐の土佐錦、出雲の南京、愛知の三河地金と同じように 古き日本産の金魚で
ぽっちゃりボディですが泳ぎはシャープ、優雅で、そして魚らしい金魚。
越後を代表することはもちろん、寒冷地に順応したすばらしい金魚なのです。
玉サバの特徴
なんといっても玉のような愛らしいボディ、野生味ある尾が玉サバ最大の特徴です。
 形質は「良い玉を良しとする」といわれ
   昭和初期の玉サバは
       肩が盛り上がり、上から見ても横から見ても
  玉・・・
・・・だったそうですよ。
上から見る姿が基本でしたが、現在では水槽飼育が普及して
横見姿でも見応えがある更紗が多く作られています。
錦鯉の産地 越後 で誕生しただけあって 深い緋質を持ち
最大全長は40センチ以上といわれています。
大型化にはそれなりにテクニックが必要ですので
一般には水槽飼育で十分楽しめます。
ランチュウのように詳細に品評されることはなく、
生産者によってそれぞれ特徴が見られますが、
下の画像の個体が玉サバの特徴をよく表していると思います。

・飼いはじめは0.3〜0.5%の弱塩水
 玉サバは、飼育環境に慣れてしまえばとても丈夫で飼いやすい金魚ですが、
特に当歳、2歳については環境変化にやや神経質な面が見られます。
0.3〜0.5%弱塩水でストレスを軽減させ、輸送による体調不良を回復させてから
徐々に濃度を下げ、水慣れさせると失敗が少ないようです。 
 弱塩水の作り方は、水1リットルに3〜5グラムの粗塩を溶かせばOKです。
水槽全体としては、全水量(リットル) x 3 〜 5グラムの粗塩を溶かすことになります。
 この量は、実際手するとその多さにびっくりしますが全然大丈夫です。
また、ろ過槽等のバクテリアにもほとんどダメージはありません。
弱塩水でのリカバリは、病気治療・体調不良などの改善によく採用され、
その効果は実感できると思います。
 この方法は、私が住む地方の水を基準にしています。
地域によって水の質・味が違いますから参考にしてくださいね。

玉サバ起源説は、リュウキンと庄内金魚の交配という説が有力となっています。
ヒーターなどなかった時代、
寒さの厳しい新潟ではリュウキンを越冬させることは至難の業でした。
リュウキンはもちろん、丸手の金魚は雪と寒さで凍ってしまったといいます。
そこで、リュウキンに庄内金魚を交配し耐寒性をもたせ
できあがった金魚をサバ尾と呼び根付いていきました。
サバ尾という呼び名は
フナ尾金魚の総称として広まった背景もあるようです。

サバ尾の中には丸いもの、長いものなど幅広く存在し
玉サバは その中から「特に玉型丸手」のものを選別して誕生しました。
ですからどちらも起源を同じにする越後の金魚と言えますが
玉サバと呼ばれるには「玉」「丸手」という特徴を選別していく必要があります。


「玉サバ」と「サバ尾」を簡単に説明すると
玉サバ・・・玉型丸手体型
    サバ尾・・・吹き流し型長手体型
となります。
玉サバ応援隊では、サバ尾を幅広く越後の金魚と認識し
選りすぐりの選別系統を
越後金魚のブランド「玉サバ」
として応援したいと考えています。

フナ尾のリュウキンが「玉リュウ」と呼ばれ一時期関東方面で流行したそうです。
一見、両者は同じように見えますが、
玉リュウの、特に胸ヒレ、尾先は丸く、玉サバのように伸長しない
玉サバの梶尾は1枚、玉リュウは2枚(1枚のものもいます)
などの違いがあります。

玉サバは「鯉と一緒に泳げる金魚・大きな金魚」と言われています。
越後は錦鯉の産地として有名ですが、
昭和の初めころ、地元の裕福な愛鯉家の間で、ご愛嬌として
   「金魚を大きく、立派にする」
ことが流行ったそうです。
体格を大きくする方法は「2歳以上の鯉と野池で混育する」こと。
鯉と一緒に泳ぐことで運動量が増え、
鯉に負けないように餌を食べたことから体格はかなり大きくなりました。
そして立派な体型を作るために優良魚への選別淘汰が行われ
「玉のように丸くなった」玉サバが誕生したのです。
金魚を鯉の野池に放すことは、
寄生虫の予防・駆除の目安として錦鯉飼育の方法でもあったようです。
鯉と金魚ではイカリ虫などの寄生虫は金魚に付きやすく、
鯉のダメージを少なくするとともに金魚の寄生状況を調べて駆除の目安にしたとか。
こうして飼育されてきた経緯から玉サバは
「鯉と一緒に泳げる金魚」「大きな金魚」と呼ばれるようになりました。

越後では「玉サバ」も「サバ尾」も同じように人気があります。
「玉サバ・玉サバ尾・サバ尾」とランク付けされますが価格にそれほどの差もなく、
越後で言う「金魚」として愛されているのです。
しかし、より良い個体を求めるというニーズが少ない分、玉サバの優良個体を見ることは難しくなってきています。
その結果、越後では普通に目にする玉サバも、
それ以外の地域では「幻の金魚」などと呼ばれることがあるようです。
玉サバ応援隊では、より優良な玉サバを紹介して
全国の金魚好きな方々に玉サバを知っていただくことを目的としています。






「玉サバ」と「サバ尾」
「玉サバ」と「玉りゅう」
「玉サバ」と「錦鯉」
サバ尾
標準的な玉サバです
玉りゅうの尾先
玉りゅうの胸ビレ
越後の「玉サバ」事情