畳のお手入れ方法





たたみの選び方

上質の畳表にはへりの部分と真ん中の部分に色の差がないものです。このため長いいぐさを利用し、経糸(たて糸)も綿糸より麻糸が高級とされています。

最上級
変色したいぐさの混入がなく、畳表全面の色調が特に良好で「特等」の格付けがなされている畳表です。
中級品
110cm以上のいぐさを使用し、経糸は麻糸並びに綿糸で織ります。1枚1.5kg以上の重さがあります。織り込み密度、色調ともにおおむね良好です。
下級品
変色いぐさか元白があり、色調などで「3等」に格付けされている畳表です。
原草
一枚の畳表には約4,000から7,000本のいぐさが使用されます。
・最上級品(140cm以上のいぐさ)
・上級品一種用(130cm以上のいぐさ)
・上級品三種用(120cm以上のいぐさ)
・中級品(110cm以上のいぐさ)
・下級品(97cm以下のいぐさ)
経糸(たて糸)
経糸(たて糸)には、マニラ麻糸、麻糸、綿糸、化繊糸があります。
マニラ麻・ジュート麻経糸
麻経糸
綿経糸
JAS表示
JAS表示は、信頼できる製品の印です。「農林物資の規格化及び品質表示に関する法律(JAS)に基づく畳表の格付表示です。種類ごとに品質、幅、長さ、たて糸の本数、重量、たて糸の種類及び強度等で格付けされています。

たたみのお手入れ
掃除はマメに
畳の掃除は、晴天の日の午前中に換気を充分にし、マメに行うことが大切です。ヘリは丁寧に扱い、水拭きは原則的には避けますが、雑巾を使う場合は固く絞って畳の目に沿って拭きます。
新しい畳または表替えした畳は
使用前に空拭きをして、白い粉(染土)を丁寧に拭き取って下さい。水が多い雑巾は絶対に避けて下さい。お湯を使った場合は畳表の乾きが早くなりますが、この場合もよく絞った雑巾を使い、晴天の日に行って下さい。
掃除機をかけるコツ
電気掃除機は畳表を傷つけやすいため、畳の目に沿って軽く、ゆっくり行って下さい。
日光浴を年2回程度行う
畳は湿気が一番きらいです。畳を長く使用するためにも、ダニの発生を防ぐためにも、年2回程度天日干しをしたいものです。春と秋の晴天の日に、畳を裏返しにして4〜5時間干してください。乾いたらほこりなどを取り除いて清潔にして下さい。また、畳を移動する場合は、床板に目印を付けておくと便利です。畳を干す場所がない場合は、部屋の中に畳を上げてビールなどの空箱などを置き、風を通すだけでも効果があります。
重ね敷きは大きらい
畳の上にカーペットやじゅうたんなどを重ね敷きしていると、ダニやカビの発生を促すこととなり、畳の呼吸(二酸化窒素の吸収)を邪魔して、寿命を縮める原因になります。
畳表の変色
畳表は天然のいぐさを使って織られているため、直射日光などをうけると変色します。障子やカーテンなどで、できるだけ直射日光を避けるようにしてください。

たたみの難敵対策
ダニ発生の原因
・畳の上にカーペットやじゅうたんなどの重ね敷きをする。
・雑巾をよく絞らないで拭き掃除をする。
・室内の風通しがよくない。
・加湿器などを使い、室内の湿度が必要以上に高い。
・洗濯物など室内で干す。
・菓子などの食べこぼしを放置する。
・犬や猫などのペットを室内で飼う。
ダニを発生させないためには
窓を開け放して通気を充分行う事や、掃除を丁寧に回数多く行う事が大切です。また、防虫シートや除湿器を使うとダニの発生を抑えることができます。
ダニ退治
じゅうたんや畳の表面にいるダニは、電気掃除機をお部屋のすみずみにわたり、ゆっくり丁寧にかけるのが有効です。ダニの種類はコナダニ、ヒョウダニ、ツメダニが主ですが、どの種類も熱に弱いので、マイクロ波加熱、加熱乾燥、高周波加熱などの方法が有効です。
カビの発生する原因
空気のあるところではどこでもカビが発生します。土や空気中に多く散在し、湿度が70%以上になると発生が始まります。加湿器の過剰な使用、石油ストーブの使用には注意して下さい。(石油ストーブは水分を多く発散します)
カビの発生を防ぐには
天気のよい日には窓や戸を開けて、室内に風を多く入れることに心掛けましょう。カビの発生がみられたら、漂白剤を水でうすめ、雑巾で表面のカビをよく拭き取り、次にアルコールを布に浸み込ませて丁寧に拭いてください。(漂白剤は有効塩素5%以下にして下さい。強いと畳表の青さまで漂白してしまいますので注意して下さい。)

困った時の対処法
クレヨンがついた時は?
乾いた布にクリームクレンザーを少量つけて拭き取ってください。
インクをこぼした時は?
牛乳またはレモン汁で湿らせて、更に酸素酸ソーダを10倍に薄めたもので丁寧に拭き取ってください。
灯油をこぼした時は?
塩、天ぷら粉、粉末の洗剤などをふりかけ、液体を充分吸い取った後、掃除機またはホウキなどで掃き取り、かたく絞った雑巾でよく拭いてください。
家具などで畳がへこんだ場合は?
へこんだ場所に霧を吹き付け、濡れたタオルを当て、丁寧にアイロンをかけて下さい。
醤油をこぼした時は?
天ぷら粉、ベビーパウダーなどをふりかけ、粉に充分吸い取らせてから掃除機やホウキで掃き取り、かたく絞った雑巾でよく拭いてください。

知っていましたかこんな事
より快適で安心できる畳には防虫加工がしてあります
稲ワラを原料とした畳床は、天然の素材ですので、温度や湿度によってはケナガコナダニの発生がみられる場合があります。それを防止するために、細菌では薬剤を新党させた防中紙を畳床の上と下に使用しています。
畳表のいぐさには白い粉(染土)が付いている
いぐさを刈り取った後、染土で泥染をして下記のような効果を出しています。
・いぐさの乾燥が早く、葉緑素が固定し色合い良く仕上がります。
・変退色が遅く、固有の色合いが出て柔軟性に富んだものとなります。
・いぐさの表皮が粘土の皮膜により急激に萎縮せず、弾力のある畳表が出来ます。
・畳表を貯蔵している間に、化学作用により畳独特の香りが生まれます。