こうした滑稽な追加授業は全国各地で見られる。山形の高校では稲刈りの体験学習が未履修だったためにとっくに収穫の終わった田んぼの上でカマを振り回していたというし、また富山の高校では師走のこの時期に水泳大会をやるというからご苦労なことだ。(ただこの学校、あろうことか"スクール水着の授業"を未履修としていたらしい。それが本当ならとんでもない話だ。)
さて、鱧高校の話に戻る。禰宜鍋校長が空調の心地いい校長室で応じてくれた。「生徒たちには申し訳ないことをしてしまった。彼らにはセがサターン版ハイパーオリンピックをプレイさせたから問題ないと、教育委員会には申し開きをしたんだが。弁舌むなしく却下されてしまった。」
「なんらか責任をとるつもりはありますか。」
「いえ、私が体育祭を視察したときには生徒全員揃っていましたから。うまくサボったと聞いています。」
と、禰宜鍋氏は証拠ですと言わんばかりにその時の写真を見せてくれた。場所はグラウンド、リレーか何かをやっているのだろうトラックを全生徒が囲むという構図の写真で、禰宜鍋氏は右端に大きく写っている。貴賓席から撮ったものだろうか。
が、筆者は唖然とした。仕事上見慣れていることもあるとは言え、一目でわかったからだ。"これは偽装写真だ...。"
だいたい後ろ向きの校長は周囲の人から見て二周り大きく、北斗の拳に出てきた山のフドウみたいなのだ。筆者の目の前にいた校長は安西先生くらいの小柄だったというのに。それに合成も30年前の特撮レベルだ。フォトショップでも使えば余程ましにできるだろう。それに応援している生徒の一部が明らかにおかしい。そう、カキワリだ。それもさっきトラック向こうに置いてあったものと同じやつである。苦笑するのはこちらの絵の生徒の帽子が黄色だったことだ。
筆者が取材を終えたとき、雪の降り始めたグラウンドでは、黄組みの生徒たちが大玉ころがしをやっていた。当然黄色だったであろう大玉は、純白の雪玉と化し、一部の生徒も巻き込んで3倍の大きさに成長していた。