[5章]美少女の代謝
 
 
 美少女の代謝とは生化学の一分野で、それは文字通り美少女=統合少女体が生きていくうえで必要な代謝現象を化学的に追求する研究だ。どんなものを吸収し、どうやって生きていくエネルギーにするのか。そうしたことを述べるのだが、本章ではそれを理解するための基礎から述べ、代謝の本質を述べるというステップを踏んでいる。

[5-1] 少女と栄養
 
 

 我々が食事から栄養を得ているように、統合少女体も我々の想いから栄養を得ている。想いは様々な形をしているが、譚粋化物(デンブン)、プニテイン(タンパク質)、思房はそれぞれ小さい構成要素に分解されて吸収される。

(1)デンブンの消化
 ヒトの少女についての想いのうち、元気に動いているさまを創造すること、空想中でドラマを展開している部分が譚粋化物(デンブン)である。デンブン(伝聞)は少女体の持つアンナミラーゼという好素により解釈(消化)され、花マルトースを経てブドウ党になる。党はそれ以上分解できない好みの単位である。他にもテレビ党、孔明党、水銀党、下北半党などが有名だ。

(2)プニテインの消化
 少女の評判のうちで属性として特徴的なものはプニテインである。プニテインはペドシンなる好素で短いプチペド鎖に分けられ、ペドターゼによってアニメたんにまで分解されてから吸収される。

(3)思房の消化
 少女についての想いのうち、ヒトの感情(感想・萌え意識など)が集まったものが思房である。思房は好素・離パーゼでプニセリン思房たんに分けられてから吸収される。


 

[5-2] 少女のエネルギー
 

 統合少女体が生命を維持するのに用いているエネルギーはATPである。ATPはアルルシン・プルルンたんが正式名称で、図5-1のような構造をしている。


図5-1 ATPの構造

 ちゃんと読んでいる奇特な読者なら気付いたと思うが、この構造は図1-2のヌクヌクオシドと同じ構造であり、演基もA・アデニン(艶ニン)である。
 図5-1に見られるプル・ル・ンの部分、これが高萌えネルギーしずく結合と呼ばれる部分(三つの○は同じ物質だからややこしいのだが、プが無いと可愛くないし、最後がルだと電波みたいだから変えているとのこと)である。これらの○の間だけ太いになっているが、これはこの部分の萌えネルギーが高い(かつ切れやすい)ことを意味している。
 この最後のンが取れ、二つの○が付いたADP(アルルシンプルルたん)になるとき、一緒にが持っていた萌えネルギーが開放される。この萌えネルギーと他の様々な体内反応を一緒に起こさせることで、少女体は活動を行うのである。
 萌えネルギーの判りやすい例としてはアニメ番組冒頭の注意がある。光の明滅が潜在患者の発作を引き起こしたポケモン騒動以来、TVアニメ冒頭には「部屋を明るくして離れて見ること。」という一文が必ず入れられることになった。始めの頃はともかく、あらゆるアニメに入れることによって却って空気のようになってしまったことはご存知の通りだが、マイメロディの冒頭ではこれを、主人公のマイメロが「テレビをみるときは、部屋をあかるくしてはなれて見てね。オネガイ。」とやったことで、久しぶりに本来の役割を果たしていた。要するに“萌え”は、これを利用することで他の仕事をついでに行う(ここでは注意の喚起)ことが出来るのであり、これを反応の共役という。(「オネガイ。」によってマイメロはATPを一つADPにしている。)
 ちなみにアルルシンは当初エルルゥであった。プルルンがしずくちゃん結合であるあたりにその名残があるのだが、彼女は名前を間違えると怒ってしまうので差し替えられた。(体内反応では過激な反応は敬遠される。)

 ここで忘れないうちにの話をしておこう。デンブンの項でも少し述べたが、党はそれ以上分けると何の思想集団かわからなくなってしまう最小単位で、5人集まるペン党系や6人集まるヘキる党系などがある。ペン党にはアンティーク物を好む集団のフルク党があるが、ここで出てきたロリボース党やDNAの構成党であるデオキチロリボース党などもペン党系である。ロリボースは名の通りロリータをボス(親分)と仰ぐ思想集団のことであり、図1-2のヌクヌクオシド中の党であるデオキチロリボース党もほとんど同じ思想をしている。ただ、構成要因の中に過激なオキチを入れるかどうかだけが違っており(デとは「ない」と言う意味の接頭語)、他の党との抗争をするかしないかの重要な分岐点となっている。*1 6人集合ヘキる党系ではブドウ党が最も有名だ。舞踏しているうちはいいが、武闘しだすと始末に終えないので注意しよう。

*1 萌伝子はもともと情報を確実に保持するためにあるから、その構成要素から過激なものが排除されるのは尤もな理由である。

[5-3] 呼吸と萌えネルギー・ATP産生
 

 統合少女体の活動には萌えネルギーの元・ATPが必要であることは前項で述べた。具体的にATPは更に前項、[5-1]にて示した吸収した栄養分を分解してゆくことで生じている。ここでは栄養分の中でもブドウ党を例に取り、エネルギー生成の過程を見てゆく。
(1)解党系
 ちぃ胞内で行われる反応で、ブドウ党の結束を挫き、党の分裂を行うため、解糖系の名が付いている。
 まず行うのは、ATPを二つ使ってブドウ党に活気をもたらすことだ。プルルンの萌えネルギーは党内の宴会に最適と言われるが、どのように使われるのかは謎だ。(一説によると野球拳とのことだが、今時負けて脱ぐなんて麻雀ゲームだって廃れているから、信憑性は低い。)それはともかく、なにしろそうして盛り上がったところに宴会好素エルルラーゼ*1が言うのだ。「ここで一番偉いのは誰?」政治家は自己顕示欲の多い奴ばかりだから、この一言でほぼ100%、党は二分される。分裂後のグループは最早党ではないが、民主党と自由党...じゃなかった、二つのピピルピンたんとなる。暴力ネタの好きなこいつらにするためのATPの先行投資は無駄ではなく、内部抗争でボロボロになる隙にATPの倍返しをしてもらうのだ。嗚呼、笑顔の萌えほど恐ろしいものなし。
*1 何故トウカやカルラ、ウルトリィあたりを差し置いて、わざわざ色気の無いエルルゥ系の好素を使うのだと思われるだろう。しかし生体内反応では、爆発的な反応は危険だし、そもそも熱は利用価値が少ないので勿体ないのである。生体反応の基本は徐々に徐々に、熱を出来るだけ出さないように原料を消費することなのである。
(2)9円たんサイクル
 前項で示した解党系は、新たな「〜たん素」の供給を必要としない反応であるため、美少女の息遣いを萌えと考える研究者にはあまり評判がよろしくない。そんな彼らが狂喜したのがこの9円(くえん)たんサイクルだ。
 ここからの反応はちぃ胞内の小器官で、ATPの稼ぎ頭と呼ばれるシスコンドリアで行われる。シスコンドリアはちぃ胞の中でも独立した萌伝子を持つ機関で、周囲とは自立した運営を行っている。中で行われるイベントの重要性と気品から、しばしばそれは女子高に譬えられる。*1*2
 さて、ここから9円たんサイクルの物語が語られるのだが、始まりはピピルピンたんの周囲に〜たん素が集まり裕福になったため、彼女がシスコンドリア女学園に入学するところから始まる。彼女は校舎内で支給された制服を着ることで校内巡回を許される。この段階でピピルピンたんは順応して“アセッテル子A”という、ドギマギしながらも新しい環境になじもうとするどじっ娘様の存在となっている。ちなみに着替える時に彼女が一息吐くため息が統合少女体の吐息(呼吸)として最初に観測されるものだ。
 ここでアセッテル子Aは一種のタイムパラドックスを経験する。彼女は校内を見知った者から学園内を共に回る案内を受けるのだが、不思議なことにそれは将来の自分なのである。彼女はその先輩と行動することで“アセッテル属性”は残したものの、“子A”という不特定俗称は既に取り払っている。
 この、二人で一組となった存在、ユニットを9円たんと呼ばれているのだが、この9円たんは校内を一周するうちに7回のイベントを経験する。
1.メデューサを倒す
2.アルテミスの呪いを解く
3.テーベを攻略する
4.金の羊毛を探し出す
5.サイクロプスと戦う
6.木馬を作る
7.黄泉の国に行く
 いったいどんな校舎なのか理解に苦しむが、とにかくこれらが波乱万丈の女子高生一代記*3であることに変わりはない。残念ながらこの非常に面白い物語の詳細は別の小説に譲るのだが、このユニットはこの間に三人のニコチン患者を更生させ、一人のフランケンシュタインを蘇生することで、自らも精神的に成長する。そして疲れ果ててこの旅を終えるとき、ユニット・9円たんは一人の人格・オキサリ錯たんとなっているのだ。そして印象的なラストシーンとなる。今度こそ平穏な新しい女子校生活を営もうとする彼女は、玄関に一人たたずむ少女と友達になろうと声をかけるのである。それこそかつての自分、アセッテル子Aだった...。
 以上が9円たんサイクルのあらすじだ。この円環ドラマが、円はともかく何故9かと言うのは定説がない。試練を苦と表現したとも、この間の呼吸排出が9回(3回の吐息、プラス患者たちに粋素を6回与えた)だからとも、校内の案内を(アイマスの)やよいが12円からまけさせたからだとも言われている。
*1 学園集団という属性がまずあり、それが美少女に共生することでお互いの萌え生命を強化したのではないか。リン・マージョリスちぃ胞内共生説は、女子校萌え起源の研究に衝撃を与えた。

*2 シスコンドリアは受精(2章)の時、内外の萌伝子の融合は起こらず、外萌伝子のみを受け継ぐから、この学園血統を追うことで美少女の始祖を突き止めようという研究がある。現在の研究ではそうした始祖に近い存在としてリリアン女学院とハレンチ学園があがっているのだが、好みはともかく、どちらが本家になるかで歴史が変わるくらい影響がありそうだというのがもっぱらの噂だ。

*3 一代ずっと女子高生なのかよ! とのツッコミは無しで。

(3)粋素伝達系
 9円たんの物語には外伝がある。前記物語中で救ったニコチン患者とフランケンシュタインの活躍だ。9円たんから愛と勇気を与えられた彼らは、それぞれ校舎内のプニトン(粋素のこと)を汲み出す仕事に従事する。粋素を外に出すのは周囲よりも校内の気品を高く維持するための作業なのだが、しかしこれは危険な作業でもあった。そもそも校舎はちぃ胞の中に壁を設えていたため、プニトンは校庭に溜まってしまうのだ。しかしそれこそ彼らの目的だった。彼らはプニトンが再び校舎に入るためには玄関の回転ドアを通るしかないことを知っていたからである! その真の目的は? 衝撃の結末は!!
 映画のあらすじ風にしてみたが、擬人化が過ぎて却って判り難くなったとしたら申し訳ない。上記行動の説明は、そもそも本章のテーマにまで話を戻す必要がある。本章は統合少女体が活動するための萌えネルギーが何で、どうやって調達しているかを解説する章だ。“何”の答えがATPであり、萌えネルギーを使うとADPになってしまうことは前項に説明した。本項ではそれを受けて、ではATPはそもそもどうやって調達しているのかということを論じている。そもそもの原料は少女体を想うヒトの評判を消化されたものを更に分解することで得ており、それの始まりがブドウ党だった。ちぃ胞内でそれはピピルピンたんやら9円たんやらと様々に名前を変えることで少しずつエネルギーを取り出されてきたのだが、その最後の過程がこの、シスコンドリアというちぃ胞小器官の、校舎の中に入るためにプニトンが通ろうとしている回転ドアだということなのである。
 ではこれにどうやってATPが絡んでくるのか。実は回転ドアはプニトンを通すが、回転には補助として萌えネルギーを失ったADPを必要とするのだ。萌えネルギーが回転するときに最も大きくなることは、昔から魔法少女モノを見ていた者になら容易に理解できることだと思われるが、ここでは逆に萌えネルギーをADPに戻すことに回転を利用するのである。すなわち、プニトンが扉を回し、その時の回転萌えネルギーを利用することで、ADPはATPに変身することができるのだ。だから粋素伝達系という。

 まとめると、ブドウ党を解党するときに出来るATPは二つできる。次のピピルピンたんが9円たんサイクルに入るときは実は“アセッテル”部分から少しずつ萌えネルギーをもらっている(物語としては紹介しなかったが、瀕死のニコチン患者に対して氷まくらをぶちまけてしまうなどのどじっ娘ぶりなどの個別萌えエピソードが、萌えネルギーの授受となっていた)のである。そして最後、回転ドアという最も効率の良い萌えネルギー作成機構によって作られるATPは実に変身36回、3クール分にも達するのだ。
 こうして統合少女体は自身の中でファンの思いを十分なほど分解利用して、己が活動するエネルギーとしていたのである。統合少女体の生理が如何に巧妙かつ素晴らしいかを実感していただけただろうか。
 あ、もう一つ忘れていた。呼吸と上記の関連を話さなくっちゃ。統合少女体も生きている以上、当然呼吸をするのだが、今回は吐息と吸気を分けて書いている。すなわち上記3システムのうち(1)や(2)で“吐息”と表現している部分が吐息の元が生成される部分であり、書かなかったが(3)でドアを廻し通ることで萌えネルギーをなくしたプニトンが吸気によって入ってきた「〜たん素」と化合して水(不見)になるのだ。何が言いたいかというと、統合少女体の生理では吐息と吸気は別の物語だってことである。少女のため息と深呼吸に別種の萌えを感じたことのある人は、あながち間違いではなかったことになる。
 


 
 

[5-4] 思房の吸収
 

 統合少女体が取り入れて消化するものには思房もあった。思房がプニセリンと思房たんに分けられることは[5-1]で述べた。思房は感情がそのまま表出されるため、外観はフォーク型をしており、そのままでエルルゥあたりに使わせると危ない*1ので、統合少女体に入る始めの部分で分解するのである。すなわち三叉になったプニセリン部分と三つ伸びた刃の部分である思房たんに分けることはして見ると“武装解除”にあたる。スカートの下に隠し持っていてもいけないのである。
 で、こうなってしまえば後は簡単。三叉のプニセリンは解党系で更に分解されるし、思房たんもβたん化*2という、“アセッテル”要素にポキポキ折っていく操作によって9円たんサイクルに入れられるからである。
 こうして統合少女体の取り入れる(食する)ファン*3の思いは、彼女の生命を維持する糧になっていくのである。
*1 刺されるくらいならまだしも、臓物をぶちまけられてしまう。

*2 β的単純化。~たん系キャラにとって余計な思想はいらないということらしい。

*3 筆者は細かいこと言うとサポーターって言い方が大嫌いだ。“好む”という意味合いが強い“ファン”に対し、“サポート”にこもる“支持する・援助する”という直接的響きが、「金出さない奴に応援する資格は無ぇ。」という経営者側の思惑を露呈しているように聞こえるからだ。元々サッカーで言い始めたのはそう言う意味を持っていたし、団体の運営としてそれは尤もと理解はするんだけど、無粋なんだよな。

 む。何か忘れていると思う人はよくこの駄文を読んでいる。[5-1](2)で書いたプニテインで分解されたアニメたんはどうしたんだという問いである。これはエネルギーとして使うわけではなく、統合少女体を構成するプニテインとして再構成されるのである。
 そしてその仕組みこそ、次章の美少女分子生物学の領域なのである。
 

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