| 2章で示したような発生・デザインにより、美少女は我々の前に具現化する。だがそれはまだ“統合”と呼べるようなものではなく、まさに生まれたばかりのか弱い少女体である。彼女はここから、我々の世界に幻影として投機されることで“成長”してゆく。その“成長”と“生長”を「えへへ。おじさんはねぇ。」と可愛がる...じゃなくて、客観的に見てゆくことが、統合少女体を研究するということなのだ。
と、いきなり風呂敷を示しておいてなんだが、この解説にもいささか前準備が必要で、本章の位置づけはそういうものである。というのも、成長にも生長にもかかわる重要な物質のことをまだ紹介していないから、そもそもそれをまず示しておこうというわけだ。萌伝子がそうなんじゃないかと言われれば、その一つであることは間違いないのだが、それは基本設計というか、指針であって、実際の身体を構成しているものではないのだ。 統合少女体を構成する萌物質は1.不見(ミズ)、2.タンパク質(プニテイン)、3.思質、4.核たん・その他である。 1.不見は構成成分の6割近くに及び、身体のほとんどを満たして評判などによる性格成形反応が起こっている場所である。この場所が“みえない(不見)もの”であることは彼女が神秘性を持つという意味で示唆的であろう。2.タンパク質については、本学では別称であるプニテインの方が通りがいい(それに面白い)のでそちらを使うことにする。プニテインは実質的に彼女の身体を構成しているほか、体内反応を促進する好素、価値決定に関わるボルモンになるなど非常に重要な役割を持つ。残った4.の核たんは、少女体がミクロに認識されうる最小の単位に分割したときに有する最小の情報を保有しているものである。1章で扱ったDNAはこの一種である。 ここでは上記物質のうち、体内構成と反応の理解に不可欠なプニテインについて述べていく。 |
[3-1] 統合少女体の構成 −プニテインの重要性−
| プニテインは内気、強気などの性格やクセ毛、ネコミミなどの特徴、お嬢様、幼馴染などの役割といった全ての少女体構成属性を成しており、その種類は10万種以上とも言われる。美少女萌伝子解析が終了した現在、次世代のコンプリート研究のターゲットとなっている。
プニテインは手を四つ持ったアニメたんで構成される(図3-1)。アニメたんは譚素・カートン(C)を中心*1に粋素(不見のもと)、アニメ基、カレドキッスル基*2、属差を持った分子構造をしている。さらに、不見の中ではアニメ基とカレドキッスル基がプチペド結合により繋がるため、アニメたん同士は横にいくつも繋がることが出来、さらに一重二重と多重化することで、立体的な構造を持ったものがプニテインとなるのである。
*1 かつて多くの少女が活躍の場としていたマンガ(譚素)は、どの分野でも表現が可能であるため、方向性を示す手を四つ持っている。
図3-1 プニテインの構造 アニメたんは属差の違いにより20種類存在し、その性質は大きく分けて親水性と疎水性に分けることができる。(表3-1)
一見して判るように、世間さまに見せて問題を起こさないような属性が集まっているのが親水性である。おませとかパロディとか、まだしも一般人とその属性について話し合うことが問題をはらまないものや、姉妹愛(プリシン、プルタミンなど)や目移り性(トリオニン)など、深い会話でないうちはその深刻性がわからないもの、元々表に出さない(秘す知人)ものなど、まあ確かに重度の美少女好きであることを隠匿するにはこれらが表面に出ていた方が世間的に無難であろう。(今やピンクの街と化した秋葉原はかつてこんな感じで一般との共存を図っていた。) これらに比べれば、疎水性は一般性を著しく欠いた属性であることは一見してお分かりいただけよう。何しろロリやプニ好き(ロリシン、ロリプニシン、一層ロリシン)、フェチやSM好き(荒ニン、プロリン、フェチオニン、フェチ荒ニン)、それに必要以上の成人好み(ババリン)など、いずれも好みがばれると日常生活を続けられなくなるような属性が勢ぞろいしているのだ。全く恐ろしい。 これらアニメたんがいくつも繋がった線状な状態をプニテインの一次元構造という。しかし、こうしたプニプチペド鎖は紐状に存在しているわけではなく、まずその腕の一本に持つ粋素どうしがいなせな心意気をもって結合する。こうして形成される二次構造は少女がらせん階段上を、篭目を踊るように並んでらせん状構造をとるαペドックスと、もう一つ、体育館にドミノを並べるときのような行ったり来たりで彼女ら紐を並べ、要所要所で隣と腕を組ませるベタシートという面状構造をとる場合がある。ベタシートは隣が好きな子に当たるかどうかでドキドキすると言うがそれは本当だろうか。まぁいいや。とにかくこれが二次元構造。もう一つ、これら構造の中で、更に離れた場所に散在するシスプリンの属差である−SH同士がS−S結合(シスプリ結合)*3を行うことで作られる三次元構造が存在する。三次元的なフィギュアには立ちポーズで魅力を出せるものも多いことから、この構造をもってしてプニテイン固有の働きを持つものもうなずけるが、ポージングやジオラマに付加価値を見出すフィギュアのように、複数のプニテインが絡んで一つの萌えを生み出すこともある。こうしたドラマツルギーの発生には時間軸も必要になってくるから、これを四次元構造という。 このようなプニテインが寄り集まることで統合少女体は成り立っている。くどいようだが物質というのは言葉の綾で、実際にはプニテインという“属性”の集合体として少女体が存在しているということである。だから例えばプニテインの一つ、オコラーゲンに注目すると、その影響でツンツン怒った仕草を観察できるだろうし、最近発見されたラキスタリンなどは妙にダンスが上手い一面を見せるのに一役買ったりする。そういうのはあくまで統合少女体の一属性(プニテイン)を我々が認識したということなのである。
*3 お兄ちゃんを奪い合うために生ずる力なのか、百合的な力なのかは研究の待たれるところだ。 |
図 プチペド結合の実際
[3-2] 好素 ―プニテインによる萌え反応―
| 前節ではプニテインが統合少女体の体を作っている役割を強調したが、プニテインには忘れては
ならないもう一つ、少女が生き続けるための体内反応を促進する触媒、好素としての働きがある。
好素(艶財無とも)とは、例えばアミラーゼのように、本来一人キャラであるはずの双海亜美に真美という同じキャラクターを付加することで双子属性を増やしたり、カイガイシンのように大和撫子的属性を合成したりするものもある。また好素には、本来自然界では起こり得ないような反応を行って属性とするものもある。ネコと美少女を組み合わせるネコミミャーゼなどは最たる例であろう。そして好素は、ある好素で導かれる属性が一つしかない(一属性一好素)という特徴も持つ。 好素は単体で働くことも多いが、補好素と呼ばれる補助的な要素の助力によって始めて属性を構成するものもある。アイマスは単体でも歌とダンスが楽しいゲームであったが、補好素MADの働きによりニコニコ動画やYoutubeに、本来のダンスに別の歌が合成され、ゲームを超越した新しい魅力を創成していた。こうした補好素は本来少女
既に限界に達していてこれ以上作られない属性を無理やり作ろうとするものもある。代表例としては、バトリンという戦闘美少女属性を持つ好素のアザト部位に取り付くことで更に過激化したアザトイック好素・ランジェリンがあげられるだろう。一般にはせいぜいセーラー服美少女戦士、メイド服美少女戦士までしか作られないパトリンに対し、ランジェリンでは下着姿美少女戦士という、なんでこんなのが地上波でやれるんだと疑問視するようなものまで作れてしまったのだった。 (ただアザトイック好素には、バトリンを応用してつくったラブリンバトリンというものもあった。これはバトン属性を小さい子に流行らせようとしたもので、下着戦士よりよほど健康的だと思ったものだが、残念ながら打ち切られてしまい、反応はそれ以上続かなかった。*1)
*1 反応が停止するのはすなわちその統合少女体の終焉を意味する。現実は結構シビアなので、こういうことは良くある。ナージャリンの悲劇など は記憶に新しいが、ナージャの場合はその悲劇自体が彼女の命脈を保つ特徴になっているあたりが面白い。 |
[3-3] 見返り・名店の公式 ―売り上げと好素の意外な関係―
| ペド生物学の法則には実用性が無いなどと言われることがある。筆者にしてみれば「今更何言ってんだこいつ。」と言いたくなるようなものなのだが、そのまま言われっぱなしなのもなんだか悔しいので、こんな式をあげてみた。
見返り・名店の公式 (コ−1)式はアニメグッズを販売する店が、売り上げを分析するときに用いる公式で、あるアニメに対しグッズをどれだけ作る(グッズ種類[G])と、どれほど売り上げが見込めるか(出荷速度v)を示したものだ(図3-2の実線)。あと、Km(金満指数)は出荷速度が頭打ちしたVmaxの半分、Vmax/2になるときのグッズ個数だ。
グッズ種が僅少なときは、図で言うとVmax/2Km、つまり右斜めあがりの直線の傾きが売り上げ速度となる。傾きはアニメの出来、少女の魅力によって変わるので一律なものではない。この式で怖いのは、一人のオタクがその少女について出荷されるグッズを全種類購入することを前提に組み立てられていることだが、ごく普通にそうした行為を行っちゃう馬鹿が多いことは更に怖い。*1
*1 コンプリートなんて表現がまかり通っているが、筆者などには販売者側のあおりで生み出された作為的表現であるように思えてしまう。そもそ も真のオタクなら横溢した情報から自分で価値を見出して選択すべきだろう。他と同じことしか出来ない奴は他人から浮かないが、評価もされ ない。さて、ここでグッズに制限を付けてみよう。グッズ個々の単価を高くするのだ。これはオタクにとっては買いきれる個数が減ることになるのだから、Vmaxが低下することに相当する。一個一個の単価もあがることから購買の傾きも減る。この状態を購買阻害行為と呼ぶ(@)。ただ、これは作品もしくは少女の魅力を損なうものではないから、飽和点の1/2である点を示すKmは移動しない。 また、ポスターなどかさばる特典をつける場合、そうそう一回の買い物で大量買いもできないから、Aのように出荷の傾きが鈍ることになる。ただ特典は、全く無いと他の店で買われてしまうということを考えると、非購買阻害効果を有しているといえる。 実際の経営に直結されるという意味で、本公式が重視されるのはご理解いただけよう。
さて、本章では統合少女体は何から構成されているのかというテーマで、プニテイン及び核たんその他について触れてきた。成長した少女の主構成であるプニテインは6章で紹介するが、成長段階の少女には核たんが主役となっているから、次章はそうした目で読んでいただけるといいだろう。 |
[コラム] デルトラとおっさん
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筆者は以前はともかく、今ほど情報氾濫があると「○○が面白い。」って噂に振り回されることはほとんどなくなっているのだが、これは珍しい例だ。
デルトラクエストは主人公の少年リーフ、野育ちの少女ジャスミン、剣士バルダの三人で、七つの宝石を集めてデルトラの国を救うために冒険する話だ。オーストラリア在中のエミリーロッダ原作の児童書で、日本では岩崎書店から出ている世界的ベストセラーだ。筆者は実は児童書も読むのでこの人の作品も好きで応援している。だから今年はじめにアニメ化されたときには珍しく評判が気になって、オンエアしてる番組を見ながらリアルタイムでネットにコメントを出し合う実況板という掲示板を見てみた。 判らん、飛ばしすぎ。という類のコメントが多いのは詰め込みすぎの内容だったので無理ないか、と思っていた。しかし、おっさん軽率すぎ、おっさん弱すぎ、またおっさん負けた、というバルダについてのコメントが多く出ていたことは、“デル城一の剣士”という設定を頭に入れていた筆者にはことさら意外だった。が、よくよく番組を見てみると、詰め込んだ弊害で細かい行動理由や戦いの描写が割愛されていたため、初見の人には確かにそう見えるんだ、と思わず納得してしまったのであり、評判に納得した珍しい例となってしまった。 ただ彼は後に、おっさん最弱という評価が固定し、むしろヤラレ描写が喝采を浴びるようになるなど、ある意味番組中一番人気のキャラになってしまった。これには苦笑気味に感心してしまうのだが、集団が価値を決定するという本書のテーマに、少女とは別の意味で沿ってると思ったので書いてみた。 (おっさん萌えという新たな属性が出来つつあるようで、なんか複雑だけど。) |