いかりめいめいちゃん 小菜廳いかりめい


めいちゃん危機一髪!シリーズ

〔めいちゃんのストーカー体験・留学編〕

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めいちゃんのストーカー体験〈留学編 壱〉

それはめいちゃんが中国広東省の省都<食の都・広州>に留学していたころのことでした。めいちゃんは某日中友好団体の試験を受けて広州の某大学の広東語コースへ留学したのです。その大学には、めいちゃんの日本の大学時代の2年後輩X君が1年先に留学していました。X君は、歴代天皇の名前が順番に全部言えるのが自慢というかなり変わったキャラクターでしたが、一応情報収集の為に連絡をとり、留学生活に最低必要な物などを教えてもらったりしたのでした。

そして九月、めいちゃんも無事に留学生活に突入!めいちゃんと寮で同室になったのは、同じ友好団体の派遣できた同じ年のYちゃんでした。彼女は色白でかわいいタイプの女の子でした。でもその実学生運動なんかもやってたりしたそうで、意外な一面ももっているのでした。留学生は全部で約70人。圧倒的に多いのは日本人で、そのほかアメリカ人やドイツ人などいろんな国の人が集まっていました。どこの国の人もやっぱりその国の人同志であつまるようで、日本人も派遣団体で集まる傾向にありました。めいちゃん達は、勉強もまじめにするけれど遊びも行動的というグループで、昼はバドミントンのコートで無理やりバレーボールをやったり、卓球したり、週末の夜はその頃流行っていたディスコで変な踊りを踊ってはディスコ人民の間に流行らせたリと、楽しく充実した日々を過ごしていたものです。

そんなこんなしているうちに浮いた噂もちらほらで、カップルも増えてきました。めいちゃんと同室のYちゃんはなぜかX君と急接近。どちらかといえば、X君の方が積極的にYちゃんにアタックしてきたようです。X君は見た目オタク風、というか実際オタクでした。そして現役大学生なのにゴマ塩あたま。。。どうみてもおじさんのようでした。
一度みんなでカレーを作っている時、めいちゃんがざるをとりに部屋へ戻ろうとドアを開けると、そこには今にもYちゃんにおおうい被さろうとするX君が!!!!!(念のため、服は着てました。両者とも)目が点で立ち尽くしてしまっためいちゃん。めいちゃんについてきた沖縄出身のWちゃん名古屋出身の味噌煮込み命のJ君も、目が点。。。。するとX君はなにを思ったか手を後ろで組むと足を後ろにぴょんぴょんと蹴りながら「るんるるぅ〜ん♪るんるるぅ〜ん♪」と踊りながらごまかそうとしたのです。そしてそのまま「何もしてませぇ〜ん。」といいながら出ていってしまいました。。。。ベッドの上で髪をみだしたYちゃんが、「よかったぁ〜!めいちゃん達が来てくれたおかげで助かったぁ〜」なんていいわけ。めいちゃん達は返す言葉もなく気まずいままざるをとってカレー作りに戻ったのでした。

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さて、この後どうなるのかな?どきどきそながら次回を待とう!

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めいちゃんのストーカー体験〈留学編 弐〉

「なんだかしらじらしい事いってるよ。どうみたって今からモンモン!って所だったじゃんねぇ〜?」
めいちゃん、J君、Wちゃんは、なんだか恥ずかしいような変な思いで炊事場に戻りました。これからに自分の部屋に入るにもいちいち気をつかわないといけないなぁ〜、いやだなぁ〜Xがしょっちゅう部屋来たら。。。めいちゃんはなんだかいやぁ〜な予感がしたのでした。

それからというもの最初のうちは遠慮がちだったのが、どんどん遠慮がなくなって、夜はいつもめいちゃんとYちゃんの部屋にX君が来るようになってしまいました。それで何をしてるのかというと。。。。二人で並んで漫画を読んでいる。そして「めいちゃんがいるんだから。。。。」「いいじゃん!」とかこそこそ言いながら 時々いちゃついては、めいちゃんのご機嫌をますます斜めにするのでした。めいちゃんというと、逆に負けるものか!と勉強に集中!(笑)二人のおかげでますます成績がよくなったのでした。

でも、勉強が済んでしまうと、やっぱりその妙な雰囲気の空間に一人でいるのも耐えがたく、となりのWちゃんと通称おねーさん(当時30代半ば)の部屋に避難したり、廊下で夜空を見ながらヒマをつぶしたりしたのでした。

それから数週間たったある夜、また勉強してるめいちゃんの後ろでこそこそといちゃつく音が。。。。いつものパターンでYちゃんが嫌がり、X君が「いいじゃん!いいじゃん!」攻撃。もう、めいちゃんもたまらなくなって、となりの部屋に行ってぐちぐちぐち!「もういいかげんにしてほしいよぉ〜。」するとおねーさんが観音開きの窓の角度を色々変えてなにやら調節しだしました。
「となりの窓が開いてればこうすると反射して見えちゃうんだよね。面白そうだからちょっとのぞいちゃおうよぉ〜。やってんじゃなぁ〜い?
挑戦すること数十秒、バタン!「あっ!窓閉められた。。。。」隣りの二人は気が付いたのか窓を閉めてしまいました。するとおねえさん今度は洗濯物を高い所に掛けるときに使う長い棒を持ってきて、先に鏡をくくりつけました。そしてその鏡付き棒を窓からとなりの部屋の方に伸ばしたのでした。
「どう?見える???」いつも間にかおねーさんの部屋に遊びに来ていたJ君達まで、ドキドキでおねえさんの行動を見守っています。
「うーーーーん。長さたりないみた〜い。」そんなこんなでのぞきに失敗した皆は、お茶を飲みながら夜がふけるまでお喋りしてヒマをつぶしていたのでした。

12時を過ぎたころ、X君が帰ったのを確かめてめいちゃんは部屋に戻りました。そしてそそくさと着替えてベッドに潜り込みました。でも、なんだかYちゃんの様子が変。なにか悩みをかかえてるような感じです。まぁ、恋患いってやつかな?っと思っていたら、Yちゃんが話しかけてきたのです。
「ねー、めいちゃん。まだ起きてる?」
「うん。起きてるよ。」
「実はねぇ。。。。Xの事で。。。」
「なに?楽しくってたまんないって?へっへっへ」
「そうじゃないの。別れたいの。。。。」
「えぇ???別れたいーーー???」

Yちゃんの口から出た思わぬ言葉にめいちゃんはびっくりしたのでした。

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突然の別れ話!雲行きがあやしくなってきたぞぉ!次回をお楽しみに!!!

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めいちゃんのストーカー体験〈留学編 参〉

「実はねぇ。。。。Xくんの事で。。。」
「なに?楽しくってたまんないって?へっへっへ」
「そうじゃないの。別れたいの。。。。」
「えぇ???別れたいーーー???」

突然の別れ話にびっくりしためいちゃん、眠気も一気にふっとびました。

「でも、なんで??ラブラブだったんじゃないのぉ?」
「うん。。。それが実はね、けっこう前からなんだか
だぞって思って、別れるきっかけさがしてたんだぁ〜。」

そういうとYちゃんはいきさつを話始めました。
付合い始めて間もないころ、突然XくんがYちゃんにこんな事を言ったのだそうです。

「ほら、よく結婚を申し込む時に相手の両親のところに行って、『○○子さんを僕にください!』
とかいったりするでしょ?あれ、僕嫌いなんだよね。彼女は物じゃないっていうんだよ。そう思わない?」

Yちゃんは、へ〜意外と自分の考えもってるんだなぁ〜と感心したのでした。それからもことあるごとにXくんは、おぉ!こいつなかなか言うじゃんと思える言葉を言い、YちゃんもそんなXくんにますます惚れたのでした。

そしてある日、Xくんが両手にいっぱい本を持ってYちゃんとめいちゃんの部屋にやってきたのだそうです。

「どうしたの?その本???」
「うん。
僕の人生の教科書なんだ。Yちゃんもこれを読んでもっと僕のこともっとわかってよね!
そういうとドサッ!とその十何冊もある本をYちゃんのベッドの上に置いたのです。

「軽井沢シンドローム????」

その本は軽井沢シンドロームというマンガでした。
「全巻揃ってるから。これを読めば僕の考えとかもっとわかってっもらえると思うし、それに僕はこの主人公のようになりたいんだよね。」
そういうとXくんは1冊手にとって読み始めたのです。

その頃、XくんにらぶらぶだったYちゃんは、あまり深く考えずにそのマンガを読み始めました。そのマンガは一人のやたら女にもてる男が主人公で、フィアンセがいるのにあちこち手を出していちゃいちゃ、そしてなにか起こると軽い主人公が渋く決めてキザなセリフを吐いて、女の子メロメロぉ〜みたいな全くもって男本位の内容なのでした。

「え?え?これがXくんにとっての人生の教科書?なにそれぇ〜????」

さらに読み進むと、今までXくんが言ってきた「なかなか自分をもっている」セリフは、全てマンガに書いてあったのでした。Xくんはただマンガを真似して、その時のシチュエーションにあわせてマンガのセリフをそのまま言っただけだったのでした。

えーー!言ったことがそのまんま書いてある!!!これも!あれも!!
それにあの時の言葉も!!!
えぇーー!!!!

Yちゃんの中で今まで出来ていたXくんのイメージが音を立てて崩れ始めていきました。

「Yちゃん、ちゃんと読んでる?」
毎日何時間も相変わらずXくんはYちゃんにべったりです。Yちゃんの心変わりにも気づかずに。
「この主人公みたいになりたいんだぁ〜。それでね、
この女の子が、僕にとってはYちゃんで、これがおねーさん、そしてこの女の子が東京外大から来てるSちゃん。。。

なんとXくんは主人公のまわりの女の子の登場人物を全て日本人女子留学生に当てはめていたのでした。

「そして、この○○(=主人公のフィアンセ)は、めい先輩なんだ。」

なんか危ないぞコイツ!!!その時、Yちゃんは別れを決心したのでした。

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物語は飛んでもない方向へ!めいちゃんに迫る危機!次回をお楽しみに!!!

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めいちゃんのストーカー体験〈留学編 肆〉

YちゃんがX君と別れを決意してから間もなく、Yちゃんは直接X君に別れを告げたのでした。
「あっ、そっ」X君は意外にもあっさりと別れを承諾したのでした。。。

「意外とあっさりしたもんだったよぉ〜。もっとねちねちくるかと思ったけど。」
Xちゃんはほっとしたようにそう言いました。そしてその晩、いつものように仲よしグループの男女6人でめいちゃん達の部屋に集まりおしゃべりしていると、

コンコン!

誰かがドアをノックします。開けてみるとX君が陰気な顔して立っていました。何か思い詰めたようなちょっと怖い感じです。

「Yちゃん、います?」
「ちょっと待ってて。」

めいちゃんはいったんドアを閉めるとYちゃんにどうするかききました。

「なんかじとーーーっとしたイヤな感じなんだけど、どうする?」
「だいじょうぶ。大したことじゃないよ。出るから、心配しないで。」

そういうとYちゃんは部屋から出ていったのでした。でも、なんだかとってもイヤな予感がして、めいちゃん達は心配になり、ドアに耳をあてて廊下の様子をうかがいました。

すると暫くしてバタバタと二人がもめてるような物音がしてきました。

どうしよう!どうしよう!!!

めいちゃんはいてもたってもいられず廊下に出てみると、X君がYちゃんの腕を無理やり掴んで押さえ込もうとしています!!

「何してるの!X!あんたYちゃんに変な事したらただじゃおかないからね!」

めいちゃんは知らずしらずのうちに啖呵きってました。

「大丈夫だから。めいちゃん。。。。ほんと、何でもないから。話しもうすぐ終わるから、部屋に入って。ね?」

YちゃんはX君のから離れるとそういいました。しぶしぶ部屋に戻ったけれど、めいちゃん達は心配でしょうがありません。

「そうだ!おねーさんに頼もう!」

Wちゃんはそういうと洗濯物を高い所にあるヒモにひっかける棒を取りだすと窓をたたいて、となりの部屋にいるおねーさんに合図しました。おねーさんはすぐに気づいて窓から顔を出しました。

「どうしたのぉ〜?」
「実はこれこれこうこうで、Yちゃんが危ないんですぅー!」

Wちゃんがそういうと、おねーさんはわかった!っと廊下に出ていきました。が、すぐにおねーさんはめいちゃん達の部屋に来てしまいました。

「なんか異様な雰囲気で、ちょっと声掛けられなかったわ。((^^;)」

さすがのおねーさんも為す術なしです。めいちゃん達はただただ早くYちゃんが戻ってこないかと心配しながら、ドアに耳を貼り付けて待っていたのでした。

暫くするとYちゃんが戻ってきました。

「まったく、あんなヤツだとは思わなかった!最低!!!」
「どうしたの?もう大丈夫なの?」
「それがねー、何かと思ったら前に香港で買ってやった100香港ドル(その当時約2000ぐらい?指輪を返せ!っていうんだよ。ちょうどポケットに入ってたから、返してやったけどね。そしたらXのやつ、その指輪を軽井沢シンドロームのマネして、親指と人さし指でむぎゅぅ〜ってつぶそうとしたんだよぉーーーー!『こんなものぉー!』ってセリフまで一緒でさ!でも、漫画みたいにはつぶれなかったんだけどね。そしたら、かんしゃく起こして、指輪を放り投げて行っちゃった。」

そういうとYちゃんはX君が置いていったままの漫画を取りだして、主人公がフィアンセの婚約指輪を怒って指でつぶすシーンを開きました。

そして暫くみんなでおしゃべりしたあとお開きとなり12時ちょい過ぎ頃それぞれの部屋に帰ろうとすると。。。。

「おいおい!見てみぃ〜!」
F君があわてて戻ってきました。

「ほら!あそこや!!!」

F君が指さす先には、中庭で懐中電灯を照らしながら放り投げてどこかにいってしまった指輪を探すX君がいたのです!

あいつ、危ない!みんなの背筋がぞぞぞぞぉーーーーーっと寒くなったのでした。

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危ないX君にもう歯止めはかけられない????
次回はどうなる?

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めいちゃんのストーカー体験〈留学編 伍〉

懐中電灯で中庭を照らしながら放り投げた指輪を探すXくんに、めいちゃん達はぞぉーーーーっとしました。暫く身をかがめながらみつからないようにそっと見ていたものの、もしXくんに知られたらただでは済まないような雰囲気にめいちゃん達はそれぞれの部屋に引き上げる事にしました。

日本の大学時代から変なヤツだとは思ってたけど、あれは危ない。。。めいちゃんはこれから何か起きるのではないかと心配になりました。


次の日の朝、教室へ行こうと準備していると、

「ちょっとぉ〜!!!Yちゃん!!!めいちゃん!」

隣りの部屋のお姉さんの呼ぶ声がが廊下から聞こえてきました。
「なんだろう!?」
廊下に出ていくと、お姉さんとWちゃん(お姉さんのルームメイト)がめいちゃん達の部屋のドアの近くを指さしています。そしてその先には昨日Xくんが放り投げてどこかになくしてしまった指輪が。。。。

「もしかしてXのヤツ、夜中にみつけてここに置いていったのかな?」
「そうじゃなくて、放り投げて中庭に飛んでいっちゃったと思ってたのが、実は足元におっこったってだけじゃないかな?」

本当のところは今となってはわかりませんが、とにかく「気持悪いねっ」と4人はその指輪はそのままで教室に向かいました。

授業が始りました。運の悪いことにめいちゃんはXくんと同じ広東語クラス。Xくんの事は考えずめいちゃんは授業に集中していました。しかしなんだか視線を感じます。そしてその先にはじぃーーーーーーっとめいちゃんを見ているXくんがいたのでした。

気持悪い。。。。

めいちゃんは無視するようにただただ授業に集中しましたが、Xくんはずっとめいちゃんの方を見ていました。そしてやっと授業が終わり休み時間。めいちゃんは急いでJくんやお姉さん、Fくんたちのいる北京語中級班の教室に逃げるように行きました。

「Xがずっとじぃーーーっと見てて、気持悪いよぉ。」

そしてその頃Xくんはというと。。。Yちゃんのクラスに行って、たまたまちょっと寝ようかと顔を机に伏せていたYちゃんの前に立つと、

「Yちゃ〜ん。Yちゃ〜ん。。。あれ?寝てるのかな?Yちゃぁ〜ん。。。。。。。Yちゃぁ〜ん。。。。」
 
休み時間中そうやって声をかけ続け、Yちゃんは必死で寝たふりを続けるしかありませんでした。
 

それからというもの、授業中はなんとも暗くねちっこい眼差しでめいちゃんをじーーーーーっと見つめ、休み時間になるとYちゃんの所に行き、寝たふりのYちゃんに話しかけるというXくんの行動が暫く続いたのです。でも、やはりYちゃんの寝たふりにも限度があり、大げさですがだんだんYちゃんの身の危険を感じるようになってきた皆は、休み時間になると大急ぎで集合しYちゃんを囲んで守るという行動をとることにしました。寮から教室の間、食事の時間、もちろん学校が終わってからの時間もなるべく皆一緒にいるようにしました。なぜなら、どんな時でもXくんがじーーーーーっとこちらを見ていたからです。めいちゃんはというと、日本の大学ではXくんの先輩でしたから、何かあったら上下関係に弱いXくんの事です、がつんと先輩カゼ吹かせれば大丈夫ぐらいに考えていました。しかし、段々とめいちゃんの事をじーーーーっと見ている事の方が多くなってきたのを皆は気づき始めたのでした。

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Xくんの次の狙いは!?めいちゃん危機一髪!!!
次回はとうとう最終回?お楽しみに。。。。

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めいちゃんのストーカー体験〈留学編 陸〉 

それはめいちゃんが中国広東省の省都<食の都・広州>に留学していたころのことでした。
寮で同室だったYちゃんとつきあっていた日本の大学時代の変な後輩X君がYちゃんとの別れをきっかけにますますおかしくなって。。。。。
いつしかじーーーっとめいちゃんの事を見ているようになったのでした。。。。

いつでもXくんのじとぉーーーっと陰険な視線を感じながら、めいちゃん達はYちゃんを守ろうと団結しました。しかし、暫くたつとXくんがYちゃんよりもめいちゃんの事をじーーーーっと見ている事の方が多くなってきたのに皆は気づき始めたのでした。

「なんだかめいちゃんの事を見てるような気がする。。。変だよあれ。気を付けたほうがいいよ。」

Yちゃん自身がそんなふうにめいちゃんに言うようになると、めいちゃんの仲よしグループ以外の日本人女子留学生もXくんの異様な雰囲気に気がつき、気持悪がるようになりました。

  それからは、みんなも協力し、例えばめいちゃんとYちゃんの部屋に用がある時はノックの後に合言葉を
  いうとか、名前を言って確認しあってからドアを開けるとかの工夫をするようになりました。

  「実は前、ちょっとだけXと付合ってたんだけど、やっぱりだったんだよね。それで気持悪くなって
  わかれたんだけど、その後随分つきまとわれちゃったよ。」

  それまであまり付合いのなかった通称「どんぐり」さんが、ある日廊下でお茶していためいちゃん達に話
  しかけてきました。

  どんぐりさんの体験はというと、どんぐりさんがここに来て間もなくなにかと世話をやいてくれるXくん
  から付合ってほしいと申し込まれ、まぁいいかなっと軽い気持で付合い始めたところ、Yちゃんのパター
  ンと全く同じで、最初はなんかもっともらしいかっこいいことなんか言ったりして「おや?けっこう言う
  じゃん」
と思わせておいて、ここぞとばかりに『軽井沢シンドローム』をどさっと全巻持ってきて「読
  んでみて!」
となったのです。
  それで化けの皮がはがれ、急激にしらけたどんぐりさんは、ちょうどその頃別の企業派遣で来ていた日本
  人男性に交際を申し込まれて心が傾いていったのでした。
  別れを切りだしたところ、始めはこれまたYちゃんの時と同じで意外なほどあっさりと承諾したものの、
  そのあとねちねちと陰険にどんぐりさんにつきまといあちこちでどんぐりさんの悪口を言い触らすとい
  う行動にでたのでした。
  怒ったどんぐりさんとその新しい彼氏(企業派遣の人)は、Xくんを呼びだして、「これ以上つきま
  とわないでくれ!」
っとせまったのです。
  さすがにこの日以来Xくんはおとなしくなったそうですが。。。結果としては新たな矛先がYちゃんだっ
  たという事になってしまいました。


 
何度か部屋に来られそうになる等の危機はあったものの、 皆の協力もあって無事に夏休みまでもうすぐ!
  という時期まで過ごす事ができました。中国の大学は新学期が9月です。学校にもよりますがめいちゃ
  ん達のいたところは7月の初旬には、夏休みになるのでした。そして皆の心配事は、Xくんが留学期間
  を延長するのかしないのかということでした。当初の予定ではXくんは今期で留学を終え日本の大学に
  戻るはずです。しかし一時「どうせ日本の大学は休学中で4月から復帰になるのだから半年だけ留学期間
  を延長しようか」
と言っていたという噂もあり、はっきりいってもう帰ってほしい!と思っていた
  めいちゃん達は、さっさと帰れーーーー残るなーーーー!っと心の中で念じていました。

  そして夏休みが始りました。Xくんの帰国が決定し、これで一安心!あと数日我慢すればもうこんなひそ
  ひそとした生活はしなくてもいいのだ!と皆で喜んだのです。

  Xくんは数人の日本人に見送られて留学生宿舎を去りました。もちろんめいちゃん達はXくんが去って
  から「もういっちゃったよぉ〜!」と聞いたのですが。。。
  そして、これで大腕を振って歩けるぞー!っと宿舎の外へ行こうとした時。。。。

  「めいちゃん。Xくんがこれを渡してくれって置いていったよ!」

  と服務員(寮で留学生の世話などをする中国人係員)が封筒を手にめいちゃんを呼び止めました。

  「え?Xくんが???」

  めいちゃんは恐る恐るその封筒を受取ると中を開けてみました。すみませんでしたぐらい書いてあるの
  かな?そんなふうに想像しながら開けてみると。。。。。中には1本の見覚えのあるカセットテープ
  そして手紙。。。

  「めい先輩
  ずっとお慕いしていた私がばかでした。お預りしていたカセットテープはお返しします。
  私の事は忘れてください。私ももうめい先輩の事は思いだしません。」

  なんじゃこの手紙は!!!!!!!

  めいちゃんはなんの事やらわけがわかりませんでした。カセットテープを貸した覚えもなければ、忘れる
  もなにもそんな関係でさえもない
。独り善がりの気持の悪い手紙。

  そのカセットテープは、めいちゃんが大学を卒業する時に、サークル(中国語劇とかをやってた)の部屋
  に残していったもので、誰にあげるといったものではありませんでした。中には当時の香港の歌謡曲が入
  っていました。それをなんでXくんが自分がもらったものだと思いこんでいたのか。。。。もし目の前に
  Xくんがいたらめいちゃんはいい加減にしてよ!なに勝手な事言ってんのよ!とどなっていたで
  しょう。
  Xくんはもうここにはいません。きっとずっと自分で作った話しの中で、自分勝手に解釈してこれからも
  生きていくのでしょう。
  本当に2度と会いたくない!めいちゃんは心の底からそう思いました。

  手紙とカセットテープの話しを聞いて、Yちゃんも仲よしグループの皆も「やっぱりね」といいました。
  でも、もうXくんもいないし、これからは心配しなくていいからよかったじゃん。そういって、Xくん
  の事は何かの話しのネタにでもしようと思ったのでした。。。


  そして平穏な日々が続きました。だけどなんとXくんがその後突然寮に現れたのです。ちょっと
  香港まで遊びに来たから寄ったと言っていたそうです。その時は、前にも増してまるで戒厳令発令!
  のような状態で、忍者のように壁づたいに廊下をこそこそと歩き夜は出歩かないかおそーくなってか
  ら帰ってくるようにして、Xくんと顔をあわせないようにしました。この前まで守られていたYちゃん
  の代わりに、今度守られるのはめいちゃんでした。本当に息が詰まりそうな4日間でした。

  もう2度と帰ってくるな!!!!

  そして、本当にそれからは戻ってくることはなかったのですが。。。。

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最終回はどうでした?さぁ。。。次回はなんでしょう?

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