試 乗


バイクを選ぶ際、試乗は是非しておきたいものです。買ってから、「想像していた印象と何かが違う・・・」とか思いながら乗っているのは精神衛生上良くないことです。という私も試乗もせずにNinjaを購入し後悔はしていないと言うものの、最近「Ninjaで果たしていいのか」と自問自答を繰り返しております。特に欠点もなく、乗りにくいわけでもなく、遅いわけでも、パワーを大きく持て余す訳でもない。一つや二つの不自由さはあっても、致命的な欠点は見当たりません。しかし、乗り込むにつれて、高回転域で楽しむマルチエンジンではなく、もっと低回転では鼓動感を感じることができて、さらに高回転域までそこそこ回ってくれる、そんなエンジンを持ったバイクへの思いが強くなっていくのはなぜ・・・?

というわけで、2004年4月9日、このモヤモヤの正体を見極めるべく、試乗して参りました。乗ってきたのは、いづれも鼓動感の代表格。
MOTOGUZZI、DUCATI、BMW。私なりのそのインプレを下記に記してみることにしました。


MOTOGUZZI BREVA V750IE

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各方面の雑誌やメディアで絶賛を受けていたこのバイク。大きさも750tで取り回しもよく、ツインの鼓動を感じることができ、かつ大型バイクの走りを楽しむこともできる。このふれこみを見て、私にぴったりでないかと思い試乗を決意しました。
エンジンをかけると、そのサウンドはまさにVツインのもの。しかし、「GUZZIのサウンド」と想像してものよりはこじんまりとした感じでした。ポジションもコンパクトで、身長170cmの私で疲れないと思われる丁度よいくらいのポジション。乗ってみると雑誌に載っていた通りの印象です。GUZZIらしさを残しつつ、扱いやすさを追求したバイクです。Vツインの鼓動感は低速から響き、6000回転くらいまでは小気味よいサウンドを奏でながらよく回ります。それ以上も回りそうですが、公道ではこのくらいが限界です・・・。46馬力と非力ながら190kgを切る軽い車重のおかげで、加速や操作感は抜群です。アクセルを開けると右に傾くのも味として十分加味されているものです。操作性も抜群で、コーナーも癖なくちゃんと曲がってくれます。国産に慣れている私でも十分に操ることができます。どの回転域でもそこそこ楽しめます。国産の操作感でGUZZIに乗れます。女性やGUZZI入門者には最適というふれこみがよく分かる気がします。雑誌がお勧めというのもうなずけるものです。・・・が、ナナハンで100万オーバーはちときついかな・・・。鼓動感やサウンドもかなりマイルドになっています。それに雑誌などのインプレは微妙なところで、コメントする側は自分の欲しいものではなく、世間一般的にいいと思われるようなものについて、よいコメントをするものだなと思いました。ようするに万能型タイプは扱いやすいですが、個性やクセが少なく、結果的に面白みに欠けるバイクになってしまいますよね。自分はこういう使い方をすることが多いから、このバイクは合うとか合わないとかをコメントしてもらいたいものです。感覚の違いにもよると思いますが、私は、ツーリングに使う高速移動もそこそこ楽にできて、かつツインの鼓動感も味わい深くあってほしい、さらには街中〜峠などでの加速も不満がなかったらいうことないっ!という基準なので、このバイクでは多少物足りなさを感じました。しかし、その鼓動感とスタイル、取り回し、操作性のバランスが実に絶妙で捨てがたいのもまた事実・・・。

MOTOGUZZI Le Mans Rosso Corsa

GUZZIといえばこれでしょう。V11。タンクが長く、ポジションは若干きつめなものの、Ninjaに乗る感覚とほとんど同じです。
最初に言っておきます。私はGUZZIなら間違いなくこれを買いたいです。Brevaも良かったですが、味があるのはやはりV11だと思いました。Brevaにはないトルク感と重低音のサウンド、これはまさに想像していたGUZZIそのもので、これを体感したらBrevaはもの足りなく感じます。ドンドンドンドン・・・・・・♪というエンジンの鼓動とも爆発ともいえるものを体感できます。引っ張っても、ギアを早めにチェンジアップしていってもどちらでも楽しいです。正直なところ、GUZZIは古臭いバイクで味やテイストを前面に押し出した、走りは二の次のバイクと思っていたのですが、とんでもありません。味わい深く、それでいて十分速いです。スポーツと思っていたのですが、ツアラーとして要素の方が若干高いようです。ブレーキの効きも必要にして十二分。よほどスパルタンな走りをしない限りは問題ないと思います。最初ハンドルとシートが固いと感じました。またクセはあります。国産車になれた私は、最初交差点の右折も戸惑いました。曲がらないと感じます。慣れの問題なのでしょうが、何だか大回りになってしまうのです・・・。素人な私にはそれが何故なのか見当もつきません。そしてこれもマフラーを変えてあったからかもしれませんが、発進時のトルク感が、慣れる最初のうちは薄く感じて多少気を遣います。でも回転は高回転までドンドンという音とともに小気味よく回り、加速も回せば上々です。直線100km/hくらいまでなら普通に走って、Ninjaより速いんじゃないでしょうか。超高速ではマルチの方がいいんでしょうが実用域とはいえませんし。100km/hくらいまでの加速は実に気持ちがいいです。もっと高速でも気持ちいいんでしょうが、これが公道での試乗の性・・・。それ以上は試せませんでした。そして大きな魅力はスタイリングとしても防風効果としても高い役目を果たしている大型カウル。個人的にはフルカウルよりもこれくらいのハーフカウルくらいのものが大好きなんです。それでもカウルの角度から見ると、高速域での体への防風効果はNinjaよりいいのかもしれません。信号待ちでの周りからの注目度も相当高いようです。足つきとポジションは良いとはいえませんが、国産のリッターSSやツアラーと同じくらいと認識しておけば問題ないと思います。GUZZIの所有欲を十分に満足させてくれる一台だと思いました。廉価版のLe Manもありますが、サスやブレーキなど足回りを強化してあるこのCORSAの方が乗りやすく、Le Manに同じ装備をすることを考えるとかなりの値打ち感があるようです。といっても160万オーバー、乗り出し190万は・・・・;;


MOTOGUZZI Titanium

GUZZIのカスタムというカテゴリに属すこのバイク。V11のエンジンを積んだ伊製アメリカン。でも乗ってみてアメリカンじゃないと分かります。そしてこれがカスタムというカテゴリなのもうなずけてきます。なんだかネイキッドとアメリカンの中間の位置にあるような感覚です。アメリカンほどまったりしていなく、ネイキッドほど走りを意識させない。機動性はアメリカンでしょうけど。まずびっくりするのがその怒涛のトルク感。もともと低回転でトルクを発生するように設定されているV11のエンジンですが、Rosso Corsaよりもさらに低速重視に設定されたパワー出力のおかげで、低速での迫力はものすごいです。ノーマルでもサウンドもすばらしく、Vツインの爆発が体に伝わってくるのがとても心地よいです。意外に足つきは良くないです。このバイクはのんびりと景色を楽しみながら、ゆっくり走るのが適しています。いい加減なギア選定でも走ってくれますので楽チンです。3種類のバイクの中では間違いなくこいつが一番鼓動感があります。ハーレーのXL系サウンドよりもさらに低く、ボリュームがあると思います。もちろん1100tという排気量なので高速もお手のものですよ。しかし、ハンドルに伝わってくる振動が大きく、車重もあり、かつ私はそこそこ回して乗ることもあるということで、これは候補からは最初に外れました。

GUZZIはV11のエンジンを積んだBreva V11が2004年秋にデビューするようです。スタイルに賛否両論があるようですが、私個人的にはすごく興味があります。Rsso Corsaと同じようなフィーリングならかなり揺らぎます。
V11のエンジンをつんだネイキッドのBallabioもまたがせてもらいましたが、足つきが良くなく、スピードを出すと逆に直立姿勢がつらいような気がして、興味はあったものの試乗はなしにしました。


DUCATI MONSTER1000S

いあ、一度は誰もが思うドゥカティ。初めて乗らせて頂きました。2004年のDS(デュアルスパーク)エンジン。ひやかしで見に行って最初試乗するつもりはなかったんです。高速移動を考えるとカウルはそこそこ大きいのが欲しかったし、モンスターくらいのビキニカウルはスタイル的に中途半端な気がしていました。アップライトなバーハンのネイキッドイメージがあって、SSやSBならともかく、モンスターはどうもスタイルが好きになれなかったんです。でも一度くらい乗っておいてもいいか、と店員さんに勧められるがままに試乗してみることに。
またがって思ったのが、予想に反するハンドルポジション。そんなに高くないんですね。前輪に適度に荷重されるような感覚です。Ninjaよりは楽チンポジションです。サウンドはGUZZIよりも渇いた感じ。ストロークが短い分、セカセカと動いている感じです。重低音の迫力と鼓動感はGUZZIの方がありますね。車重は軽く、ちょうどCUZZIのBrevaと同じくらいになると思います。やはりこれも発信時のトルク感が薄いと感じましたが、慣れれば平気になりました。信号で止まってからアクセルを開けるまでは、「さすがドカティ。渇いたドコドコ感が心地いいな」と、「とまっていると振動でミラーなんて見れたもんじゃないなぁ」と、のん気にふけっておりました。が、スタートと同時にアクセルを開けると、まるで異次元空間!回転の早いこと早いことっ!それに回して走ってるのにギアのつながりはスムーズそのもの。3速であっという間に6000回転を超え、すぐに8000回転まで届こうとする勢い!すでにメーターは100km/h超えています。
(多分・・・)あわててスピードを落としました。こんな加速は初体験です。数値上はNinjaの方がパワーもトルクもあるはず・・・。なのにこの走りの雲泥の差は・・・・??エンジンの出力設定ですよね。ショートストロークで、トルクは6000回転でマックスに、パワーは8000回転でマックスになるモンスター。ショートストロークだから回転が早く、一番気持ちのよい回転域をすぐに出して使えるんです。しかもその怒涛の加速とトルクを味わえる域に到達する時間はどうでしょう、スタートから5秒もあれば十分ではないでしょうか。これはもうとりこになるくらいの面白さです。引っ張って乗れるから加速感がすごいんです。Ninjaの場合、1速、2速、3速あたりで、回転数を上げるとエンジンが頭打ちしてしまうような感じがして、次のギアに上げたくなるのですが(いあ厳密にはアクセルと開ければちゃんと回ってくれますが、回すぞっというある種の気合がいる)、これは低速ギアでストレスなく引っ張ることができます。むしろかなり引っ張って乗りたくなります。それでいて気を遣ったり、疲れることがなさそうな感覚なのです。Ninjaで2速80km/h〜100km/hはちょっとした気合もいりますが、これはフィーリングに任せてエンジンを回していくと、知らない間にそれくらいになってます。正直、2気筒のバイクって速いと言っても、たかが知れてるだろうと思ってたんです。・・・・・とんでもないですよ・・・。これで回そうと気合を入れたて乗ったらどこまで行ってしまうんだろうと思うくらいです。L型2気筒こそ最速なり!そう思わせんばかりのパフォーマンス。パワーバンド付近を使って走るという楽しみはこういうことなんだなと、初認識できました。街中だと3速まで使えば十分。高速走行も十分に対応してくれそうです。社外品で大き目のビキニカウルもあるようですし。で、また何がいいってその操作感。怒涛の加速をしていても操作がしやすいんです。ブレーキもとっても扱いやすく、なんていうんでしょう・・・、これこそトータル的なバランスで表現しにくいものですが、とにかく「いい!」の一言なんです。Ninjaに同じblenboのブレーキをつけてもこうはいきません。ちょっとやる気になって前のめりになって、車の間を縫うように走ってみましたが、その走りやすさは今まで体感したことがありません。MONSTER1000s・・・・その存在が急激に接近してきました・・・・この時点で私の中でBrevaV750は完全に消滅した気がしました。BrevaとMONSTER1000。全く違うタイプのバイクで求めるものも全く違うとは思うのですが、私のように2気筒ということで迷う人もいるかもしれません。きっと走りはスポーツリッターバイクと中型バイクの差くらい違いがあります。Brevaの鼓動感と1000sの加速のどちらをとるかといわれれば、今の私はモンスター1000sです。V11のLe Man と比べるとなると実に悩むところですが・・・。Brevaが勝っている部分、価格とスタイルかな・・・。モンスターはインジェクションだけど、味わいあるし。モンスター1000s、新車乗り出し150万也。かなり欲しいです。

BMW R1100S

R100RS

R1100S

BMW、はっきりいって敷居高いです。私には買えませんし、乗ってたら笑われそうです。でも、狙っているのは今のBMWではなく、一昔前のバイク。その名も「R100RS」、おじさまご用達の15年くらい前のバイクです。最近妙に一昔前のものに惹かれるんです。車でも一昔前に魅力を感じます。なぜだろう・・・?
BMWはいわずと知れた横置き、ボクサーエンジン。ツインを探しているならまず外せないメーカーでしょう。しかも走行10万kmオーバーで、なお現役まっさかりでいられるのもBMWの最大の魅力の一つ。なので、走行距離が6万km〜8万kmくらいのバイクでも高値で取引されています。国産バイクでは信じられないことです。ドイツ車ってバイクも丈夫に作るんですね。個人的にドイツが作る工業製品やその関連製品などの機能性・用途の追及の仕方も大好きなんです。秀でて丁寧なつくりで万能とはいえないと思いますが、なぜか惹かれます。デザインにもひかれて、電卓やペンなども無駄にドイツの物を買ってしまったりします。(汗

お目当てのR100RSは玉数も少なく、中古でしか手に入らないため、展示車両の試乗はできません。かといって、どんなのかも分からずに買ってしまうのも怖い。とういことで、BMWの雰囲気をつかませてもらうべく、R1100Sに試乗させてもらったのです。同じBMWのバイクだけど、まったく別物のエンジン。最新式のツアラースポーツエンジンを積んだバイクがR1100Sです。でもその根源ではどこかで通ずるものがあるはず。それを肌で感じ、見つけ出すことが目的です。
エンジンをかけると、「キュルキュルキュルドゥルーン」という、まるでプロペラ機のエンジンをかけるような音がします。最新式のマシンだけに感心するほどいろいろな機能がついていますが、それは目的のバイクであるR100RSにはないので、今回インプレから外します。ボクサーエンジンの特性は、まずGUZZIと同じようにアクセルを煽ると遠心力で右側に軽く振られます。といっても、かすかに振れらるだけなのでそれが原因で立ちごけとかはまず考えられないです。エンジンのフィーリングは「横置きツイン」がよく分かります。GUZZIにもDUCAにもない、左右に運動するエンジン。バタバタ、バラバラっと加速していくような感覚です。聞いた話ではこのバタバタ感も高回転になると不思議と収まると聞きます。音は最新式になって静かで優等生っぽくなったと言われていますが、それでも十分横置きツインを感じることができます。キャブ車の100RSはもっとバタバタとした味があるそうです。しかし、加速感はGUZZIやDUCAの方がいいように思いました。このバイクはやはり高速で一定のスピードで巡航するのが向いているのでしょう。街中の低回転では、バタバタ感が味というよりも、フィーリング的に扱いにくさを感じます。実際は扱いにくくないのですが、扱いにくいのではないかと感じさせてしまいます。まぁ慣れの問題なのでしょうが。低中速域ではハンドルの振動も結構きますね。しかしこれもツインの宿命。重心が低いので安定はしています。R100RSはこのあたりはどうなのでしょう?しかし、R100RSのスタイルは大変気に入っています。実際に試乗できないのが残念で仕方ありません。でもこれなら渋くバイクに乗れるなぁ・・・。


さて、今日は5台の試乗をしてみました。現実的に買うことを考えると、MONSTER1000かR100RSですね。GUZZIはとっても魅力的で欲しいのですが、価格が折り合いそうにありません。;;お金のことを考えないとすると一番欲しかったのはRosso Corsaです。ドゥカのモンスター1000も相当魅力的ですが・・・・。
欲しいのは Rosso Corsa>MONSTER1000>R100RSなのですが、値段は全くその逆なんですね・・・
買い換えてしまうか、どうするかじっくり考えます。
でもこれは分かったようか気がします。「もっと気軽でイージーにバイクに乗りたい。ツインが長く乗れるバイクなのかも」と・・・。Ninjaのように「乗るぞっ」という、一種の気合みたいなやる気を奮起させるようなものではなく、「こいつとならいつまでも一緒にいられるな」と、そう思えるバイクを欲しているのかもしれません。今思えば、これを確信したかったために試乗に行っただけなのかなぁ。だけどその反面、高速巡航で150km/h超でも苦にならないのはNinjaの大きな魅力。これって長距離ツーではかなり重要だと思ってます。それに高回転域ではとても味があって楽しいバイクなんですよね。葛藤の日々は続きそうです・・・。


B a c k . . .