ファッションとバイク


先のコラム「ライダーのイメージ」でバイクのりのファッション観念について触れていますが、ここでまた別の角度から考察してみたいと思います。
オートバイに乗っている人のほとんどがオシャレに見えない、オシャレじゃない。大げさかもしれませんが、このことがバイクのイメージを下げ、さらにはブームの再燃を妨げている一因になっていると思っているのは私だけではないと思います。あるとき、こんなことを認識させててくれる記事を読みました。

自動車教習所でバイクの大型免許が取得できるようになり、近年ビッグスクーターに人気が集まっています。どうせ車検があるなら大型を、中型に乗るのであれば車検もなく維持費が安くつく250tをという考えに至ったためです。しかし、なぜ250tのスクーターなのか?理由はファッションに関係しているように思います。彼らの多くはストリート風のファッションに身を包み、バイクのカスタムをして、かわいい?女性とタンデムして街中を駆け抜けていきます。いろいろと批判の声も聞きますが、それでもスクーターブームの火付け役をを担い、ぱっとしない国内バイク業界の救世主となっているのも事実です。これは今スクータ以外のバイクに乗っているライダーのファッションセンスに対しての拒否反応とも受け取れるように思います。このビグスク以前のTWブームはキムタクのドラマの影響が大きかったですし、その前のアメリカンブームは映画「イージーライダー」の影響を受けた人々から始まりました。しかし今のスクーターブームはこれらとは少し違うような気がします。それこそ10数年前はスクーターといえばオッサン、そして経済的余裕が少ない学生の足としての代名詞のようなものでした。現に若い頃からバイクに乗っている、今30歳くらいより上のライダーの多くがスクーターを拒否しているのがそれを物語っています。
1970年後半からバイクは高性能競争時代へ突入しバイクブームを巻き起こしました。そしてエンジンの馬力の大きさや最高速度の高さが良いバイクとされ、レーサーレプリカブームを生み出しました。そしてこのバイク業界の動きに合わせてウエアも高性能でレーシーなものになっていきました。ジャケットは随所にパッドや衝撃吸収剤が使われ、ハデ色にデカデカとブランドやメーカーロゴが描かれ、しかもそれらが外から見てより分かるのがよしとされました。メカメカしいバイクとマッスル風な重々しいウエアの組み合わせがバイクのシンボルとなり、バイクブームを作っていったのです。
このあまりに重々しいバイクファッションはスマートなヨーロピアンファッションとは違っていたし、ワイルドなアメリカンファッションとも違っていました。これが「ジャパニーズライダーファッション」と呼ぶべきものなのでしょう。
その後「3ない運動」の影響でバイクブームは薄れていきましたが、「高性能バイクブーム」はその後もバイク業界に残り続けました。これはバイク業界が「バイクブームをもう一度作りたい」と考えているからかもしれませんが、それが過去のバイクブームを知らない若い世代には受け入れられませんでした。"ちょいワルおやじ"のイタリアバイクファッションは認められるが、ジャパニーズバイクファッションはカッコ悪さの象徴になってしまい、若い世代やファッションに気を遣うライダーから敬遠されたのです。現にスクーターに乗る若者たちの中にはレーサーレプリカや高性能バイクに興味があり、高性能バイク自体はかっこいいと思っているにも関わらず、「ぼこぼこのブルゾンを着ている人たちも同じに見られなくないから」という理由で踏み込めない人が多いのです。だからこそ、ファッションに気を遣う若い世代のライダーは「ジャパニーズライダーファッション」に身をまとったライダーが選択しないであろうスクーターを選択していき、ビグスクブームが作られたのです。これはスキーからスノボに変換していったメカニズムにも似ているところがあると思います。
一方で今ファッション雑誌ではオートバイを大人のオシャレスタイルのアイテムとして掲載することが多くなっています。そのバイクの種類は様々でハーレーやドゥカ等の輸入車から国産のGSX-R600やZX-6Rのスポーツタイプ、GSR400などの中型、さらにはゴールドウイングまでもが、粋なでオシャレな大人スタイルのアイテムとしてファッショナブルに紹介されています。私くらいの世代は、日本の高度バイク成長を担った世代と今のスクーター世代の中間くらいに位置していると思います。さらにこのサイトを訪問してくださり、こんなくだらないコラムを読んで下さる方は少なくともオシャレを意識されている方が多いと思います。そんな方々が少しずつでもバイクファッションについて積極的に取り組んでいけば、マイナスな部分のバイクのイメージが払拭されるでしょうし、そうやってオシャレなジャパニーズバイクファッションが確立された時に、再びスクーター以外のバイクがオシャレアイテムとして脚光を浴びるようになるのではないでしょうか。近年スクーターに対抗すべく?街中でファッショナブルなスタイルでスクーター以外のオートバイにのる人も一昔前に比べて随分多くなってきました。どのような形にせよ、我々の世代も積極的にバイクファッションについて意識を高めることが大事だと思うのです。
        
                                                           B a c k . . .