ウェス・モンゴメリー

ロード・ソング 2003年1月13日
CTIレーベル3部作の第3弾。この録音を終えた1ヶ月後にウェスは亡くなっている。本アルバムはオクターヴ奏法の集大成とも言うべきもので、最初から最後まで完全にそれを貫いてプレイしている。ジャケットは果てしなく続く木の柵が奥行きを演出し、遠い所に車が1台に見えるというなかなか良いセンスを感じるものだ。
<ロード・ソング>
タイトルがまさに言いえて妙。またジャケットの写真とも見事にマッチングした流れるようなポップな感じのいい曲。ウェスの厚みのあるオクターヴ奏法が冴え渡る。
<グリーンスリーヴス>
イングランドの民謡をドン・セベスキーがノリよくアレンジしている。冒頭のアンサンブルが格調高く演奏され、すぐウェスがミディアム・テンポで軽快にスイングする。
<フライ・トゥ・ザ・ムーン>
有名なスタンダード曲を微妙に崩して、バロック風のバックを織り交ぜながらペタペタとした感じのギター・タッチを見せる。
<アイル・ビー・バック>
ターミ・ネーターの名台詞。じゃなくて^^;ビートルズの名曲。ハンク・ジョーンズはハープシコードとかいう変わった楽器を使っていて、独特の雰囲気を作り出している。
<セレーヌのために>
ウェスの夫人の名を冠したオリジナル曲。過程を非常に大事にしたウェスらしい暖かみのあるいい曲だ。本当に深い味わいがあり、しっかりと心をこめて演奏している。
本アルバムのマイベスト<ロード・ソング>


ア・デイ・イン・ザ・ライフ 2003年1月8日
CTIレーベル3部作の第1弾。一言でいうと、ポップでジャジーでロックなミュージック。アレンジ色が強いが、上質で爽やかな演奏だ。イメージ的には、夏に車で海岸沿いを走る時にかけるのが似合う感じだ。
<ア・デイ・イン・ザ・ライフ>
ビートルズの曲だが、完全にウエスのオクターブ奏法に料理されている。オーケストラをバックに従えた、雄大なアレンジも聴きどころである。
<ウォッチ・ホワット・ハプンズ>
美しくて爽やか。優しい気持ちにさせられます。
<エンジェル>
ウエスのオリジナル曲。メロディーは優しい感じだが、ウエスのソロになるとなかなか刺激的でジャジーなリズムになる。
<ウィンディー>
マイペースだが、明るく陽気なプレイだ。いや、むしろ能天気といったほうがいいかもしれない。気楽に聴ける曲。
<ザ・ジョーカー>
今日はこれでおしまい。それではまた明日ーってな感じのリズミカルで楽しい演奏。ウエスの分厚いギター・タッチがカッコいい!
本アルバムのマイベスト<ウォッチ・ホワット・ハプンズ>


フル・ハウス 2002年11月4日
「インクレディブル・ジャズ・ギター」と並ぶウエスの代表作。私がはじめて購入したギターアルバムでもある。初めて聴いた時は、かなりのショックを受けたものだ。「ギターってこんなに分厚い音なの?」といった感じで、よく調べるとどうやらウエス独自のオクターヴ奏法という技法が、ああいう分厚い音を作り出しているらしいことが分かった。つまり、1オクターヴ離れた2つの音を同時に弾くというもので、さらにピックを使わず親指で弾くというのも合わさって、独特の温かみのある音になっている。
演奏曲はやはり<フル・ハウス>が人気だが、私はあえて2曲目の<アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハ−・フェイス>直訳して「彼女の顔に慣れてきた」と、<降っても晴れても(テイク2)>をベストとしたい。<アイヴ〜>はとにかくメロディが美しい。映画『マイ・フェア・レディ』では、ラスト近くでヒギンズ教授が歌うのだが、歌うというよりは語っているという感じなので、どういったメロディーか全然分からなかったが、ウエスは見事に極上バラードに仕上げている。切なく、もの悲しい感じで、儚く美しい名演だ。
<降っても〜>は、有名なスタンダード曲で、いろいろなアーティストが演奏しているが、私はウエスのこの演奏が一番良いと思う。出だしのギターは力強いが、メロディーの語り口は淡々としていて、クールなカッコよさを感じる。ジョニ−・グリフィンのテナーも曲の印象を変えることなく、見事な冴えを見せ、ウィントン・ケリーのピアノは明るく楽しげである。以上、この2曲は絶対のおすすめです。
<ブルーン・ブギ><S.O.S>では、グリフィンのソロがリズムに乗って高速に展開され秀逸だ。ジミ−・コブのドラムも複雑なテンポを切れよく聴かせて素晴らしい。
本アルバムのマイベスト<アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハ−・フェイス>


ハーフノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリーVol.2 2002年6月2日
残念ながら音質がイマイチで、思うようにライブの熱気が伝わってこない。ただウェスのギター・プレイに関しては文句のつけどころがないくらいオーラに溢れたものだ。インプレッションズ>の疾走感、<フォー・オン・シックス>のリズム感などウェスの深く、厚みのある音が楽しめる。ケリーは自分の主張を時折前面に出しながらも決してギターを邪魔することなく、しっかりとウェスを好サポートしているあたりが素晴らしい。いつもよりボリュームを上げて聴く必要あり。