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キャノンボール・アダレイ
キャノンボール・アダレイ・イン・サンフランシスコ 2003年1月1日
初めてこれを手にし、1曲目の<ジス・ヒア>を聴いた時、すぐさま買って良かった!と思った。ダイナミックで力強く、黒々としたサウンドが否応なしに私の気持ちを昂揚させた。音質はなかなか良く、ライブの盛り上がりがダイレクトに響いてくる。このアルバムには、陽のカタルシス効果を感じる。
<ジス・ヒア>
黒々としたファンキー・ミュージックの代表格。ボビー・ティモンズ作曲で、同名のティモンズの演奏アルバムもあるが、キャノンボール、ナットのパワフルコンビの方が迫力は勝っている。思わず手拍子を取りたくなる楽しさだ。
<ハイ・フライ>
冒頭、ティモンズの美しいピアノ旋律から、ファンキーでありながらペーソスの混じったメロディをアンサンブルで歌い上げる。ナットのコルネットが淡々と響き、ティモンズが自然の流れに身を任すようだ。
<ユー・ガット・イット!>
ルイ・ヘイスのドスンとしたドラムが、銃をぶっ放すようで面白い。アップ・テンポの曲で、キャノンボールのアドリブはまさに全開。豪快に音を流し込んでいくようだ…
<ボヘミア・アフター・ダーク>
これもまたアップ・テンポで、兄弟の息のあった掛け合いが楽しめ、スカッと切れよくアルバムを締めくくる。
本アルバムのマイベスト<ジス・ヒア>
サムシン・エルス 2002年12月12日
豪快なアルトのキャノンボール、泣きのトランペットのマイルス・デイビスという対照的な音色を持つ2人がフロントに立つ名盤。キャノンボールの作品だが、どちらかというとリーダーはマイルスといったほうがいいかもしれない。ペースは完全にマイルスだし、テーマもほとんど彼が吹いている…
<枯葉>
イントロが変わっている。Cマイナーの不思議なメロディーの後、静かにマイルスのミュートが入ってきてテーマを吹く。1つ1つの音を確かめ、味わうような落ち着いたプレイだ。続くキャノンボールのアドリブは、彼にしてはおとなしめであるが、太く独創的なところは彼らしい。
<ラブ・フォー・セール>
ここでもマイルスがテーマを美しく、かつカッコよく歌い上げる。ハンク・ジョーンズのピアノは的確にマイルスをサポートしている。キャノンボールのアドリブは、本来の彼らしく、パーカー直系の流れるようなフレーズを勢いよく放出する。
<サムシン・エルス>
マイルスの作曲。彼の鋭いパンチに、キャノンボールがすばやく反応する。アート・ブレイキーの強烈なドラムが、フロントをあおる。
<ダンシング・イン・ザ・ダーク>
他の4曲はキャノンボールがマイルスに抑えつけられているような感じが無きにしも非ずだが、最後のこの曲だけは、キャノンボールの独壇場。ファンキーなプレイだけではない、歌ものもしっかりこなせる器用な一面を覗かせる。
本アルバムのマイベスト<ラブ・フォー・セール>
キャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴ 2002年11月11日
これがファンクの卸売商人といわれたキャノンボールのプレイなのかと疑問をもってしまうほど圧倒的なテクニックを見せつける渾身の力作。まさしくチャーリー・パーカーの後継者といわれた実力を如何なく発揮している。テナーのジョン・コルトレーンと組んで、陰・陽のコントラストを見事に浮き立たせて迫力のある演奏だ。
<ライムハウス・ブルース>
映画『ジーグフェルド・フォーリーズ』で19世紀末の中国を舞台に、フレッド・アステアとルシル・ブレマーがこの曲に乗って芸術的なダンスを踊るシーンが有名である。さて演奏に話を戻すと、キャノンボールとコルトレーン両者の高度なテクニックの応酬に圧倒される。とにかく、両者一歩も譲らないスリリングなかけ合いが凄い。
<アラバマに星墜ちて>
キャノンボールをフューチャーして一転して歌心のある暖かい吹奏が胸を打つ。
<グランド・セントラル>
いかにもコルトレーンらしいメカニカルで不思議な曲だ。ここでは陽のキャノンボールも負けじと複雑なフレージングを見せる。
<ユーアー・ア・ウィーヴァー・オブ・ドリームス>
コルトレーンの不器用だがなぜか許したくなるような暖かいバラードが印象的である。<アラバマ〜>のキャノンボールと比べると、両者のバラードの解釈の違いや情感の込め方に大きな違いがあって面白い。
さてこのアルバムは、どうしてもフロント2人に耳を傾けがちだが、ケリー・チェンバース・コブの、黄金の伴奏トリオの磐石なサポートがこのアルバムの魅力をいっそう引き立てていることは間違いないだろう。
本アルバムのマイベスト<ライムハウス・ブルース>
マーシー・マーシー・マーシー 2002年11月10日
キャノンボール・アダレイの一点の曇りもない陽気な演奏は非常に楽しいが、同時に彼のことを”ファンクの卸売商人””オーバー・ファンクな演奏”など揶揄する声も多い。私はこのうちどちらかというと、オーバー・ファンクだろうと何だろうと楽しい演奏大歓迎である。キャノンボールの音楽は、ただファンキーなだけでなく、力強くてしっかりと要点を抑えた奥深いものである。このアルバムは、シカゴの”ザ・クラブ”で行われたライブ・レコーディングである。パワフル且つファンキーな演奏に聴衆が大騒ぎしており、ライブの迫力がそのまま伝わってくる。<ファン>は、ナットのオリジナルで、ロン・マカーティの猛烈なドラム・アタックに乗ってキャノンボールが繰り広げるソロは圧倒的でグルーヴィーだ。ジョー・ザヴィヌル作曲の<マーシー・マーシー・マーシー>は、ザヴィヌル自身がエレクトリックピアノを使用して、面白い効果を狙っている。ただ今聴くと、少し古臭いサウンドでもある。<スティックス>は高速のテンポで、ナット→キャノンボール→ザヴィヌルの順に強烈なソロが展開される。聴衆も手拍子をとり、会場の盛り上がりは最高潮に達している。<ヒッポデルフィア>は、ファンキー色が薄くなり、キャノンボールの自由なソロが印象的。<サック・オー・ウー>で、再びノリの良いファンキー・ミュージックに戻り、10分にも及ぶ長時間演奏を繰り広げて、締めくくられる。
本アルバムのマイベスト<スティックス>

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