ジョン・コルトレーン


オム 2003年7月21日
(o・ω・)o  オムってどういう意味だと思っていたら、オームのことね。チベット密教究極の呪文らしい。昔、『聖闘士星矢』と言うマンガがあったけど、そんなかで「オーム 天魔降伏」とかいう技を使うやつがいたのを思い出したよ。
( ̄ー ̄☆ 『アセンション』でフリージャズ宣言をした後、数ヶ月して吹き込んだのがこのアルバム。東洋的な宗教の儀式を思わせる初めの言葉の後、ストイックな精神性を帯びた音楽表現が始まる。
(o・ω・)o  フリージャズっていうとわけの分からない、不快で恐怖すら感じる音楽というイメージがあるけど、本作に関してはそれはあまり感じられない・・・
( ̄ー ̄☆ うーん。このアルバムのテーマが既存の音楽表現の破壊とかいうんじゃなくて、聖人になりたいというコルトレーンの、究極の音楽を求めようとする一種の渇望だからなんじゃないかな?滅茶苦茶というよりはちゃんと筋だった音楽という感じがする。
(o・ω・)o  ヘンに尻ごみせずにこの大きさ、広さ、創造力をかきたてられるチクチクとした刺激を大いに楽しんでもらいたいね。
( ̄ー ̄☆ あっ、それともう1つ、このアルバムを聴いた後に、他のアルバムをすぐには聴かないように。かなり甘ったるく感じてしまうよ。

ジャイアント・ステップス 2002年12月16日
”ハード・バッパー”コルトレーンから、”モード”のコルトレーンへ、彼の名を飛躍的に高めた記念碑的名盤。メカニカルで灰色の音色は、実験的な感じがするものの、彼が既存の音楽スタイルから抜け出し、新たな高みへ飛翔するかのような強い意志が感じられる。それは全曲、彼自身の作曲という点からもわかる。
<ジャイアント・ステップス>
コルトレーンが化けた瞬間である。ものすごく難解なプレイだが、聴いていて気持ちが良いのはコルトレーンが歌心を忘れたわけではなく、理論と感情をうまくバランスさせているからだと思う。ともあれこのめまぐるしいコード・チェンジにはただ圧倒される。
<カズン・マリー>
なかなかいい曲である。ミディアム・テンポで、正確に音を組み立てていくコルトレーン。トミー・フラナガンのピアノは、さすがサポートのプロフェッショナルといったところで、コルトレーンの難解なプレイを見事に支えている。
<カウントダウン>
2分強の短い演奏だが、”シーツ・オブ・サウンド”という手法の極致を見せるすさまじいプレイ。はじめドラムだけがバックにつき、突き刺さるようなテナーが、空間を埋め尽くす。ピアノ→ベースが加わり、テーマを吹いて締めくくる。恐るべき速さだ。
<ネイマ>
ここまでくると普段ジャズを聴かない人は、あまりに優しい肌合いに安心して眠ってしまうことだろう。(実は私もそうだったりする…)
<ミスターP.C.>
ベースのポール・チェンバースに捧げられたブルース。テーマは、アルバムの最後を締めくくるのにふさわしく、とにかくカッコよい。ここではコルトレーンがハード・バッパーに戻ったかのような熱い演奏を繰り広げる。

本アルバムのマイベスト<ジャイアント・ステップス>

至上の愛 2002年11月24日
コルトレーン入神の一枚。この時期彼はようやく子宝を授かり、幸福の絶頂にいた。そして家族・友人・知人などあらゆる人々へ感謝の意をこめて、この壮大な抒情詩的音楽を創り上げたという。コルトレーン自身が、このアルバムは神へのささやかな贈り物といっているように、本作は宗教色が色濃く出ている。
曲の構成は、4つのパートに分かれており、パート1:承認、パート2:決意、パート3:追求、パート4:賛美となってパートごとに演奏がされるというよりは、連続した演奏のように進められる。パート1ラストで、コルトレーンが「A Love Supreme」とひたすら繰り返すボーカルにはちょっと笑えてしまったが、結構クセになりそうなフレーズだ。(私も知らないうちに口ずさんでしまったりする…)エルビン・ジョーンズのドラムも圧倒的に凄いが、とにかく何よりコルトレーンのプレイが凄すぎる。彼のプレイはまさに神の領域に入らんとするかのようだ。神の祝福・人間賛歌を歌い上げる本作は、ジャズの範囲を飛び越しているとさえ感じる。それでもジャズファンなら絶対に聴いておくべき作品である。
なおディスク2には、1965年のライブ・バージョンが入っているが、スタジオ版のほうが断然完成度が高いと思う。ライブのほうは、実験的要素が強く、イマイチ波に乗れていない感じだ。ただ、生の迫力という点では、ライブのほうがやはり上。比べる楽しさがあるというのはいいことだ。


スターダスト 2002年11月18日
コルトレーンのプレスティッジ時代最後のアルバム。全4曲すべてスタンダード曲で、下手な演奏をすればすぐばれてしまう名曲に敢然と立ち向かう彼のプレイは、非常にたくましい。たくましすぎてバラードにはやや不向きだが、それでも相当こなれている。
<スターダスト>
コルトレーン独特の音色が緊張感を保ちながらゆったりとしたメロディックなプレイになっている。きわめてスローテンポで、一歩退いて、曲を冷静に分析して組み立てている印象だ。だから悪い見方をすればやや冗長で、退屈でもある。
<タイム・アフター・タイム>
コルトレーンのワンホーンプレイで、粘った感じのソロが聴ける。レッド・ガーランドのソロは感傷的で、なかなか手馴れたものだ。
<ラブ・ザイ・ネイバー>
バラードではないが、音のはずし具合、アグレッシブに吹くプレイスタイルが、1960年代の”シーツオブサウンド”奏法を彷彿させる。すでにこの頃からその一端が見えている。
<ゼン・アイル・ビー・タイアード・オブ・ユー>で、再びバラードに戻り、強い感情を込めて高らかに歌い上げ、このアルバムを締めくくる。

本アルバムのマイベスト<タイム・アフター・タイム>


マイ・フェイヴァリット・シングス 2002年3月16日
コルトレーンの傑作アルバム。タイトルの<マイ・フェイヴァリット・シングス>はあの名作映画『サウンド・オブ・ミュージック』の挿入曲である。この曲はコルトレーンが特に好んで演奏し、様々なバリエーションを見せたが、ここに納められているのは初演と言えるものである。淡々としたテンポでじっくりとテーマを吹く様子は、コルトレーンのソプラノサックス独特の世界である。ピアノのマッコイ・タイナーのサポートも素晴らしい。しかし私が本アルバムで一番気に入っているのは4曲目の<バット・ノット・フォー・ミー>である。不滅の名盤「ジャイアント・ステップス」にも通じるコルトレーンの魅力が全快だ。