ティル・ザ・クラウズ・ロール・バイ 2003年1月19日 
ブロード・ウェイの偉大なる作曲家ジェローム・カーンの伝記的映画で、ジョージ・がーシュイン、コール・ポーターの伝記的映画のすぐ後に封切られたものであるが、実は著作権の問題で2年間もお蔵入りになっていたものである。
ストーリーはいたって単純なもので、カーンがたいして悩まず次々と成功していく話というつまらないものだが、この映画(MGMミュージカル全体に言えることだが)の醍醐味は、MGMの抱える歌って踊れるスターをありったけ放り込んだ素晴らしいミュージカルシーンである。まず、冒頭の短縮版『ショウ・ボート』で、リナ・ホーンが見事な演技・歌唱力で、<愛さないではいられない>を歌う。ジューン・アリスンとレイ・マクドナルドは、爽やかカップルで3曲を楽しく歌う。ジュディ・ガーランドの2曲は特に素晴らしい。<幸福を求めて>のジュディのしみじみとした歌は感動的。<フー?>はMGMらしい華やかな演出が見どころである。ラストは出演者・オーケストラすべてが全身白のタキシードを着こんで、カーンの名曲をメドレーリレーをするという豪華なものだ。特にフランク・シナトラは、圧倒的な迫力で<オール・マン・リヴァー>を歌い、物語を締めくくる。
それにしてもカーンが、これだけ有名な曲を作曲しているとは思わなかった。今日のジャズ・ミュージカルに多大な影響を与えているのは確実であろう。