読書一言
(読むのではなく味わって・・・・)

『世界史とヨーロッパ』

・岡崎勝世
・講談社現代新書
・我々がなにげに使っている西暦。よく考えると不思議なものだが、平気で使っているのは慣れとかいう問題ではなく、年号自体が中世的・数学的意味しか有していないからだそうだ。またどこかで基準を決めないと世界史が成り立たない。日本で学ぶの世界史も西欧中心的世界史が基盤になっているんだなぁ。世界史自体が歴史を持っていることに改めて気づかされたよ。



『マノン・レスコー』

・アベ・プレヴォ作、河盛好蔵訳
・岩波文庫
・いつの時代でもこういう女性に男は翻弄されるのだろうか。デ・クリューがいかれているのか、マノンの魅力が果てしないのかは読者の判断に任せてよろしいかと・・・



『河童 他二篇』


・芥川龍之介
・岩波文庫
・「文学者の社会批評だ。文人気質の窓から社会を観ている・・・」なるほど確かにそうだ。それにしてもまぁ、なんと人間臭い河童だこと。いや、河童だからこそか。芥川がもっと楽天家だったならば、それはそれは愉快で壮大な物語ができたろうに。



『未来をつくる図書館 −ニューヨークからの報告−』


・菅谷明子
・岩波新書
・ニューヨーク公共図書館は、図書館と言うよりはもはや総合文化施設だな。無料の市民講座・展覧会・コンサートもやれば、しまいには子どもの宿題まで面倒見るというサービスにはただ驚いた。資金調達方法もまさしくビジネスといった感じで、日本の図書館のショボさとはえらい違いだ。これはほんと学ぶべき点が多いよ。



『シュルレアリスム宣言 溶ける魚』

・アンドレ・ブルトン
・岩波文庫
・夢や・狂気を擁護して真の自由を高らかに謳いあげるその意気込みは認めよう。ただ絵画と違って頭脳を激しく酷使する難解な表現の文学は読んでいて疲れる。自動記述の『溶ける魚』は、何も考えずだらだらと書き殴っただけなので、こちらも真剣に読む必要はないだろう。



『破戒』


・島崎藤村
・岩波文庫
・テキサスへ逃げちゃ何の解決にもならんでしょ?



『夢十夜 他2篇』


・夏目漱石
・岩波文庫
・第十夜で大爆笑!愛玩動物飼養管理士としては、『文鳥』『猫の墓』は読んでいて辛いものがあった・・・



『万里の長城攻防三千年史』

・来村多加史
・講談社現代新書
・万里の長城どうのこうのだけでなく、古代から近代まで、中国歴代王朝がどのようにして成立し、滅亡していったかが簡潔・明快に解説されていて、中国王朝史としても興味深く楽しめた。
・2003年8月17日



『ハリガネムシ』


吉村萬壱
・文藝春秋
・第129回芥川賞受賞作。宮本輝が書評で、「なに一つ目新しさがなく、むしろなんでまた古臭いものを引っ張り出してきたのか・・・」と言うようなことを書いていたがまさしくそのとおり。賞がほしいために、過激に、そしていかにも問題作と言わんばかりの表現・ストーリーの構築をしているあたりがあざとい。内容はぺっらぺら。こんな評論家媚び小説に賞を与えているようでは、日本文学界の暗雲は消えさらないだろうね。人間の内に秘めたる暴力の表出・・・もうそんなテーマ古いよ。そして何より致命的なのが、読んでいてつまらないということ。読んだ後の充実感がまるでない。ふっと漂う芸術的奥深さが現代の小説に欠けていると思う。すべてがむき出しなんだよね。いつか右脳にズキンと響く、すばらしい作品が現れることを願う。
・2003年8月12日



『阿Q正伝・狂人日記』


・魯迅
・岩波文庫
・人を食う食わぬのって、下品な話だ。(狂人日記)
2003年8月7日



『リチャード三世』

・シェイクスピア
・岩波文庫
・権謀術数、極悪非道の限りを尽くして王位に登りつめたグロスタ公。と思ったら、反乱軍に攻められあっけなく敗死・・・なんのこっちゃ。
2003年8月7日



『職業としての政治』

・マックス・ウェーバー
・岩波文庫
・あらゆる政治行動の原動力は権力(暴力)である。そうである以上、政治家には特別な倫理的要求をつきつけずにはいない・・・今の政治家たちに声を大にして叫びたい。
2003年8月7日



『ラ・ロシュフコー箴言集』


・二宮フサ 訳
・岩波文庫
・「気違いと馬鹿は気分でしか物を見ない」←(当たってるな(-。-)y-゜゜゜)
・2003年8月7日



『図書館で遊ぼう』

・辻由美
・講談社現代新書
・司書のプロ意識が、悩める好奇心を救う。
・2003年8月7日



『春秋戦国の処世術』

・松本肇
・講談社現代新書
・荘子が道端に転がっていたどくろに「天の神に命じて、あなたを生き返らせることができるとしたら、あなたはそれを望みますか」と問いかけると、どくろ「私はどうして帝王の位にまさる楽しみを捨てて、ふたたび人の世の苦労を経験することができようか」
・2003年8月7日



『中国妖怪伝』

・二階堂善弘
・平凡社新書
・妖怪であると同時に神でもある、中国の楽しい妖怪たち。『西遊記』『封神演技』など、奇想天外な物語に出てくる妖怪たちを分析する。
・2003年8月7日