Art


ベン・ニコルソン展 2004年4月18日
( ̄ー ̄☆ イギリスの抽象美術の草分け的存在と言うことで、約90点もの不思議な作品が並んでいたね。絵画は静物が中心で、コーヒーカップや花瓶が遠近感無視で描かれたり、何かよくわからない線が記号のようにひかれていたり・・・

(o・ω・)o  そして一番の目玉は彫りこんだボードのレリーフ。特に白いレリーフは彼の代表作らしいよ。ちなみにこんな感じ。


( ̄ー ̄☆ 背景も白いからわかりにくいが、四角と丸で構成されたボードだ。中には絵画とボードが混ざった作品もある。

(o・ω・)o  横から見たら凹凸があってはじめてレリーフと気づくようなものもあったね。

( ̄ー ̄☆ すっきりとした作品が多いからストレスがたまっている方は足を運んで見たら?

(o・ω・)o  余計にたまるかも・・・

レオン・スピリアールト展−知られざる神秘空間− 2003年8月15日
( ̄ー ̄☆ レオン・スピリアールトはベルギーの画家で、生前はほとんど母国でしか知られていなかったが、近年欧米を中心に注目を集めているらしく、今回日本ではじめて本格的な展覧会が開催されたんだ。
(o・ω・)o  美術学校をすぐに中退し、独学でオリジナルの画風を築き上げたそうね。暗くて不気味な作品多いよ。
( ̄ー ̄☆ 1908年の自画像は骸骨のようで、「死」をイメージさせる。ろくろ首のような女性を描いた<雲><猛獣>など、女性嫌悪を感じさせるものも多くあり印象的だ。
(o・ω・)o  スピリアールトの作品の中でも<めまい>はもっとも印象に残る。高所恐怖症の人は辛いね。
( ̄ー ̄☆ 手すりも何もない円形の階段を、女性が風に吹かれながら確かめるように降りていく姿は、白と黒のコントラストとあいまって強い緊迫感がある。
(o・ω・)o  人間が蟻のように小さく、無個性に描かれた<水浴から戻る人>の2作品は、地球の中の人間という存在がいかに軽く、小さなものかを表しているようね。
( ̄ー ̄☆ 暗くて不気味な精神世界。でも人間ってそういった謎めいたものに、恐れると同時に惹かれてしまうんだよね。


ボストンに愛された印象派 2003年6月9日
( ̄ー ̄☆ 近くにありながら、なんとなく行きそびれていた名古屋ボストン美術館。印象はどうだった?
(o・ω・)o  建物は立派できれいだけど、展示スペースはたいしたことないなぁー。
( ̄ー ̄☆ でも企画展はなかなかユニークで面白かったんじゃない?
(o・ω・)o  19世紀のアメリカとフランスの印象派の画家たちの展覧会ね。ミレーやコローなど、バルビゾン派と彼らに魅了されたボストンの画家ハントらの絵画が比較展示されていて見比べる楽しさある。
( ̄ー ̄☆ モネの睡蓮も魅力だけど、アメリカの画家たちがどのように自分の作風と融合させたりしたのかという方が興味深く、サージェントやベンソンの絵は特に注目すべきだね。
(o・ω・)o  常設展である『古代地中海世界の美術』は、作品数が豊富で資料的価値の高いものばかりね。
( ̄ー ̄☆ 葬送船の模型なんかよくできていたなぁ。だけど、片隅に日本コーナーというのがあって、お化けや霊獣といった類の精巧な根付が実は一番印象に残っていたりする・・・

菱田春草展−日本画の理想を求めて−2003年4月30日
( ̄ー ̄☆ 春草といえば、あの横山大観の盟友で、線を用いず空刷毛によって色面をぼかして、光の拡散や空気感を演出する「朦朧体」と言う表現方法を作り出した人だね。
(o・ω・)o  初期のころは比較的はっきりと線を描いていたけど、1900年を境に急速にぼかしを用いて、雄大な奥行きを感じさせる景色を描いた作品多くなったね。
( ̄ー ̄☆ そう。<湖上釣船><春野>なんか現代の日本では絶対に見られない、のんびりとした雰囲気が出ている。仏を題材とした絵も数多くあるけど、いずれも非常に優しいタッチで、繊細な表現が印象的。
ところで、今回の展示で一番印象に残った作品は何?
(o・ω・)o  ん〜。「朦朧体」を克服したと言われる一連の作品いいね。特に<柿に猫>。限定されない独自の空間に、しっかり線描写された柿。そこにふっと浮かんだ黒い猫。この猫のぼかし具合が絶妙で、柿の強い存在感との対比がオモシロ!<黒き猫>もいいけど、こっちの猫のほうがかわいい。
( ̄ー ̄☆ でも最大の目玉はやはり<落葉>なんじゃないかな。未完成を含め数点あったけど、いずれも巨大な屏風に描かれている。一見大味な印象を受けたが、よく見ると実に細かい描写になっていて、興味深かった。落葉は一つとして同じものはなく、虫の食った跡ですら様々な形になっている。春草の観察眼とそれをキャンバスに写しこむテクニックには驚かされるね。
(o・ω・)o  春草晩年、失明して37歳の若さで亡くなってしまった。研究心旺盛の人だったから、長生きしてたら日本の美術界にもっと大きな影響与えただろうね。

第54回「正倉院展」 2002年11月3日
奈良国立博物館では、現在約2週間ぐらいの期間で、「正倉院展」が開かれています。今回は東大寺の大仏開眼供養1250周年記念ということで、関連した宝物が多数展示されている。聖武太上天皇と光明皇太后が 参列の折にかぶった御冠の残欠をはじめ、法要の時に使用された伎楽の面や、細かい装飾が見事な紫檀槽四絃琵琶、写経の類、投壺・投壺矢などの遊具も多かった。新羅など外国とのかかわりを示す宝物もあり、バラエティに富んだものになっている。
今回はじめて「正倉院展」を観たが、出陳されている宝物はほんの一部であり、毎年テーマを持っていろいろな宝物が並ぶというので、次回も観に行きたい。

ミロ展 2002年10月17日
愛知県美術館で催されているスペインの画家ジョアン・ミロの”ミロ展”へ行ってきた。この日は日曜日で、ちょうど隣にオアシス21というショッピングやバス停、「水の宇宙船」という空中に浮かぶ水の建物ができたばかりだったのですごい人でにぎわっていた。
さて今回の展覧会はミロの前半生に焦点を当て、バルセロナで最初の個展を開いた1918年から1940年代半ばまでの作品約80点が展示されている。ごく初期の作品は多少形がおかしくても目に見えるものを対象に描かれており、特に<ロバのいる野菜畑><椰子の木のある家>が分厚い色塗りで立体的であり、非常に大胆でみずみずしい作品であり素晴らしい。この2作品は必見です。1920年代後半ぐらいになると彼の独特の世界が表現されるようになる。つまり目で見えるものではなく彼の精神そのものがキャンバスに描かれるのである。これはとても文章では説明できないもので、何かよく分からない虫みたいなものや、幾何学的な模様やこういっちゃ悪いが子どもの絵のようなものなのである。タイトルは本人もつけづらかったのだろうか、<絵画>というタイトルの絵がたくさんあった。他には新聞の切り取りなどを貼り付けるコラージュが何点かあって面白かった。<アルルカンのカーニヴァル>を見ていると隣の親子が話し合っていて、子どもが「これは猫が〜されていてね・・・」と説明しているのを親がふむふむと納得しながら聞いている姿がほほえましく、思わず私もひそかに耳を傾けてしまった。やっぱり子どもの感性は鋭いなぁ(^.^)


不思議空間へ−マグリット展− 2002年9月8日
私が前衛画家マグリットを知ったのは中学生の頃。美術の教科書にのっていた、広い大地に巨大なグラスが鎮座し、その上に大きな雲が乗っている「心の琴線」を見たとき、よくわからないが何か不思議な感覚にとらわれた。他の絵画には興味はまったくなかったものの、これだけはなぜか非常に面白く感じた。そのマグリットの展覧会が今名古屋市美術館で催されている。作品数は90点以上とかなり多く、2階までびっしりと飾られており、家族連れやカップル・老夫婦など幅広い年齢層が押しかける人気ぶりには驚いた。さて作品鑑賞だが、やっぱり不思議で面白かった。先ほどの「心の琴線」も展示されていたが、予想以上に大きくて迫力があった。夜空にはばたく大きな鳥の中身は昼でタイトルは「大家族」。貴婦人の顔が花に隠されている絵は「世界大戦」。森の中を馬に乗った女性が行く4次元空間を描いた作品のタイトルは「白紙委任状」。など有名な作品は人だかりができていた。身近なモチーフを使って想像力豊かな感性で表現する絵は様々な表情を見せ、感性に訴えかける。マグリットマジックはいまなお新鮮な魅力を放ちつづけていた。


モネー睡蓮の世界 2002年4月28日
「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にある。」と言うわけで今名古屋市美術館で開催されているモネ展へ行ってきた。こういうメジャーな画家の展覧会は本当に人で混みあう。ゴールデンウィークということもあってか入場券を買うのにだいぶ並んだ。まあそれはともかくとして今回のモネ展は代表作「睡蓮」を中心に展示されている。集められた作品はモネの晩年の作品で、大半が2メートル近い大作であり、その美しさと力強さには圧倒された。時間や天候により様々な表情を見せる睡蓮を数多く絵にして残しているのだが、年代により色使いやタッチが変わっていっているのは興味深い。
1905〜07年ぐらいの作品は比較的穏やかで自然そのままを描き出そうとしているのに対し、しばらく病気をして回復した後の作品は色使いが豊富になり、筆のタッチは荒々しく、大胆な構図の作品が多くなっている。それが高じたのか次第に抽象絵画のような思想的な表情が浮かび始める。何がなんだか分からないが、モネの絵に対する情熱が書きなぐられたような筆跡から想像できる。
 またモネは日本の芸術にも高い関心を持っていたらしく、ジヴェルニーの家には北斎や歌麿の浮世絵を数多く所有し、日本の芸術を高く評価していたという。そんなことから自宅に「日本の橋」と名づけた橋を作り、それを絵にしているが、それも展示されており、青と黒主体の静かな雰囲気を出しているものと赤や黄や緑など激しい色使いで表現している動的な作品が並べられて見事なコントラストを演出していた。
 巨大なキャンバスの大作が並び壮観だったが、作品数がちょっと少なく感じられ、どうせやるなら初期の作品から見比べられるようにして欲しかった。