ひまわりのはな   13000 HIT 記念掌握小話   



 不思議だったの。
 太陽神に恋した妖精の変じた姿が、向日葵なんだって。
 でもね、その妖精は海の妖精だったの。
 海の妖精が、どうして向日葵になったのかな。


 同じくらいに、不思議なことがあるの。

 あなたのこと。
 私の理想とは全然違うんだもの、あなたって。
 でもね、どうしてか目がはなせなくて、いつも見てたの、その姿。
 向日葵みたいなのっぽさんで、理屈屋さんかと思えば、お人好しで。そのくせ、抜けてるとこもあって。


 本当に、不思議。
 どうしてなのかしらって言ったら、あなたってば、笑ってくれちゃって。

 妙なことに博学なあなたは、ちょっとズレた返答をくれたっけ。
「ペルーでは太陽神の象徴として崇められていた花で、花びらは染料にも使われていたんだ」
 海を渡ってヨーロッパへ伝来したのかもしれない。
 だから海と関わりがあるのかもしれない。
 あるいは、それとも、もしかすると。
 いろんな仮説をあなたは教えてくれるけど。


 そんなことを知りたかったんじゃないの。
 ねえ、わざとなの?


 なんだか嬉しそうに笑ってるあなたは、
「ねえ、キミの理想ってどんなだったの?」
 唐突に、訊いてきた。
 どんなって訊かれて、ちょっと困ったけど、しどろもどろに、答えた。
「物静かで落ち着いてて、ええっと、頼り甲斐のあるヒトっていうか、なんていうか」
「ふぅん」
 ・・・なぁに、「ふぅん」って? 訊いておいて、「ふぅん」って。それに、なんで笑うの?
 あなたは、・・・違うのに。理想のヒトとは、全然、違うのに。


 それなのに、どうしてなのかな。


「太陽は、海に沈むだろ? だから、本当は太陽神の方が海の妖精に恋をしていたんだと思うな」
「そう・・・なのかなぁ」
「うん。広くて大らかな海に沈んで、また昇って、それを繰り返して。そうしているうちに、どんどん好きになっていったんじゃないかな」
「・・・・・・・・・」
 私は黙って聞いている。
 少し、頬が熱い。
「だから自分のことをもっと見ていてほしくて、それに自分と近い存在になってほしくて、向日葵の花にかえちゃったんじゃないかな」
 あなたって、ロマンチストね。
 そして、本当に不思議。
 思い描いていた理想のヒトとは全然違うのに、一緒にいると、ほんわりした気分になるの。
 どうしてなのかな。
 どうしてこんな風に、惹かれるのかな。


 その答えを、あなたはいつかくれるのかな。


 太陽を見つめ続けてる向日葵みたいに、今もこうして、私はあなたを見つめてる。



* 終 *

『キミの隣で、愛を』 管理人・淺見砂麻莉さまへ捧げます


淺見砂麻莉さま、キリ番報告ありがとうございました
そして、お誕生日おめでとう!! (はな生まれ♪ 8/7)