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波紋 ripple out 投げられた小石がつくる、水面の波紋。 小石は水底へ落ちていく。下へ、ただ落ちていく。 波紋は広がる。緩やかな輪は、やがて消えてゆく。 私は小石。 投げられたその一瞬だけにしか、存在を確かめられない。 水面 the water surface 雨に打たれ、風に凪ぐ。 陽射しを受けてきらめき、月夜には影を落とす。 僅かの衝撃にも大きく反応し、その様相を惜しげもなく見せる。 君って、水面みたいだ。 拗ねたりむくれたり、はしゃいだりはにかんだり。 怒ってたのかと思ったら、笑っていたり、泣いていたり。 多彩な君の面。 そして、ふっと黙り込んで、平静を装ったりする。 僕は、小石。 投げた小石。 水面を跳ねてみたり、ただ沈んでいったりして、水面を揺らす。 小石が水面に当たった瞬間に、幾つもの飛沫があがる。 僕は、それを見るのが好きなんだ。 だから、何度でも小石を投げるよ。 君が見せる美しい波紋を、いつも見ていたいと思うから。 |