波紋   ripple out



投げられた小石がつくる、水面の波紋。
小石は水底へ落ちていく。下へ、ただ落ちていく。
波紋は広がる。緩やかな輪は、やがて消えてゆく。
私は小石。


投げられたその一瞬だけにしか、存在を確かめられない。








水面   the water surface



雨に打たれ、風に凪ぐ。
陽射しを受けてきらめき、月夜には影を落とす。
僅かの衝撃にも大きく反応し、その様相を惜しげもなく見せる。

君って、水面みたいだ。


拗ねたりむくれたり、はしゃいだりはにかんだり。
怒ってたのかと思ったら、笑っていたり、泣いていたり。
多彩な君の面。
そして、ふっと黙り込んで、平静を装ったりする。



僕は、小石。
投げた小石。
水面を跳ねてみたり、ただ沈んでいったりして、水面を揺らす。
小石が水面に当たった瞬間に、幾つもの飛沫があがる。
僕は、それを見るのが好きなんだ。



だから、何度でも小石を投げるよ。


君が見せる美しい波紋を、いつも見ていたいと思うから。



  
★ことばcanに投稿した、詩みたいな文です。
「水と小石」シリーズと、勝手に創作。