メロウ倶楽部 第5回東海エリア新春講演会

 武田教授の講演に出席しました。

環境の未来と科学

『環境の問題に潜む社会的なことと、
       それを打ち破る論理的システム』について

講師 : 中部大学 武田邦彦教授

◇ 日 時  平成20年2月17日 日曜日 午後3時から5時

場所は、中華料理の東天紅名古屋店 名古屋国際センタービル26Fで講演会。 その後は、円卓での懇親会がありました。

今回のご講演を聴講する前に、私自身の環境に関して興味ある課題は以下でした。
そして、武田先生のお話がどんな答えを出してくださったか、一般的に違った認識をしていたこととの両面を照らし合わせてご報告します。
・南極の氷が溶けて海面が上昇するか?
・日本にとって、紙のリサイクルは有効か?
・ペットボトルのリサイクルは有効利用か
・割り箸のスプーンに替えたり、マイ箸は環境保護か?
・食べ物を燃やす ― 何かおかしい今のバイオ燃料

初めは、先生の年代の幼少の頃のお話です。その頃の家庭では鶏を飼っていて、絞めて逆さに血ぬきをしてから羽をむしり料理をしていました。
すなわち、現実を自分の目で見ることが出来た時代でした。
現代のように、原形の姿のない加工食品を調理しているので原形を知らない世界で育つと、テレビなどの情報が真実であると思ってしまうわけです。


 最近の話題では、
□紙のリサイクル「何を錯覚したか」
大手製紙会社5社が全部が大規模偽装、それは単純な問題ではない。
すなわち、国の決めた法律が犯罪を誘発したのだろうか。

●課題・日本にとって、紙のリサイクルは有効か?
紙の原材料のほとんどが輸入であり、日本の森林からでも紙を作ることは可能である。
森林の手入れをするためにも自給をすることであると感じました。
国土面積の2/3が森林であり、森林を手入れをして間伐材、枝木を使い紙や箸を作るようにして長期の考えをしていくことです。
最近、間伐材からチップを加工して製品化したり。
東濃地方では、人工林間伐材を使って100年間、炭素を固定する木造住宅を手がけている方が見えます。
紙のリサイクル運動と並行して森林の有効性も知る必要がありますね。

□京都議定書
世界中で地球温暖化を防ごうと思っているが、京都会議は1997年12月に行われました。
先生のお話から、京都議定書の内容をもう一度知っておくべきです。

それでは、解釈の違った表現での列記をします。比較してみてください。

★発効要件は、1990年の基準である

●議定書を締結した国数が55カ国以上であり、
且つ締結した附属書一国の1990年におけるCO2の排出量が同年における附属書一国による
CO2の総排出量の55%を越えることを発効要件として規定。

参考:外務省  ⇒≪京都議定書の骨子

○なぜに京都議定書は問題をかかえてしまったか
ほかにも、知られていないことが多いです。なぜ、最初EU(ヨーロッパ連合)は15%もの削減ができるといいはじめたのか。
これは他の国々を混乱させました。
参考:  武田邦彦教授HP ⇒≪京都議定書の基礎知識≫  

◎古いデータを基準にして比較する点が問題ですね!
  国際的競争が目的のように感じます。

□クーラーの設定を変えたいが地球温暖化は大丈か
一人の男子高校生から、熱くて勉強が身に入らないので冷房温度を28℃より下げたいが地球温暖化は大丈夫です
  あなたなら、どう答えられます?
  大人の社会の答え方と違い、教育者として嘘はいえない

○知識人、マスメディア、大人はずるいから表と裏を使い分け、純情な高校生にその矛盾を押しつけているのではないか・・・まず、第一はそういうことでした。
 第二に、確かに温暖化は環境破壊のような気がしますが、私たちは本当に温暖化がどのような環境破壊をもたらすのか、
電話をしてきた高校生の将来にどのような影響を与えるのか、自分の頭でよくよく考えたか、という疑問です。
 特に、私は大学の教授であり、環境の専門家です。私が何かを言えば、相手が「先生だから信用できる」と思っても、当然です。
私たちはいつも「学生が勉強しない」などとこぼしていますが、それには「先生が正しいことを教える」という前提が必要です。

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□失ったもの:専門化の信頼性

“ダイオキシン”です。『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』では、
“ダイオキシンは本当に猛毒なのか”と問いかけます。
ところが当時「史上最悪の猛毒、汚染物質」であったはずの“ダイオキシン”ですが、最近は“陰が薄い”です。
「果たして、本当にダイオキシンは“史上最悪の毒物”なのでしょうか」。

被害者が出ました。ダイオキシンからではなく、ダイオキシンが猛毒であるというウソから被害者が出ました。

『ところが、7年前の平成13年(2001年)の1月のことだった。
「学士会報」という雑誌に、当時、東京大学の医学部教授だった和田攻先生が
「ダイオキシンはヒトの猛毒で最強の発癌物質か」という題名の論文を発表されている。
和田先生のこの論文には、「ダイオキシンが人に対して毒性をもつということははっきりしていない、
おそらくはそれほど強い発ガン性を持っているとも思われないし、
また急性毒性という点では非常に弱いのではないか」という主旨だった。
(参考: http://blog.livedoor.jp/t2san/archives/cat_50021040.html)

焚き火をしただけで生成されてしまうダイオキシン、魚を焼いただけで出来てしまうダイオキシン。
もしそれがほんとだったら、焼き鳥屋の親父は、ダイオキシン製造装置で吸っているが死なないのはどうしてか。

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□ペットボトルのリサイクルは、1本をリサイクルに3本分の石油が必要か
ペットボトルは容器としては最高である。
ペットボトルでも同じだ。リサイクルするペットボトルに、
キログラムあたり405円の日本国民の税金を使っているにもかかわらず、
自治体や業者は中国に50円で売り、「儲かった」と言っている。
いつの頃からか、“ごみの分別収集”が当たり前になっています。
一般の“生ごみ”とは別に、せっせせっせと“ペットボトル”等の“資源ゴミ”を分けて出していますよね。
そして、ペットボトルは中を洗浄し、ラベルをはがして、綺麗な状態にして回収してもらっています。
もちろんそれは、“ペットボトル”は“資源”として、リサイクルされていると信じてのことですよね。
ところがそれが全くの逆効果だとしたら……。

●1本のペットボトルをリサイクルするためには、3倍の石油を使う。
○茶碗を作っている職人さんは、茶碗を新聞紙で包んで大事に使ってくださいと渡します。
もちろん茶碗を割ってリサイクルなどはしませんね。
◎失うものは、物作りの心です。
ペットボトルを繰り返し使うとペットボトルの消費量が5分の1になりますから、製造会社は半分以上、つぶれることになります。
リサイクルするとペットボトルの消費量が増えますから、会社は繁栄します。わたしは愛用品を買い、それを大切に使って、
豊かな心休まる生活をすることが日本の子孫のために良いと思っていまし、結局、会社もその方向に行かざるを得ないと思うのです。
□アルキメデスの原理と北極の氷が解けたら
北極のように、水の中に浮かんでいる氷が溶けても海水面が変わらないというのは、このアルキメデスの原理による。
氷がなぜ水に浮いているかというと、水より同じ体積の氷の方が軽いからである。
「軽い」ということは水が氷になる時に体積が大きくなるから軽くなる。
 もし水が氷になるときに重たくなれば氷は下に沈むはずである。
水に浮いた氷が溶けると、氷の体積が小さくなり、ちょうど海水面の上に顔を出している部分が体積としてはなくなる計算になる。
 つまり、北極の氷が人間の目に見えるのは、水と比べて軽い部分だけが顔を出しているからである。
冷蔵庫の中に暖かい湯気の出るようなお湯が入ったコップを入れると、そこから蒸気が出て、
それが零度以下のところに「霜や氷」となってへばりつく。
南極大陸の周りの気温が上がり、海水温が上がれば水蒸気の量が増える。
 もし風が海から大陸の方に吹いていたら、この増えた水蒸気は雪や氷となって南極大陸に積るだろう

○まずは、南極やグリーンランドの氷床が溶けて海水面が上昇しているとの指摘だ。南極半島が昇温しているのは事実だが、
半島が南極大陸に占める面積の割合は2%程度である。
IPCCの報告書によれば、南極は全体としては昇温していないとされている。
実際、ここ最近の南極は寒冷化傾向にあるのだ。IPCCの政策決定者向け要約(SPM)にはこう書かれている。
 【南極の海氷面積には、引き続き年々変動と局地的な変化は見られるものの、統計学的に有意な平均的傾向は見られない。
これはこの地域全体で平均すると昇温が認められないことと整合している。{3.2、4.4}】
 IPCC 第4次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 参考資料⇒≪IPCC報告書

(南極の氷は融けていない)

○一方で、IPCCの報告書によれば1993年から2003年の南極氷床による海面水位の上昇率は、0.21±0.35(mm/年)とされている。
南極では寒冷化しているにも関わらず、南極氷床による海面水位の上昇率はなぜか正の値を示している。
もちろん誤差範囲の方が大きいという指摘も同時になされるべきだろう。
IPCCの報告書によれば、南極の氷による海面上昇の寄与は、力学的な氷の減少による寄与が主な原因と結論付けられている。
【そのような力学的な氷の減少は、南極の氷の正味減少量の大部分と、グリーンランドの氷の正味減少量のおよそ半分を説明するのに十分な大きさである】
 IPCC 第4次評価報告書第1作業部会報告書 政策決定者向け要約  参考資料⇒≪IPCC報告書≫ 
 
(温暖化で南極の氷は増える)

写真:1982年から2004年の南極の気温変化(出典:NASAホームページ)

□子供に間違いを教える社会で合ってはならない。


●「水没する国がある」ツバルは海水面が5センチ程度しか上がっておらず、国が沈むとしたら別の原因だ。
 小学生は「南極の氷」、「国が沈む」と二つの間違ったことを教わって「児童の顔色が変わっていく」という恐怖を体験する。

○教育ではゼッタイにあってはいけないことだ。間違ったことを教え、それで児童が恐怖に怯えるなどあってはならないことだ。
なぜ、これが大騒ぎにならないのか?教育委員会や父母はなぜ黙っているのだ。児童が可哀想だ。

□間違った報道 気温の上昇

●報道では:「IPCC(中略)、今世紀末には20世紀に比べて最大で平均温度が6.4℃(中略)上昇する可能性があるなどの予測を発表した。」
 事実は違う。この大きな記事には温度については6.4℃という数字しか出てこない。でも、グラフを見るとIPCCとは異なることが判る。
グラフはIPCCが第四次報告の中心的なものとして示したグラフだ。どう見ても、横軸の2100年のところの予想線は、最大で4℃であり、平均的に見ると2℃台である。
6℃などという予測線はどこにもない。
 なぜ6.4℃というのが出てきたかというと、IPCCが特殊なケースを想定し、文章やこのグラフの「外」に参考として示してあるもので、
IPCCはさすがグラフには載せなかったような特別なケースだ。
 だから報告書にある数字ではあるが、それは正式なグラフに載せなかったぐらい、特殊な場合なのである。
参考:太平洋十年規模変動/気象庁 異常気象レポート  HP⇒気象庁 太平洋十年規模変動 

□100年後の温暖化議論より可能性を明確に

●「100年後」という意味を少し考えてみたいと思います。私はIPCCが100年後の予測をするのにとても違和感があります。

実に傲慢です。人間の頭脳はある欠陥があります。それは、論理的にも、現在、自分が持っている知識を超える知識は持てないので、
「現在の知識のまま将来も進む」と考えがちなのです。
人間は改善し、考え、努力する存在です。同時に、飽きも早く、思い違いや「ねたみ」もあります。
だから社会や科学はドンドン変化していきます。早い話、今、石油の資源が枯渇すると言われていますが、100年前には石油はほとんど使っていませんでした。
 だから、これから100年、石油を使い続けることはまず無いでしょう。そして「石油の変わりに何が使われるか」と聞いてはいけません。
今から100年前の20世紀の初頭でも「これから何が使われるか?」と聞かれて、「石油」と答える人はいませんでした。
人間は新しい発明がない時に、発明の後に使えるようになるものを予想することはできないのです。

○ また、「100年後にこうなるから、今、電気を節約しなければならない」という論理は余りに飛躍しています。
「30年後にこうなるから、今、こうしよう」というならまだ理屈が合います。
今の温暖化議論は、適当に100年という時間をとって、その数値があたかも意味があるようにすることが出発点になっており、
その意味では「何の根拠もない環境問題」と言えます。

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□「温暖化を防ぐために、あなたには何ができますか?」
という問いかけは欺瞞に満ちている言葉で「日本人の誠」から大きく離れる。だから、この言葉は、決して純真な子供に教えてはいけない

リサイクルでも普通の人がリサイクルの仕組みや結果を知らないからといって、それを利用して儲けるというやり方は、
日本人の誠実さや誠に反すると私は思っています。そんなことを大人がして子供に良い教育ができるはずはありません。

もともと、科学や社会の発達は人間を楽しくするものです。何でもやたらに節約したらいいということではなくて、物もお金も私たちの生活の人生のためにあります。
お金のための人生ではなく、物のための人生でもなく、自分の人生のためです。

武田先生がリサイクルをあまり好まない理由は、リサイクル自身が社会的には節約にならないということもありますが、
次に、人を騙して儲けるシステムになっていること、そして三番目が、あまりに「物」を中心に考えているという風に感じるからです。

本当に自分の人生に必要なものを選び、大切に使えば、自分が捨てる時にはそれをまた使う人がいるような状態ではないはずです。
リサイクルは社会的なシステムですから、個人のレベルでは「愛用品を使わない」、「どんどん使い捨てる」ことを結果的に促進します。
食品リサイクルは食べ残しや大量の廃棄食料を作っていますし、建築リサイクルができるとビルはどんどん建て替えられます。


□ヘーゲルは、「ミネルヴァの梟は夕暮れに飛翔する」と言った。
 哲学者ヘーゲルの言葉だから飛び抜けて難しい表現が、簡単にその意味を言うと、
「人間は将来は判らない。どんなに優れた知恵を持っている人でも、わかるのはすでに終わったことだけだ」 ということである。
参照:一葉の心 ヘーゲル ⇒≪ヘーゲル≫ 


□リサイクルの課題
リサイクルを行う際での課題として、回収時の不純物の問題、リサイクルを行う際にかかるエネルギーの問題、
リサイクルを何度も行うことによる不純物の濃縮の問題などが挙げられる。

●回収時の不純
  空き缶中の吸い殻、古紙中ラミネートなど、純度を下げるものが回収物の中に入ってしまい品質が落ち
●リサイクルのエネルギ
  リサイクルすること自体にエネルギーがかかる。一度原料のレベルにまで分解するという過程を経るため、場合によっては焼却処分以上にコストとエネルギーを余計に使う場合もある
●リサイクルの不純物
 たとえば鉄のリサイクルでは、不純物元素濃度がリサイクルのたびに上昇する

□リサイクルの種類
プロダクトリサイクル:再生利用
マテリアルリサイクル:材料・製品への再資源化
サーマルリサイクル:燃料化

◎コーヒータイム 出来ることと出来ないこと
 地球温暖化が問題になっているが、人間の活動が原因して気温が上がるというのは相当なもので、私たちの生活が「やりすぎ」ではないかと心配になる。
 続きを読む ⇒≪出来るこることと出来ないこと

l ◎コーヒータイム トウモロシ
8億人の飢えた人がいて、8億人の自動車に乗りたい人がいた。
 続きを読む ⇒≪トウモロコシ

  武田邦彦先生へのお礼:このブログを感謝の気持ちをもちながら書きました。環境への真実と警告を教えていただきました。

また、資料を模索したり武田先生のホームページを繰り返し繰り返し拝見する度に納得し、先生の真剣な姿が十分伝わってきました。

環境問題は、何時までも課題として続いていくでしょう。いい加減な表面だけをとらわれることなく視野を変えて時代の流れとともに、工夫して知恵をだしてヒトとしての誠意をもって対処することですね。

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