主治医から見たグリーンヒル

グリーンヒルには他の施設にはない大きなメリットがあります

以前、他の老人ホームを担当していたときには、そこでは、レントゲンやCTを、すぐ行うことはできませんでした。どこの老人ホームでもそうだと思いますが、医師の直感」しか頼るものがなく、大変つらい診療でした。
例えば肺炎。肺炎が悪くなれば誰でも「肺炎」とわかります。私の任務は、そうなる前の早期の診断です。しかし、症状が出にくいお年寄りでは、肺炎初期と普通の風邪を、レントゲンなしには区別するのは難しいことです。
グリーンヒルではレントゲン写真やCTは目の前の岡田内科ですぐに撮影できますし、抗生物質の点滴もできるのが、他の施設にはない大きなメリットです。
  

病状の早期発見システム

以前他の施設で困っていたことは、重症化してやっと私に連絡が入ることが多かったことです。第一発見者の介護職から、看護師に情報が集まらないことが原因と考えていました。
グリーンヒルではこの問題を克服するために、病状の早期発見システムを構築しました。
グリーンヒルの看護師の動きは、他の施設と決定的に違います。グリーンヒルでは全ての情報が迅速に看護師に集るので、看護師は重症な順番に訪問していきます。(このシステムがないと、看護師自身で施設内全部見て回らないと状況の把握できません)。そして直ちに主治医である私に情報が伝わりますので、迅速な治療の開始が可能となり、おかげで病院への救急搬送も減少しました。
 

発熱・転倒などの情報をデータベース化、
新たな事実が明らかに!

通常の医学研究では、高齢者は合併症が多いので、研究対象から除外されていることが多く、まだまだ高齢者の医療についてわかっていないことは多いです。
グリーンヒルでは処置記録はすべてコンピューターに入力されデータベース化されています。その中で転倒の場所や時間帯調査、血圧やSaO2の基礎値と肺炎等の発病率などを分析しています。新たな事実が明らかになりつつあり、私のもう一つの職場である京都大学で、統計学的手法を用いて解析予定です。
 

睡眠時無呼吸症候群の早期発見
・・・第一発見者は介護スタッフ

グリーンヒルではSaO2測定の徹底がされています。SaO2とは、指先に小さな機械を装着するだけで、動脈中の酸素濃度が瞬時に測定でき、心臓と肺が順調であるかがわかります。
ある介護スタッフが、夜間熟睡中の入居者の呼吸のリズムの異常に気づき、起こさないようにそっとSaO2を測定し、異常に低いことを発見。検査の結果、無症状の初期の睡眠時無呼吸症候群と判明しました。起きている時にはSaO2も正常のため、通常、発見できない段階です。SaO2モニタは現時点では介護施設にはまず配備されていません。グリーンヒルでは11台ものSaO2モニタ-を配備し測定を日常業務とし、健康管理に役立てています。

2006年9月 岡田内科 岡田隆