foodiesを支持してくださったみなさんへ


2008年1月17日にオープンしてたった8ヶ月、こんなに早くに終わりを迎えることになるとは想像もしていませんでした。

やってみたい衝動が抑えられず見切り発車で始めたお店でしたが、支えられ、励まされてなんとか今日までやってきました。
ありがとうございました。

宣伝もせず、看板も上げず、それでも友人知人の力を借りてたくさんの方にfoodiesの味を知ってもらえたことを嬉しく思っています。

振り返れば反省点が山ほどあります。
中でも一番今回の結果に繋がったことと言えば、自分に自信が持てなかったことでしょうか。

いつも自信がなかったんです。
私はおいしいと思う。でもみなさんにはどうなんだろう…?
この気持ちが根底にあるから、何度どれだけ試作しても、近しい人たちに大丈夫だと背中を押されても、誰かの一言でズズズ〜ンッと奥に入ってしまうんです。自分の手で作り出したものを販売しているのに、コレではダメですよね(苦笑)。

丁寧に誠実に、嘘のない一生懸命を届けたかった。
伝えたいメッセージがあるから、それを五感から受け入れて欲しかった。
おいしい、は、十人十色だけど、おいしい、は、共通する喜びです。
だから、狭き入口だったけれど、もっともっと知ってほしかったんです。

10年以上前から、私は手作りの酵母とおいしい自然塩と国産小麦でパンを焼いてきました。
そうすると自然に、この国に昔からある発酵食品(味噌や醤油)や甘み苦みのしっかり感じられる野菜を体が欲するようになり、余計なものが要らなくなりました。だってそのものが本当においしいんですもん。
蒸しただけ、ちぎっただけの野菜が私の前に盛られているのを見て、よく主人に「体にいいから食べてるんでしょ?」って言われたものです(笑)。

今はとっても便利な時代です。
お腹が空いたな〜って思えば、どこへ行っても何を買っても、大抵は満たされます。
でも、その手に取ったものの裏側を見てみてください。
手に取ったものを、例えば自分で作るとします。その裏側に記されたものって、本当に全て必要なんでしょうか?
私はそのことを考えるようになってから、なかなか市販の商品を購入することができなくなりました。
どうしても作る気がおきなくて、子供たちに急かされて、出先で選択肢がなくて、お腹が空き過ぎて…、コンビニやスーパーで出来合いのものをいただくこともやっぱりあります。そんな時は少しでも添加物の少ないものを、少しでも原材料の明らかなものを選ぶようにしています。(それでも体は正直で、不調を来します。こうなってくると、ある意味自分の体の方が厄介ですね。)

とりとめなく書いてきましたが、私がお店を立ち上げた理由の8割がそこにあるのです。
気軽に誰でも安心して食べられる食を提供したい、そこが原点なんです。
自分が一番欲しかった店、それがfoodiesでした。
そのことに共感してくださった方が何度も足を運んでくださり、本当に嬉しくて楽しかった。
ありがとうございました。

お店を始めた時から、実は、先が見えていたんです。
限りある中でどこまで粘れるか、もしかしたら逆転があるかも…、そんな危うい綱渡りの毎日でした。
材料の値上げが相次ぎ、使用材料が元々割高だったfoodiesの食は大打撃!!量産できない店舗への卸値仕入なんて夢のまた夢。値上げを余儀なくされ、自分の中での葛藤が続きました。こんなに高い商品、自分なら買えない…。
そこが、甘かったんです。
購入しやすい設定を譲れなかったから、こんな結果です。
信頼している先生に、「価格設定を見直さないことで自己満足かもしれないけれど、foodiesの食を頼りにしている人に対して不誠実なんじゃないか」と叱咤されました。自分のエゴを貫くことでお店がなくなる結果を招いた責任はどう取るのか、と。例え値上げしたとしても続けていくことが誠意なんじゃないのかと。
まったくそのとおりです。目から鱗…そんな心境でした。

すべてを担う責任はとても重かった。自分の判断ひとつでいかようにもなってしまう。
閉めるまでの決断は、いろんな物事との折り合いをつけることの繰り返しでした。
諦めるというよりは‘折り合いをつける’という方がピタッときます。
一つ一つ、自分で決めました。foodiesに関わってくれた人たちに相談はしましたが、結論を出すのはやっぱり自分で。逃げられないんだなぁ、最後までしんどいんだなぁって、心底思いました。

ようやく気持ちに整理がつけられたとき、次へ進むためにも働かなくちゃと、近くのカフェを訪ねました。雇ってもらいたい、やっぱり飲食関係で働きたいなと、そんな気持ちで。そしたら体よく断られ(前日に補充したばかりで欠員がないんだとか…とほほ…)、それでも面接までなんとか粘って漕ぎつけ、履歴書を見せた途端に話が急展開。
地域で1番2番を競い合う仲なんだとか。インターネット上でのランキングでfoodiesはお客さんからの信頼をかなり得ているとの高評価。こちらのカフェも然りで、常に動向をチェックしていたんだそうな。
やめちゃうのは勿体ない。それならば空いたスペースを使ってパン屋さんを続けませんか?
そんな提案をいただいたのです。
自宅からほど近く、集客も望める立地。駐車場もあって広さにも問題はなし。好条件です。

揺れました。真剣に考えました。
本当にやっていけるのか、大丈夫なのか。
同じことを繰り返してはいけない。学んだことを生かさないと。
でもそのためには事業内容を練り直す必要がある。すべてを白紙に戻して新たにもう一度チャレンジする…。

やりたい気持ち、オーブンを手放さなくてすむかもという期待、新たな挑戦へのワクワク感。
同時に現店舗でのいろんなことを思い出しました。
この場所を選んだ理由、子どもたちのこと、状況や環境…。
出来るかな…やれるかも…やってみようっ!でもなぁ…こんな気持ちがグルグルで。
みなさんからの支持に背中を押されてヨシッと立ち上がったものの、我に返って冷静に事態を把握してみること数日間、現実が見えてきました。
やっぱり、今の私には、難しいのです。
同じ目線で一緒に進んで行ける、パートナーが必要なのです。
一人でも事業を展開していける起業家の方はたくさんいらっしゃると思います。けれど、私は、この8か月を実際にやってきて、気づいたんです。私にはパートナーが必要なんだと。
今の私には、一番大事なそれがありません。それがない限り、きっと同じ間違いを繰り返すことでしょう。
そして同時に、全てを見直すということは、量産が不可欠だったり人員が必要だったり、新しいことを生み出していかなくてはいけない。
その調整が、上手くできません。

迷ったけれど、悩んだけれど、可能性に賭けたかったけれど、チャンスをものにしたかったけれど、ココはやっぱり引く時だとわかったのです。
まだまだ後ろ髪を引かれていて振り返ってしまうけれど、決めたことを、自分を信じて、背伸びしない身の丈に合ったやり方で、foodiesを続けていこうと思います。

新たに自家製酵母のパン教室を始めます。
ごはん会やスイーツクラスも充実させていくつもりです。
試食会も以前のように土曜日に開催していきます。
ぜひぜひみなさんに、私の、foodiesの伝えたいことを理解していただき、今後も食の在り方について一緒に考えていきましょう。
時間と場所を、大いに活用してくださいね。
今後ともどうぞよろしくお願いします。




                                               foodies店主 かわむらあゆみ




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