BXのセールスポイント(美点)
・長距離運転でも圧倒的に少ない疲労感
1 矢のような直進性(スタビリティ)
シトロエンと言えば乗り心地という観念が強いが、私はまず直進性を挙げます。これは乗った人でなければわからない。
国産車のように細かい舵角の修正などしなくても、シトロエンなら直進でも高速カーブでもハンドルに手を軽く添えて頭でイメージするだけで気持ち良いくらいトレースできます。中央高速道など轍のひどい道路でも外乱に惑わされることなく本当に矢のように突っ走る。
これが実は長距離を移動するには非常に疲労が少なくて済む要であることをシトロエン乗りは知っています。
シトロエンの直進性はハイドロで得られるものではなく、やたら長いホイールベースやサスペンションのディメンジョン、それに細いタイヤに起因するものと思われます。
2 疲れが消えていく不思議なイス
仕事の疲れが帰宅時の運転で消えていく摩訶不思議なシートがBXの第2の美点。
柔らかく包み込む割には芯があり、むやみにフワフワではありません。特に腰の位置には調節機能もないのにまるでマッサージをしてくれるかのような張りのある起伏。また、座面が長く、太腿をしっかりとサポート。
国産車ではサービスエリア等での休憩時に車から降りると伸びをしたり軽く体操したりしたくなるものですがシトロエンのシートは疲れを知りません。
疲れないという点ではレカロ等のドイツ系シートも良いといわれますが、そちらは人間に一定の姿勢を強要するかっちりとしたもの。シトロエンのシートは多少いい加減な格好で座っても柔らかく受けとめてくれます。
某漫画家も中古のシートを座椅子として活用しているとか。かく言う私も居間に一脚。
ちなみにプジョーのシートや、BXより後のシトロエンのシートはやや堅く、座面の長さも不足しているようで私はあまり好きではありません。(オーナーの人ごめんなさい)。 昔ながらのフランス車らしいシートはルノーあたりが一番色濃く残していると思うのですが。ただ、最近のシトロエン車は昔の感じが甦りつつあるように感じます。
3 ストロークのないブレーキ
例のハイドロ系シトロエンは、ブレーキストローク(踏み代)がほとんどない特異なブレーキですが、これが実は疲労軽減に一役買っています。
雑誌等の評論ではあまり良いように書かれることがないのですが、これが本当に疲れない。
通常のブレーキはペダルを踏み込んだ「長さ」に比例して効きが変化しますが、シトロエンのブレーキは踏み込む「力」に比例して効きが変化します。つまり、踏み代が無いというと、いかにも昔の軽自動車のようにカックンブレーキのような気がしますが、さにあらず軽く踏めば軽く、強く踏めば強く効くのです。
このストロークがないということは、ブレーキを踏むのに足の移動量が少なくて済むということ。要するに通常のブレーキは右脚を腰から下全体を使って踏ん張りますが、シトロエンのブレーキは極端にいえば足首から下のみを使ってブレーキ操作ができるのです。あー安楽。
4 いわゆるハイドロサス
シトロエンといえば言わずと知れたハイドロニューマチック・サスペンション。油圧により車高調整を可能とし、且つダンパーの作用を併せ持たせたエア・サスペンションのことです。詳しい作用はいろいろな資料が書籍やHPにありますのでここでは割愛しますが、実は低速域ではなんと言うことのない結構路面のゴツゴツを拾うサスなのです。(しかし、これは柔らかいシートが吸収します)
これが中速から高速域では路面のうねりを見事に消し去ります。
通常の金属バネは、バネ定数が高いのでアラョッコラショという感じでヒョコヒョコ仕事をこなすのですが、バネ定数が低いエアサスは段差に乗ってもヨッコラショという感じのゆっくりとした動作で且つ一発でダンピング良く揺れを治める優れもの。快適、快適。
5 緩やかな加速
馬力課税されるフランスでは、未だにしょぼいエンジンにでかいボディというのが主流。
マニュアルならガンガン廻してということもできるがAT仕様車ではのんびりが増長されるだけ。しかし、国産車の必要以上のパワーでは加速が鋭過ぎて且つすぐキックダウンされるシフトはアクセルに過敏に反応して実は疲れの素。シトロエンの加速は走り屋にはとにかく、普通のファミリーカーとしては結果として優しい走りになっています。
逆に、減速時には積極的にシフトダウンするATは必要以上にブレーキングすることなく十分に減速してくれます。
・人に優しい操作系
1 ステアリングホイール(ハンドル)
握りの部分の断面が通常の丸断面ではなく、外周部分は丸く、内側は薄い縁が張り出しています。この縁に親指が上手くかかるようにできており自然に握ることができます。
2 サテライトスイッチ
前期型では全てのスイッチが計器板の両サイドにあります。後期型では一般的なレバーが左右に2本できましたが、計器板のサイドにハザード、リヤフォグ、デフォッガー、リヤワイパーの4つのスイッチがあり、ハンドルにかけた手から指を伸ばすだけで操作できます。
3 ホーンスイッチ
フランス車は最新の一部を除きウインカーレバーにホーンスイッチがついています。(前期型は例のサテライトですが。)ハンドルがどの位置であってもホーンスイッチの場所が変化しないということは、パニック時には非常に安心できます。また、パッシングも片手で同時にできることは重要です。是非世界基準にしてほしいことなのですが、なぜ広まらないのでしょう。 しかも最近のルノーはやめてしましました。
4 常時点灯する計器板
イグニッションONで常時点灯する計器板は、ライトをつけるほどではない短いトンネルや逆光時に見やすくしています。
5 ライトインジケータ
計器板にスモールライトとロービームのインジケータがあります。(ハイビームももちろん。)トンネルを出た後の消し忘れや、夜明るい場所でのライトの点け忘れに注意を喚起する便利なインジケータです。前出のように計器板が常時点灯していますので必要不可欠でもあります。
6 インロックしないドア
ドアロックのノブはドアが開いているときには下がらないようになっています。つまり、鍵を中に入れたままドアをロックしてしまういわゆるインロックは、機能上あり得ません。これも日本車にはない機能。絶対便利。
・巧みなデザイン
1 Aピラーの角度
ボンネットから屋根に伸びるAピラーは国産の空力重視のデザインとは異なり傾斜がひどくありません。室内は顔からフロントガラス、天井が遠く、閉塞感が全くありません。また、サンバイザーが目の前ということもありません。
実はCXより前席は広々感があります。
2 肩幅が広い断面
室内に座ると、ちょうど肩の部分の幅が一番広く、足元と頭の部分が多少絞り込まれたデザインです。これも閉塞感が少ない優れたデザインです。
3.広いガラスエリヤ
非常に広いガラスエリヤは開放感と明るい室内を実現しています。
4 何といってもあのマルチェロ・ガンディーニ
有名なランボルギーニ・カウンタック等をデザインした当時ベルトーネ社のガンディーニがデザイン。BX乗りは密かにランボルギーニ・カウンタック・セダンと思って乗っている?
・快適装備
1 サンルーフ
多くのオーナーが唱えるようにBXのサンルーフは頭の直上にあり、非常に快適なオープンエアが楽しめます。これも前出のAピラーの適切な配置から実現されたものです。
2 やたらにある小物入れ(後期型)
運転席膝元のカセットテープ入れ、センターの上部のトレイ、中段のコインケース、助手席側上段の小物入れ(右ハンドル車はない)、2段式の巨大グローブボックス、シフトレバー前のトレイ、ハンドブレーキ後の小物入れ、ドアポケット等々、あらゆる空間が活かされているのです。残念ながら前期型はショボイ。
3 ワイパーにウォッシャー吐き出し口が
ワイパーアームについた細いホースに数カ所開いた穴からウォッシャー液が。ワイパーの動きに合わせ、且つ的確に窓に広がり、無駄が少ない優れもの。