短所や過失について教える


教訓 231. 短所や過失をもつものはおびえる。


He that has a great nose thinks everybody is speaking of it.《大きな鼻をしているものは、だれもが鼻の噂をしていると思う》


 人はだれでも自己の欠点や過失を気にしすぎるものです。自意識過剰のものはとくにそうですが、他人はそれほど気にしないものです。

(a) He that commits a fault thinks everyone speaks of it.《悪いことをしたものは、だれもがその噂をしていると思う》


教訓 232. 短所や過失はだれにでもあるもの。


Even Homer sometimes nods.[Horace]《ホーマーでさえときには居眠りをする》「弘法にも筆の誤り」「猿も木から落ちる」「上手の手から水が漏る」


 人はだれでも欠点をもっています。欠点のない人はいないのです。もしなんの欠点もない人がいたとしたら、欠点のないこと自体が欠点になります。長所さえ、別の角度から見れば短所なのです。

(a) Every man has his faults.《だれにも欠点はあるもの》「無くて七癖」「叩けば埃が出る」
 = Every man has his weak side.
(b) Every man has the defects of his own virtues.《だれもが長所という欠点をもっている》(だれの長所でも裏を返せば短所だ)

 また、いかに熟達の士でも、失敗を免れることはできません。人は何かをするかぎり、失敗するものです。見出しのコトワザのあるゆえんです。

(c) No man is infallible.《過ちのないものはいない》
(d) To err is human, to forgive divine.[Alexander Pope]《過つは人の性、許すは神の心》
(e) He who makes no mistakes makes nothing.《失敗をしないものは何もしないものだ》

 欠点は、自分だけではありません。自分の家族にも、恥さらしはいます。それは、知られたくない家族の秘密です。
(f) Every family has a skeleton in the cupboard.《どの家庭の戸棚にも骸骨がある》(人に知られたくない秘密がある)


教訓 233. 過失は率直に認め、改めよ。


It is never too late to mend.《改めるに遅すぎることはない》「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」


 失敗はだれにもあるからといって、自分の失敗に平然としていてはいけません。自分の失敗や過ちは、率直に認め、反省することが大切です。罪過を自認すれば、その大半は償われたものといってよいでしょう。

(a) A fault confessed is half redressed.《過失を認めれば、償いは半ばすんでいる》

そして、見出しのコトワザのいうように、失敗を改めるのに遅すぎることはないのです。いつでも気づき次第、改めることです。

 しかし、失敗を過小評価してはいけません。成功と紙一重の失敗でも、失敗に変わりはありません。

(b) A miss is as good as a mile.《1インチのミスも1マイルのミスと同じ》「五十歩百歩」
 = An inch in a miss is as good as an ell.《1インチ外れたのも1エル外れたのと同じ》

1エルは昔の尺度の単位で、45インチに相当します。

 一度の失敗はだれにでもあります。しかし二度目の失敗は、最初の失敗に学ばなかったことを意味します。失敗から学ばないものに、賢者の資格はありません。

(c) If a man deceives me once, shame on him; if he deceives me twice, shame on me.《一度だまされたらだました者の恥、二度だまされたらだまされた者の恥》


教訓 234. 自己卑下や卑屈な態度を取るな。


Don't make yourself a mouse, or the cat will eat you.《自分をネズミにするな、さもないと猫に食われる》


 また、欠点がだれにでもあるからといって、それをことさらにさらけ出すにはおよばないし、また必要以上に卑下することもありません。

(a) Don't cry stinking fish.《腐った魚だと叫んで、安売りするな》
(b) Never ask pardon before you are accused.《責められないうちから許しを請うな》

 無用の謙遜は、他人に乗ぜられるだけです。人は従順すぎるものを軽蔑したり、いじめたりします。人間は毅然としていなければなりません。

(c) Make yourself all honey and the flies will devour you.《自分を蜂蜜にすれば、蠅の餌食になる》


教訓 235. 自分の弱点や秘密は他人に漏らすな。


Never tell your enemy that your foot aches.《足が痛いなどと敵にはいうな》


 だから、自分の弱点や欠点は人に漏らしてはなりません。人に漏らすと、いつ何時つけ込まれるかもしれません。

(a) It is a foolish sheep that makes the wolf his confessor.《狼を贖罪師にするほど馬鹿な羊はいない》

 そして、どこにも好奇心の強い人がいます。聞きたがり屋は同時に話したがり屋であることを忘れてはいけません。

(b) Avoid a questioner, for he is also a tattler.《聞きたがり屋を避けよ、彼は告げ口屋だから》
          別掲 → 教訓200 人の口に戸は立てられない。
(c) The dog that fetches, will carry.《ものを取ってくる犬はまた持っていく》
          別掲 → 教訓200 人の口に戸は立てられない。

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