第6章 人間の内面

1 長所と短所

 長所や才能について教える


教訓 228. だれにでも長所や才能はある。


What man has done, man can do.《人間のしたことは人間にできることである》


 人はだれでも何らかの長所・才能をもっていて、それは歳をとっても衰えないものです。ある人にできたことなら、自分にだってできないはずはないのです。たとえ人より劣った才能でも、さらに劣った才能よりはすぐれています。才能は相対的なものであることを知れば、人は自分の才能に絶望することはなくなるでしょう。

(a) There's many a good tune played on an old fiddle.《古いバイオリンでもいい曲が多く弾ける》
          別掲 → 教訓82 名人は手段を選ばない。
(b) In the country of the blind, the one-eyed man is king.《目の見えない者の国では片目の見える者は王様になれる》「鳥なき里の蝙蝠」


教訓 229. 長所や才能は人に示して役立てよ。


What is the good of a sundial in the shade?《日陰の日時計が何の役に立つか》


 才能をもつものは、それをはっきり示して人に役立たせなければなりません。ちょうど灯火が照らすためにあるのと同様です。日時計も、目立たなければ意味がないのです。

(a) Hide not your light under a bushel.[Matthew]《灯火をブッシェル升の下に隠すな》(謙遜して自己の能力や善行を隠すな)

1ブッシェルは約36リットル。ブッシェル升は木製または陶製の容器で、むかし穀物などを計るのに使われました。


教訓 230. 才能の誇示や高慢は失脚をもたらす。


Pride goes before destruction (or fall).《傲慢は破滅に先立つ》「驕れる者久しからず」


 しかし一方では、才能は人に誇示すべきでないとするコトワザがあります。才能はおのずと顕れ、他人が評価してくれるものです。

(a) Self-praise is no recommendation.《自画自賛は推薦にはならない》「独り自慢の誉め手なし」

 傲岸不遜なものや自尊心の強すぎるものは、「驕る平家久しからず」で、やがて失脚します。人間には謙虚さが必要です。そこで、見出しのようなコトワザがいくつかあります。

(b) Pride will have a fall.《高慢には失脚がつきもの》
(c) Don't ride a high horse.《高くとまるな》
(d) The pitcher goes so often to the well that it is broken at last.《水差しは何度も井戸へ運ばれ、ついには壊れてしまう》(長く続いた成功もついには失敗する)「驕れる者久しからず」
          別掲 → 教訓63 人はいつ不幸になるかわからない。

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