忠告について教える
教訓 203. 忠告は与え方が難しいから、つつしめ。
Ill counsel mars all.《悪い助言はすべてを台なしにする》
さて、言葉の使い方を慎重にするようにすすめるコトワザの最後には、忠告についての教えがあります。まず、コトワザは、人に忠告を与えることの難しさをいいます。下手な忠告のために、相手が不幸になる場合もあるからです。その意味で、人は忠告を与える側に立つより、与えられる側にいる方が安全なのです。
(a) It is safer to hear and take counsel
than to give it.《助言は与えるより聞いている方が安全》
(b) Give neither counsel nor salt till you
are asked for it.《忠告と塩は求められるまで与えるな》
教訓 204. 忠告は耳に痛いが、役立つものである。
A good medicine sometimes tastes bitter.「良薬は口に苦し」
= Good medicine tastes bitter to the mouth.
一方、忠告を受ける側の問題としては、忠告を聞き入れ、それにしたがうことはなかなか難しいということがあります。忠告を求めた場合はまだしも、求めないのに一方的に相手から与えられるのは、いっそう受け入れるのが困難なのです。
(a) It is as hard to follow good advice as
to give it.《助言を与えるのも難しいが、聞き入れるのも難しい》「忠言耳に逆らう」
しかし、忠告というものは、与えられる本人にはその必要性の自覚がないのですが、与えた人にはその必要があると思われたからこそ与えたのです。その意味では、必要なときに無視されるのが、忠告の宿命なのかもしれません。
(b) Advice when most needed is least heeded.《助言は最も必要なときに最も無視される》
しかし、忠告は耳に痛いものほど、将来役に立つものです。見出しのコトワザのように、「良薬口に苦し」です。とくに、老人の忠告は有益なものが多いと、次のコトワザはいいます。
(c) If you wish good advice, consult an old
man.《良い忠告が欲しければ老人に相談せよ》
教訓 205. 最善の忠告は自分で自分に与えるもの。
The best advice is found on the pillow.《最も良い助言は枕の上に見つかる》
そしてコトワザは最後に、最善の忠告は他人からの忠告ではなく、自分で自分に与える忠告であり、そのためには枕の上で一晩じっくり考えろといいます。
(a) The night is mother of counsel.《夜は助言を生みだす母である》
かつて中国北宋の文人政治家欧陽修は、文章の想を練るための最善の場所として「三上」すなわち「馬上・枕上・厠上」を挙げましたが、英語のコトワザも考え事を行う場所として、同じ枕の上を勧めているのは興味深い一致ではありませんか。
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