世間の噂について教える


教訓 199. 世間は聞き耳を立てている。


Walls have ears.「壁に耳あり」


 言葉に用心しなければならない理由には、世間はうわさ話に聞き耳を立てているということがあります。大事な話や人に聞かれてはいけない話など、不用意にしゃべってはいけません。また、子供は早耳だから、用心しなければなりません。

(a) Fields have eyes, and woods have ears.《野には目あり、森には耳あり》
(b) Little (or Small) pitchers have long (or great) ears.《小さな水差しには大きな取っ手(耳)がある》(子供は早耳)

 もちろん、相手を不快にしたり、傷つけたりすることは、口にすべきでなく、自分の心の中だけのことにしておくべきです。

(c) Say as men say, but think to yourself.《口では世間並みのことを言い、心では好きなことを考えよ》
          別掲 → 教訓 77 何ごとにも順応して生きよ。
(d) Speak fair and think what you like.《口では立派なことをいえ、心では何を考えてもよいから》
          別掲 → 教訓 77 何ごとにも順応して生きよ。


教訓 200. 人の口に戸は立てられない。


Who chatters to you, will chatter of you.《人のことを話してくれるものは君のことも人に話すものだ》


 噂が伝わるのは、早いものです。とくに悪い噂はたちまち広がります。止めようとしても、だれにも止めることはできません。「人の口には戸が立てられず」です。

(a) Bad news travels fast.《悪い知らせは早く伝わる》「悪事千里を走る」
 = Ill news comes too soon.
(b) Anyone can start a rumor, but none can stop one.《だれでも噂を流すことはできるが、噂を止めることはできない》「人の口には戸が立てられぬ」

 噂が怖いのは、聞き耳を立てその噂をかぎつけた人は、今度はそれを他人に言いふらすからです。見出しのコトワザのいうように、とくに他人の噂を伝えてくれる人や、あなたのことを根ほり葉ほり聞きたがる人には、気をつけなければなりません。その人はあなたの噂を次の人へと伝えるからです。

(c) The dog that fetches, will carry.《ものを取ってくる犬はまた持っていく》
          別掲 → 教訓235 自分の弱点や秘密は他人に漏らすな。
(d) Avoid a questioner, for he is also a tattler.《聞きたがり屋を避けよ、彼は告げ口屋だから》
          別掲 → 教訓235 自分の弱点や秘密は他人に漏らすな。


教訓 201. 悪い噂を流せば、相手は致命傷を受ける。


Give a dog bad name and hang him.《犬に悪名を着せて縛り首にせよ》


 その上、噂は伝わるうちに、尾ひれがついて大げさになり、事実からほど遠い作り話に変わっていくものです。それに、一度広まった噂は、取り消すことはなかなかできません。そこで、当人の信用は一挙に失墜します。見出しのコトワザは、悪い噂を流せば、相手は立ち上がれないほど傷つくというものです。

(a) A tale never loses in the telling.《話は伝わるうちにだんだん大げさになるもの》
(b) Give a lie twenty-four hours' start, and you can never overtake it.《嘘を24時間前に広めれば、とても追いつけない》
(c) A good name is sooner lost than won.《名声は得るに難く、失うに易し》「百日の説法屁一つ」

 悪い噂は命取りになります。噂の恐ろしい力を知っているものは、故意に噂を流して敵をやっつける戦術をとります。次のコトワザも、有ること無いことを言いふらせば、相手の名誉を失墜させ、致命傷を与えることができるといいます。

(d) Fling (or Throw) dirt enough and some will stick.《泥でもたくさん投げれば、少しはくっつくもの》
          別掲 → 教訓37 大きいものや多いものは有利。


教訓 202. 死んだものを悪くいうな。


Never speak ill of the dead.《死者を悪くいうな》


 うわさ話にも、罪の軽いものと重いものとがあります。死者を謗ったり死者に罪や悪名を着せたりしてはいけません。死者を褒めることはよいが、「死者に鞭打つ」ことは絶対にやめるべきです。

(a) Speak well of the dead.《死者のことは褒めてやれ》

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