言葉の用い方を教える


教訓 194. 言葉は人の本性を表す。


What the heart thinks, the tongue speaks.《舌は心の思うことをいう》


 人は思うことを口にするものですから、言葉は人の心を映す鏡の役をします。言葉に、その人の本性が表れるのです。そこに、言葉の使用に慎重にならなければならない理由の一つがあります。

(a) Speech is the picture of the mind.《言葉は心の絵である》
(b) The style is the man.「文は人なり」


教訓 195. 言葉を取り消すことはできない。


When the word is out it belongs to another.《口から出た言葉は他人のもの》


 言葉を慎重に使わなければならない理由には、一度口に出した言葉は取り消すことができないということがあります。口から出た言葉は、自分のものではなく、他人のものになります。その言葉を取り消せば、取り消したという事実が他人の心にいつまでも残り、本人の評価にかかわります。それは、一度行った行動が取り返しがつかないのと同じです。

(a) While the word is in your mouth, it is your own: when it is once spoken it is another's.《言葉が口の中にあるかぎりは自分のものだが、一度外に出せば他人のもの》
(b) A word spoken is past recalling.《一度口からでた言葉は呼び戻せない》
(c) Words have wings, and cannot be called.《言葉には翼があって、呼び戻せない》
(d) Bargain is a bargain.《約束は約束だ》

だからこそ、言葉の使い方には、十分用心しなければなりません。言いたいことがあってもすぐにいうのではなく、一晩考えてからいわなければなりません。

(e) Think today and speak tomorrow.《今日考え、明日話せ》


教訓 196. 心の中は率直に表現すべし。


Call a spade a spade.《鋤は鋤と呼べ》「歯に衣着せるな」


 人は言葉で飾ったり、護摩化したりしますが、ありのままを率直に語ることが大切です。

(a) Don't beat about the bush.《薮のまわりを叩いて獲物を駆り立てるな》(遠回しにいうな)

 ものを率直にいえば、相手も好感をもちますから、たいていのことなら聞き入れられるものです。要求や不満があれば、出してみることです。

(b) The squeaking wheel gets the grease (or oil).《きしむ車輪は油をさしてもらえる》


教訓 197. 無口な人間には気をつけろ。


Beware of a silent man (or dog) and still water.《寡黙の男(犬)と静かな流れには気をつけろ》


 率直にものをいわないと、相手は腹に一物ありと思うかもしれません。多民族国家である欧米では、見知らぬ人間への警戒心が強いのです。思うことをはっきりいわない人間を、コトワザは得体の知れぬものと見なし、用心を呼びかけます。

(a) Silent men, like still water, are deep and dangerous.《黙っている人は静かな流れのように、底が深く、危険である》
(b) Dumb dogs are dangerous.《鳴かぬ犬は危険》


教訓 198. 言葉の多いものは災いを受ける。


Birds are entangled by their feet, and men by their tongues.《鳥は足で捕らえられ、人は舌で捕らえられる


 しかし、一方ではあまりに言葉の多いものも嫌われ、そのために災いを受けることがあります。口数はほどほどにしなければなりません。「口は禍の門(元)」「多言は身を害す」と同じで、次のような類義コトワザがあります。

(a) Out of the mouth comes evil.「口は災いの元」「物言えば唇寒し」
(b) A fool's tongue is long enough to cut his own throat.《愚者の舌は自分の喉を切るくらいに長い》
(c) Many words, many buffets.《口数が多いと多く叩かれる》
(d) More have repented speech than silence.《黙っていたことより話したことを後悔した人の方が多い》

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