金をもつことの利益を教える


教訓 150. 金持ちにはだれもがへつらう。


A rich man's joke is always funny.《金持ちの冗談はいつも面白い》


 このコトワザには、むろん皮肉があります。いくらつまらなくても、金持ちの冗談には、取り巻きはみなが面白がり、笑ってくれるという意味です。

 すでに触れたように、友人をもつことにかけては、金持ちには絶対的な強みがあります。たれもが、金持ちを友人にもつことの利益を知っているからです。

(a) Success has many friends.《成功すれば友人が増える》
          別掲 → 教訓136 友人は成功すると増え、失敗すると減る。
(b) He that hath a full purse never wanted a friend.《財布が満杯のものは友達に不足せず》
          別掲 → 教訓136 友人は成功すると増え、失敗すると減る。

 人はそもそも、富豪や権力者が好きだから、彼らのまわりに寄りつくともいえます。

(c) Everybody loves a lord.《だれでも殿様が好きだ》

 一方、金持ちを取り巻く貧乏人は、気に入られるためにお世辞をいわねばならず、口がうまくなければなりません。

(d) He that hath not silver in his purse should have silk in (or on) his tongue.《財布に銀貨のないものは、口を滑らかにしなければならない》


教訓 151. 金がものをいう世の中である。


A golden key opens every door.《黄金の鍵はどんな扉でも開ける》「地獄の沙汰も金次第」


 金がものをいう世の中では、ものの価値は人がそれにいくら支払うかによって決まります。

(a) The worth of a thing is what it will bring.《ものの価値はそれがもたらすもので決まる》
          別掲 → 教訓219 ものの価値は結果で判断される。

 「地獄の沙汰も金次第」で、金はどんな人間でも動かします。見出しのコトワザには、次のような類義コトワザがあります。

(b) Money talks.《金がものをいう》
(c) Money makes the mare to go.《金は馬でも歩かせる》「地獄の沙汰も金次第」
(d) Every man has his price.《どんな人でも金で買える》(賄賂に買収されない人はいない)

 法律も、金持ちには特別待遇をするようです。一定額の保釈金を払えば、拘留をまぬがれ釈放されることがありますが、貧乏人にはそれもできません。

(e) One law for the rich and another for the poor.《金持ちの法律と貧乏人の法律は別》

 金の力が実感できるのは、何も金持ちだけとはかぎりません。貧乏人でも、金を使うときはいい気分になれます。消費社会では、ものを作る側より金を払ってものを買う側の方が断然強いのです。「消費者は神様」です。

(f) The customer is always right.《消費者は常に正しい》

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