2 意欲と願望
意欲の大切さについて教える
教訓 89. やる気があれば何でも簡単にできる。
All things are easy, that are done willingly.《進んでやれば何でも簡単である》
物事の成功のためには、まず何かをやり遂げようとする意欲がなければなりません。意欲さえあれば、大抵のことはできるものだし、また苦労も苦労とは思わないものです。
(a) A willing burden is no burden.《喜び勇んでする苦労は苦労でない》
(b) Where your will is ready, your feet are
light.《気持ちの準備ができていれば心は軽い》
教訓 90. 困窮や不満が意欲を生み出す。
Want is the mother of industry.《困窮は勤勉の母である》
では、やる気を起こさせるものは何でしょうか。それは生活の困窮とそこから生まれる現状への不満だとコトワザはいいます。窮乏や不満があればこそ、人はそれを克服しようとする意欲をもつものです。その意味で、窮乏や不満は進歩の原動力といえます。
(a) Discontent is the first step in progress.《不満は進歩の第一歩》
(b) Necessity is the mother of invention.「必要は発明の母」「窮すれば通ず」
そして、何かをしたいという願望は、ことの成就が妨げられ、待たされれば待たされるほど、強くなるものです。
(c) Desires are nourished by delays.《願望は遅延に育てられる》
食事の場合も同様であって、窮乏とそれがもたらす空腹感が食べたいという意欲を引き起こし、何でも美味しく食べさせてくれるのです。
(d) Hunger is the best sauce.《空腹が最上の調味料である》「ひもじい時のまずい物なし」
(e) Hunger makes hard bones sweet beans.《空腹は硬い骨でも美味しい豆に変える》
教訓 91. 意欲を大切にすべし。
Even a worm will turn.《毛虫でも向かってくる》「一寸の虫にも五分の魂」
意欲や意志は、だれにでもあるものです。見出しのコトワザは、それを無視したり踏みにじったりすれば、どんな人間でも反発してくるというのです。
そして、自由意志で働くものは強制されたものの二倍働きます。やる気のないものに、いくら強制してやらせようとしても無駄です。次のコトワザも、意欲または自由意志の大切さを主張しています。
(a) One volunteer is worth two pressed men.《志願兵一人は徴用兵二人の価値がある》
(b) None so deaf as those who won't hear.《聞く気のないものほど、耳の聞こえないものはいない》「心焉に在らざれば視れども見えず」
(c) None so blind as those who won't see.《見る気のないものほど、目の見えないものはいない》「心焉に在らざれば聴けども聞こえず」
(d) A nod is as good as a wink to a blind
horse.《めくらの馬にはうなずきも目くばせも無駄だ》「馬の耳に念仏」
(e) A man may lead (or take) a horse to the
water but he cannot make him drink.《馬を水際まで連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない》「匹夫も志を奪うべからず」
(e)は、人は機会の提供はできても、その受諾は強制できないことをいっています。
とくに、やる気でいるものを強制すると、やる気を失うから要注意です。
(f) Never spur a willing horse.《働く気でいる馬に拍車をかけるな》
だから、逆に考えれば、その気のないものが義理にする親切ごかしほど、有り難くないものはありません。
(g) A forced kindness deserves no thanks.《強いられた親切は感謝に値しない》
ただ、やる気があっても、失敗することがあります。実行できなかったとしても、実行の意思が認められるならば、それなりに善意を認め、評価してやるべきです。
(h) Take the will for the deed.《意志は行為として受け取れ》
教訓 92. 理想は高く、求める気持ちは強く。
Hitch your wagon to a star.[Ralph Waldo Emerson]《星に車をつなげ》
物事を行うには、大きな目標を掲げなければなりません。易きにつこうとするものは、何ごとも成就しません。見出しのコトワザはエマソンの「社会と孤独」の中の言葉に由来するもので、大望を抱けという意味で使います。
日本には、クーラク博士の述べた次の有名な言葉が残っています。
(a) Boys , be ambitious.「少年よ、大志を抱け」
志の低いものは何ごともできませんが、志があればだれもが勤勉になり、ことは成就するものです。
(b) He that stays in the valley, shall never
get over the hill.《谷間に留まるものは山を越えられない》「井の中の蛙大海を知らず」
(c) Ambition makes people diligent.《大志は人を勤勉にする》
また、何かを求めたいという気持ちや知りたいという願望があれば、必ず叶えられるものです。
(d) Ask, and it shall be given you.[Matthew,
Luke]「求めよ、さらば与えられん」
(e) Seek and ye shall find.《求めるものは見い出すであろう》
(f) Nothing seek, nothing find.《求めなければ、見いだすこともない》
(g) He that nothing questions nothing learns.《何も尋ねないものは何も学ばない》
本文のトップに戻る