5 全体と部分
全体より部分が重要であると教える
教訓 40. 部分が全体を支えている。
The strength of the chain is in the weakest
link.《くさりの丈夫さは一番弱い輪で決まる》
くさりは一個の輪が弱いと、そこが切れます。くさりの全体の強度は、そのもっとも弱い部分の強度で決まります。次のような変種形もあります。
(a) The chain is no stronger than its weakest
link.《くさりは一番弱いところ以上に強くなれない》
全体を支えるのは、各部分です。同じように、ある組織全体の秩序や幸福は、それを構成する各個人の努力にかかっています。
(b) If each would sweep before the door,
we should have a clean city.《みんなが自分の戸口を掃けば、町中がきれいになる》
教訓 41. 部分から全体がわかる。
You may know by a handful the whole sack.《一握りで袋全体の中身がわかる》 「一斑を見て全豹を卜す」
このコトワザのいうように、ものを知るには全体を見る必要はありません。一部を見れば全体が判断できます。次のコトワザも同じことをいいます。
(a) You may see by a bit what the bread is.《一片を見ればそのパン全体の良しあしがわかる》
例えば、大工仕事の出来映えも、全体の完成品を見なくてもよいのです。削りくずの多寡によって大工の技量を知ることができるからです。
(b) A carpenter is known by his chips.《大工の良しあしは削りくずでわかる》「大匠は削らず」
(c) The best carpenter makes the fewest chips.《一番よい大工が削りくずが一番少ない》「大匠は削らず」
また、次のコトワザのいうように、出来事には何らかの前兆があります。注意深く観察すれば、来るべき未来を予測することができます。
(d) Coming events cast their shadows before.《近づく事件は事前にその影をうつす》
(e) A straw shows which way the wind blows.《一本のわらが風向きを教えてくれる》「一葉落ちて天下の秋を知る」
= Straws show which way the wind blows.
これらの判断や予測は、それほど簡単ではないでしょうが、知恵と判断力のある人は「一斑を見て全豹を卜す」ことができますから、理由の説明に多言を要しません。
(f) A word is enough to the wise.《賢者には一言で足りる》「一を聞いて十を知る」
別掲 → 教訓174 賢者は一を聞いて十を悟る。
(g) One reason is as good as fifty.《理由は一つあれば五十あるのと同じである》