毎日新聞  2012年(平成24年)2月23日(木)


東西ことわざものしり百科:ことわざ通じ東西文化論 名古屋の元教師・安藤さんが出版 /愛知

東西のことわざから東西文化を読み解く同書を出版した安藤邦男さん
東西のことわざから東西文化を読み解く同書を出版した安藤邦男さん

 名古屋市名東区の元高校・短大英語教師、安藤邦男さん(82)が、「東西ことわざものしり百科」(春秋社、2100円)を出版した。日本語と英語のことわざを比較し、そこにこめられた先人の知恵と、文化の違いを読み解いている。

 日本語と英語のことわざに共通する特徴や違いを紹介。後世に伝えるために簡潔で、人を引きつける比喩(ひゆ)、対比、逆転の発想などがふんだんに盛り込まれていることを説明する。

 さらに、ことわざの違いから、東西文化論を展開。英米では雄弁さが尊ばれるのに対し、日本では寡黙さが好まれることを「沈黙は金」の解釈の違いを例に説明しているほか、「愛を口にする、しない」「個人主義と集団主義」などの切り口から、さまざまなことわざを例示している。

 実用的な「天気」「健康」に関する日英のことわざも取り上げているほか、同書で紹介したことわざのクイズも収録した。

 英語表現だけでなく、雑学にも強くなれそうな著書で、安藤さんは「ことわざは会話の潤滑油になるだけでなく、物事を別の角度から見ることも教えてくれる」と話している。【山田一晶】

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