国が違っても、似たことわざが生まれる理由は?

 こんにちは。HPを興味深く拝読致しました。教訓のテーマ別に諺を配列とは、とても変わった、面白い試みでしたね。その作業と業績とには、「壮大」という言葉がよく合うと思いました。

 私は、ドイツのある大学で、出版学を専攻しているものです。個人的な興味から、ドイツと日本の諺、慣用句について、比較したいと思っております。

 比較は簡単なのですが、分かりませんのは、どうして、別の国で似たような言い回しが存在するのか、どうして、言い回しが似るのか、という点です。

 日本とヨーロッパがコンタクトを持ったのは、そう古くない歴史ですのに・・・。そういった背景、歴史などにつきましても、もし何かご存知でしたら、教えていただけませんでしょうか?

 こちらでは、日本の参考文献、資料が極力手に入りにくく、しかも、ドイツの文献を簡単に読めるほどには、私は語学力がまだありませんで、少々困っておるのです。


どの国の文化にも、共通のものが多くあるからだと思います。

 ことわざの勉強をされている由、同好の士として嬉しく思います。

 さて、似たようなことわざの生まれる理由としては、二つあると思います。

 一つは、文化の交流だと思います。とくに近隣の国同士は、ことわざの貸借が多く見られますね。ヨーロッパには似たようなことわざが見られますし、日本には中国系の輸入ことわざが多くあります。

 もう一つは、人間は人種・言語・政治形態等の壁を越えて、共通のものを持っているからだと思います。国が違えば文化も違う、といいますが、しかし考えてみれば各国の文化には、相違面より共通面の方が多くあります。違うのは、表面的現象だけです。

 ことわざも、比喩として選ぶ題材は、国別に違います。

 Too many cooks spoil the broth.

という英語のことわざに相当する日本語のことわざに、

 《船頭多くして船山に登る》

がありますが、〈コック〉と〈船頭〉という違いはあっても、いずれも《指導者が多すぎては、仕事ははかどらない》という、「集団の知恵」の意味するところは、同じではないでしょうか。

 ことわざは、思考や習慣の化石ですから、時代や国境を越えた文化の比較ができますね。ご健闘をお祈りします。


ありがとうございました。時空を越えたことわざに、類似と差異があるのを興味深いと思いました。

 早速のお返事を有難うございました。

 「船頭多くして船山に登る」は、英語で、

 Too many cooks spoil the broth.

 というのですね、面白いですね。

 「彼は何事にも首を突っ込む」は、ドイツ語では「鼻を突っ込む」となりますし、「彼女は不思議そうに首をかしげた」は、やはりドイツ語で「頭をかしげた」になります。対象の類似性と、同一性に基づく差異と…。本当に面白いテーマです。いずれに致しましても、時空間を超えた人間の思考の共通性を感じさせられますね。

 一方、接触によって流入してきた外国の慣用句は、その作られた日本語訳を吟味するのも面白いですし、また、そもそも外国の慣用句の起源を調べるのもまた面白いですね。

 西洋であれば、聖書、ギリシャ神話、ローマ神話、イソップ物語…。広く読まれたこれらから取り上げられ定着したものが多いに違いありませんね。

 調べること、知ることがたくさんです。私にとりましては、壮大なテーマですし、いちゼミのReferatの為でなしに、人生の時間をゆっくりかけ、この題材には取り組みたいと思います。

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