教訓 209. 寡黙は多弁にまさる。


Speech is silver, silence is gold.「雄弁は銀、沈黙は金」
 = Silence is golden.「沈黙は金」


 この有名なコトワザは、沈黙は雄弁にまさるとして、沈黙の価値をたたえます。このコトワザの周辺には、言葉がすべてではないとするものが、いくつかあります。

 まず、言葉は少ないほどよいというコトワザがあります。「言わぬが花」に相当するものです。多弁なものはなかなか実行が伴わないし、また自分の過ちを正当化しようとして言いわけに走りがちだということがあります。それに反して、寡黙のものほど、改めるのも実行するのも早いのです。

(a) Least said, soonest mended.《言葉が少ないほど改めやすい》
(b) The less said, the better.《言葉は少ないほどよい》「言わぬは言うにまさる」
(c) Few words are best.《言葉は少ないのが最高》「言わぬは言うにまさる」
(d) Silence is a woman’s best garment《沈黙は女性の最高の装飾品》
  = Silence is the best ornament of a woman.

 人は中身がないとき、とかく言葉で飾りたてようとしますが、反対に中身がありすぎると言葉を不要にすることがあります。例えば、それは愛です。愛は、言葉がなくても伝わるものです。

(e) Whom we love best, to them we can say least.《最愛の人にはものがいえない》
(f) When love is greatest, words are fewest.《愛が最も強いとき言葉は最も少ない》
(g) Love speaks, even when the lips are closed.《唇が閉じられていても愛は話す》

 知恵も、沈黙の底に隠されています。知恵は、言葉の流れとなって表面に表れるよりも、しばしば見えない深淵に沈黙となって横たわるものです。沈黙は知恵の表れです。

(h) Flow of words is not always flow of wisdom.《言葉の流れは知恵の流れとはかぎらない》
(i) Who knows most, speaks least.《最も知るものが最も語らない》「能ある鷹は爪を隠す」
(j) Brevity is the soul of wit.[Shakespeare]《簡潔が知恵の精髄》「下手の長談義」
(k) A still tongue makes a wise head.《静かな舌は賢い頭をつくる》
(l) Still waters run deep.《静かな流れは底が深い》「浅瀬に仇波」

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