教訓 184. 経験より学問がまさる。


Experience is the teacher of fools.《経験は愚か者の教師である》


 しかし、いくら経験が大切であるといっても、経験には限界があることも否定できません。例えば、人はあらゆることを自分で経験することはできないし、経験がすぐに知恵に結びつくともかぎりません。

(a) Send a fool to France, and he'll come back a fool.《愚者をフランスへやっても、愚者のまま帰ってくる》
(b) If an ass goes a-travelling, he’ll not come home a horse.《ロバが旅に出ても馬になって帰るわけでない》
(c) Travel makes a wise man better, but a fool worse.《旅は賢者をさらに賢くし、愚者をさらに愚かにする》

 また、経験には失敗がつきものです。失敗の多い経験を経なくても、知識は学問によって知ることもできます。その意味では、見出しのコトワザがいうように、経験は愚者の知恵になることがあります。そして、賢者は経験せずに学びます。経験せずに学ぶのが学問であるともいえます。

(d) Wise men learn by other men's mistakes; fools by their own.《賢者は他人の過ちから学び、愚者は自分の過ちから学ぶ》
(e) It is easy to be wise after the event.《ことが終わった後で賢くなるのはだれにでも簡単だ》(結果論はだれでもできる。結果が出てからは遅い)「下衆の後知恵」

 このように、経験のもつ限界を指摘するコトワザがいくつかありますが、だからといってそれらは経験を放棄せよといっているのではありません。経験のもつ欠陥を補正し、知恵を獲得するためのいっそう正しい方法を模索しているものと解釈すべきでしょう。

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