教訓 166. 悪を知る悪人に悪を退治させよ。


Set a thief to catch a thief.《泥棒に泥棒を捕らえさせよ》「毒を以て毒を制す」


 日本には「己を以て人を量る」というコトワザがありますが、これは悪人にも当てはまります。悪人の場合は「下衆の勘繰り」という方がよいのかもしれません。悪人には、人間がみな悪人に見えるのです。

(a) The thief thinks all people like himself.《盗人は他人はみな自分と同じ盗人だと思っている》

 つまり、悪は悪を知っているのです。「蛇の道は蛇」です。それゆえに悪を退治するのに悪を用いるのがもっとも有効です。見出しのコトワザのいうように、「毒をもって毒を制す」るのです。

(b) The wolf knows what the ill heart (or beast) thinks.《狼は悪い心(獣)の考えることを知っている》
(c) An old poacher makes the best keeper (or gamekeeper).《老練な密猟者が最善の監視人になる》「蛇の道は蛇」
(d) The smell of garlic takes away the smell of onions.《ニンニクの臭いはタマネギの臭いを消す》
(e)
Those who hide can find.《隠し癖のある者が物を発見できる》「蛇の道は蛇」
 = He that hides can find.

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