教訓 165. 悪人にさらなる悪の機会を与えよ。


Give a thief enough rope and he'll hang himself.《盗人にロープを十分に与えよ、そうすれば自分を縛る》


 悪を防ぐには、まず悪の生まれる原因を探らなければなりません。コトワザは、人間が悪の道に走るのはそうさせる機会や状況があるからだとします。

(a) The hole calls the thief.《抜け穴が泥棒を呼び込む》
(b) An open door may tempt a saint.《開いている扉は聖人をも誘惑する》
(c) A back (or postern) door makes a thief. 《裏口が泥棒をつくる》(奉公人が裏口からものを運び出す)
(d) Opportunity makes the (or a) thief.《盗む機会があるから盗人が生まれる》

 常識的な発想からすれば、悪の機会をなくすることが悪を防ぐことです。しかし見出しのコトワザは、悪人に悪を行う機会をさらに与えよといいます。そうすれば、悪事の露見する機会が増え、悪人はおのずと身を滅ぼすからです。これは、悪を奨励することによって悪を防止するという奇策です。このような奇策を、コトワザは次の「教訓165」でも、いくつか用意しています。

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