教訓 158. 金銭の貸借はするな。


Out of debt, out of danger.《借金がなければ危険なし》


 生活の安定のためには、人間は借金はしてはいけません。借金がなければ、トラブルにも巻き込まれないし、法を犯す危険もありません。

(a) Neither a borrower nor a lender be.《借り手にも貸し手にもなるな》
          別掲 → 教訓137 友情を壊すのは金銭である。
(b) Don't outrun (or overrun) the constable.《警官から逃げなければならないようなことはするな》

(b)は、借金をして警察の厄介になるな、という意味です。

 すでに触れたように、金の貸借は友情を破壊するので、友人の間で金銭の貸借はしてはいけません。やむを得ずした借金はすぐに清算することです。そうすれば、友情にひびの入ることはありません。

(c) Lend your money and lose your friend.《金を貸せば友を失う》
          別掲 → 教訓137 友情を壊すのは金銭である。
(d) When I lent I had a friend; when I asked he was unkind.《金を貸してやったときは友達だったが、請求したら冷たくなった》「借りるときの地蔵顔、返すときの閻魔顔」
          別掲 → 教訓137 友情を壊すのは金銭である。
(e) Short reckonings make long friends.《清算日が短いと友情は長続きする》
          別掲 → 教訓137 友情を壊すのは金銭である。

 また、やたらに他人におごりたがるものがいますが、そういう人にかぎって借金生活をしていることがよくあります。人に気前良く振る舞う前に、まず借金を返済せよとコトワザは教えます。

(f) Be just before you are generous.《気前良くする前に、まず義務を果たせ》

 無料の接待を受けることも、よくありません。後で高い代償を払わなければならない危険があります。ただと見えるものには、近づかないことです。

(g) There's no such thing as a free lunch.《ただの昼食なんてものはない》
(h) You do not get something for nothing.《ただではものは手に入らない》
(i) Nothing costs so much as what is given us.《貰ったものほど高いものはない》「ただより高いものはない」

 最後に、やはり相手から貰うより、相手に与えるという気持ちが大切であるようです。次のコトワザは、人から貰うより、人に施すように心がけよといいます。

(j) It is more blessed to give than to receive.[Bible:the Acts20-35]《与うるは受くるより幸なり》[聖書:使徒行伝20−35]
  = It is better to give than to take.《受けるより与える方がよい》

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