教訓 104. 忍耐と我慢がことを成就させる。


Everything comes to him who waits.《待つ人のところへはどんなものでもやってくる》「待てば海路の日和あり」
  = All things come to him who waits.


 さて、ことを成就するには何ごとも最後まで継続する perseverance《頑張り》が必要ですが、一方、苦痛や困難をじっと受動的に堪え忍ぶ patience《我慢》も必要です。ここでは、その我慢をすすめるコトワザを取り上げて見ましょう。
 まず、コトワザは待つという行為自体にも、意味があるといいます。

(a) They also serve who only stand and wait.[John Milton]《立って待っているものも役に立っている》

これは、どのような組織でも、緊急時にそなえて余裕のある人員配置をしておかなければならないということです。

 次のものは、見出しのコトワザと同様に、あきらめずに辛抱強く待つことが、願望を成就する鍵であることを教えています。よいものはいくら待ってもよいし、待てば大抵のことはかなうものだといいます。

(b) The opera ain’t (isn’t) over till the fat lady sings.《太った女性が歌うまではオペラは終わらない》(まだ終わっていない、早まった真似をせず最後まで希望をもって待て)
(c) Good things are worth waiting for.《よいことは待つ甲斐がある》
(d) Time works wonders.《時は奇跡をおこなう》
          別掲 ⇒ 教訓111 時間は過去を忘れさせてくれる。
(e) Time will tell.《時が経てばわかる》

 そして目的達成のためには、どんなに嫌なことであっても避けて通ることなく、最後まで苦痛に堪えて我慢しなければならないと説きます。この類義コトワザは沢山あります。

(f) If you do not like it you may lump it.《気に入らなくても我慢せよ》
(g) He that would have eggs must endure the cackling of hens.《卵を取ろうとするものは、メンドリの鳴き声を我慢すべし》
(h) What can't be cured must be endured.《直らないものは我慢する以外にない》
(i) You must grin and bear it.《笑って我慢せよ》
(j) Patience is a virtue.《忍耐は美徳》

 次のコトワザも、困難の状況の中にあって、悪条件に屈することなく、最善を尽くして努力せよと教えます。

(k) Make the best of a bad bargain.《損な買い物もなんとか工夫して生かせ》
(l) Make the best of a bad job.《不幸な事態にも善処せよ》

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