教訓 91. 意欲を大切にすべし。


Even a worm will turn.《毛虫でも向かってくる》「一寸の虫にも五分の魂」


 意欲や意志は、だれにでもあるものです。見出しのコトワザは、それを無視したり踏みにじったりすれば、どんな人間でも反発してくるというのです。

 そして、自由意志で働くものは強制されたものの二倍働きます。やる気のないものに、いくら強制してやらせようとしても無駄です。次のコトワザも、意欲または自由意志の大切さを主張しています。

(a) One volunteer is worth two pressed men.《志願兵一人は徴用兵二人の価値がある》
(b) None so deaf as those who won't hear.《聞く気のないものほど、耳の聞こえないものはいない》「心焉に在らざれば視れども見えず」
(c) None so blind as those who won't see.《見る気のないものほど、目の見えないものはいない》「心焉に在らざれば聴けども聞こえず」
(d) A nod is as good as a wink to a blind horse.《めくらの馬にはうなずきも目くばせも同じ》

(d)には、二つの意味があります。一つは、〈鈍感な人にはどんなヒントを与えても無駄である〉という意味で、「馬の耳に念仏」に相当します。もう一つは、〈敏感人にはわずかなヒントだけで十分である〉という意味で、「一を聞いて十を知る」の相当します。
          別掲 ⇒ 教訓206 言葉以外にも表現手段はある。

(e) A man may lead (or take) a horse to the water but he cannot make him drink.《馬を水際まで連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない》「匹夫も志を奪うべからず」
  = You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.

(e)は、人は機会の提供はできても、その受諾は強制できないことをいっています。

 とくに、やる気でいるものを強制すると、やる気を失うから要注意です。

(f) Never spur a willing horse.《働く気でいる馬に拍車をかけるな》

 だから、逆に考えれば、その気のないものが義理にする親切ごかしほど、有り難くないものはありません。

(g) A forced kindness deserves no thanks.《強いられた親切は感謝に値しない》

 ただ、やる気があっても、失敗することがあります。実行できなかったとしても、実行の意思が認められるならば、それなりに善意を認め、評価してやるべきです。

(h) Take the will for the deed.《意志は行為として受け取れ》

                       本文のトップに戻る