教訓 66. 希望や期待は人を惑わすものである。


Hope is a good breakfast but a bad supper.《希望は朝食としてはよいが、夕食としてはよくない》


 人生に期待や希望が必要だからといって、あまりにそれに執着するのはよくないこともあります。希望に満ちて一日を始めるのはよいのですが、希望が夕方になっても実現しないときは諦めなければなりません。希望に執着しすぎると、幻滅に終わりがちなものですから、その意味で希望は人を惑わすものということができます。

(a) Too much hope deceives.《過大な希望は人を欺く》
(b) Hope often deludes the foolish man.《希望はしばしば愚者を惑わす》

 次のコトワザはもっとはっきりと、期待するなと説きます。期待のないところには、失望もないからです。

(c) Blessed is he who expects nothing, for he shall never be disappointed.[Alexander Pope]《期待しないものは幸いである、失望することがないから》
(d) He that hopes not for good, fears not evil.《善を望まなければ、悪も恐ろしくない》
(e) Abandon hope, all ye who enter here.[Dante Alighieri]《ここから入らんとする者はすべて希望を捨てよ》

(e)の出典はダンテの「神曲」の「地獄編」ですが、地獄という絶望の極地に入ろうとするものには、一切の希望は無用であるというものです。実際は、このコトワザはユーモラスに用いられることが多いようです。

 さて、楽観をいましめるコトワザは、最後にはこのようなシニカルな処世訓に到達していまいました。

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