教訓 41. 部分から全体がわかる。


You may know by a handful the whole sack.《一握りで袋全体の中身がわかる》 「一斑を見て全豹を卜す」


 このコトワザのいうように、ものを知るには全体を見る必要はありません。一部を見れば全体が判断できます。次のコトワザも同じことをいいます。

(a) You may see by a bit what the bread is.《一片を見ればそのパン全体の良しあしがわかる》

 例えば、大工仕事の出来映えも、全体の完成品を見なくてもよいのです。削りくずの多寡によって大工の技量を知ることができるからです。

(b) A carpenter is known by his chips.《大工の良しあしは削りくずでわかる》「大匠は削らず」
(c) The best carpenter makes the fewest chips.《一番よい大工が削りくずが一番少ない》「大匠は削らず」

 蜜蜂と蜂蜜のように、お互いに切っても切れない縁にあるものは、一方を見れば他方の存在が知られます。

(d) Where bees are, there is honey.《蜜蜂のいるところに蜜あり》
          別掲 → 教訓217 原因のない結果はない。

 また、次のコトワザのいうように、出来事には何らかの前兆があります。注意深く観察すれば、来るべき未来を予測することができます。

(e) Coming events cast their shadows before.《近づく事件は事前にその影をうつす》「山雨来たらんとして風楼に満つ」
(f) A straw shows (or tells) which way the wind blows.《一本のわらが風向きを教えてくれる》「一葉落ちて天下の秋を知る」
= Straws show which way the wind blows.

 これらの判断や予測は、それほど簡単ではないでしょうが、知恵と判断力のある人は「一斑を見て全豹を卜す」ことができますから、理由の説明に多言を要しません。

(g) A word is enough to the wise.《賢者には一言で足りる》「一を聞いて十を知る」
          別掲 → 教訓174 賢者は一を聞いて十を悟る。
(h) One reason is as good as fifty.《理由は一つあれば五十あるのと同じである》

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