教訓 12 隣の芝生は立派に見える。


The grass is always greener on the other side of the fence.《塀の向こう側の芝生はいつも青い》
「隣の芝生は青い」 「隣の花は赤い」


 だから、たとえ距離的に近くにあっても、それを手に入れることが困難なものは、やはり実際よりもよく見えます。わが家の花よりも、「隣の花は赤い」のです。この意味の類義コトワザは、次のように数多くあります。

(a) The apples on the other side of the wall are the sweetest.《塀の向こうのリンゴが一番うまい》
(b) Our neighbor's ground yields better corn than our own.《隣人の土地には自分の土地よりもよい穀物ができる》
(c) My neighbor's goat gives more milk than mine.《隣人の山羊は自分の山羊より多くミルクを出す》
(d) A fence between makes love more keen.《間の垣根がいっそう恋を燃え立たせる》

 他人のものがよく見えるのは、それが自分のものでないという単純な事実に由来します。他人のものを自分のものにすることが禁じられているからこそ、それが甘美に思われるのです。この人間心理がさらに高じると、創世記のアダムとイブから取られた次のようなコトワザになります。

(e) Forbidden fruit is sweetest.《禁断の木の実が一番甘い》「怖いもの見たさ」
(f) Stolen pleasures are sweetest.《盗んだ快楽が一番楽しい》
 = Stolen fruit is sweet.

 しかし、このようなコトワザまで来ると、そこに見られる天の邪鬼心理をただ笑ってすますことはできなくなり、次のコトワザのように、その行きすぎに警告を発することになります。

(g) Too much curiosity lost Paradise.《好奇心が強すぎると楽園を失う》
          別掲 → 教訓120 好奇心は大敵である。

                  本文のトップに戻る