教訓 7. 現在という時間には魅力がない。


The golden age was never the present age.《黄金時代が現代であったためしはない》


 距離的に近いことが尊敬の念を薄めたように、時間的にも、現在という「時」はあまり人の魅力の対象にはならないようです。見出しのコトワザは、たとえ現在が黄金時代だとしても、そこに生きるものにはその幸せが感じられず、過ぎ去って初めてあのときが一番よい時代であったと気づくという教えです。現在という「時」は、それほど魅力に乏しい時間なのです。

(a).Jam tomorrow and jam yesterday ー but never jam today.[Lewis Carroll]《明日もジャム、昨日もジャム、でも今日はジャムはない》
 = Jam tomorrow.《ジャムは明日だ》

このコトワザは、ルイス・キャロル「鏡の国のアリス」から引用されたコトワザですが、女王がアリスに約束させたことは「ジャムは一日おき」ということ、つまり「昨日と明日とはジャムがあるが、今日はない」ということでした。しかしこれは言葉のペテンで、「明日」になればその「明日」は「今日」となり、やはり「ジャムのない日」となるのです。したがって、このコトワザは原義通りに、明日と昨日との間にはさまれた今日という日は、永久に「楽しくない日」という意味で用いられるのです。

 また、Jam tomorrow.《ジャムは明日だ》は、永久に実現しない「空約束の明日の楽しみ」を皮肉るコトワザとして用いられます。

                         本文のトップに戻る