「地方と中央で対等な行政を」

中日新聞社読者センター「発言」欄(平成15年12月4日掲載)

 十一月十二日付けの本誌朝刊によれば、麻生太郎総務相は神田知事率いる「愛知陳情団に八つ当たり」して、「総選挙で(自民候補を)たくさん落としてくれたから、陳情は控えめに」と語ったという。

 「問うに落ちず語るに落ちる」というが、大臣のこの不用意の一言から、政府の唱える地方分権とは建前論にすぎず、その奥に相変わらず省庁の大臣や担当者のさじ加減で予算配分が決まった従来の構図が浮かび上がる。

 そこで提案がある。もう「陳情」という言葉を使うことは、止めようではないか。広辞苑によれば、「陳情」とは「実情を述べて公的機関に善処を要請すること」とあるが、「陳情」といい「要請」といい、中央省庁に頭を下げて懇願するイメージが強すぎる。「要求」あるいは「要望」でいいではないか。

 地方自治体が「陳情」を続けるかぎり、政府や中央省庁の姿勢は変わらないであろう。地方自治体は彼らと対等の姿勢で、堂々と「要求」を出したらいいと思う。

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