「自分史を残したい」

中日新聞社読者センター「発言」欄(平成16年2月16日掲載)


 自分史が流行している。パソコンの普及のお陰である。デジカメとプリンターを備えれば、写真付きの自分史の小冊子が手軽に作れるし、またインターネットで自分史を発表することも読むことも簡単にできる。

 私も最近、地域の「自分史の会」に加入し、自分史を書き始めた。私の場合その動機の一つは、亡くなった両親の一生を知りたいと思ったとき、残された手がかりが何もなかったことだ。せめて手紙や日記の一つでもあったらと、悔しい思いをした。子供や孫にそんな思いをさせたくない。

 もう一つの動機としては、生きた昭和史を伝えたい。自分が一生をかけて歩んだ道を、できれば昭和という大きな時代の流れの中で語ってやりたい。それは親の子供らへの義務とさえ思う。
いま私は老境を迎え、心の遺書としての自分史書きに熱中している。

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